一人の弊害
一人芝居をメインに活動なさっている方が
久しぶりに複数人で公演した時のことを話してくださった。
「人とやると、きっかけ台詞間違えられないよね」
一人だと、間違えても自分で帳尻あわせられるけど
と笑ってらっしゃった。
その方は真摯に作品づくりに取り組んでいらっしゃる方だから、
そんなことを言いながらも、きちんとなさったのだと思う。
でも、ふと考えたんだ。
一人でやる時は、自分を律していく必要が
大勢でやる時よりもあるのかもしれない。
自由だからさ、基本自分の我儘全部通るからさ
だから、やろうと思えば自分のやりたいようにやれてしまう。
よっぽどちゃんとしていないと、どんどん楽な方に
流れていってしまうかもしれない。
人とやるのは窮屈な側面もある。
でも、その制約があることで、
一人でやる時に、働かせなくて良かった部分を
働かせざるを得なくなり
そのことが、階段を一段上らせる。
雑草達が少しでも伸びようとするように
(横に行けない。上に行くしかねえ!)
窮屈さ、不自由さが、その人を押し上げる力になる
こともあるかもしれない。
私はずっと人形劇がやりたいから
年老いて周りのペースについていけなくなった時は
一人でやることになるだろう。
でも一人でやる時は、皆とやる時以上に
律する心が必要になるんだろうな。
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