動かないでいられる身体
インド舞踊モーヒニヤッタムの大切なお稽古に
目を動かす訓練がある。
(詳細は先生にお尋ねください)
目を大きく動かそうとすればするほど
身体はどっしりする必要がある。
身体がどっしりしていないと、目の動きに
引きずられて、根っこが抜けてしまうんだ。
私、目の訓練をしていると わからなくなる。
目を大きく動かそうとしているのか
目が大きく動いても振り回されない、強い身体を
つくっているのか。
でも、目の訓練をしていると、
自分が木だとしたら、根がどんどん地中深く伸びていく、良い意味で動かない身体になっていく
そんな気がしてくる。
動きを見せるには、動かないでいられることが必要なんだ。
全部がなし崩し的に動いてしまうと、見せたい動きが抽出されないから。
動けないのはダメなんだけど
動いちゃうのもダメ。
動かないでいられる身体で、見せたい動きだけを
見せる。
それが必要なんだ。
「目の訓練が基礎なんです」
先生のお話を聞きながら、見せるべきものだけが
鮮やかに見えていた先生の舞台を思い出していた。
あれは、動かないでいられる身体だからできたのだと思う。
この目の訓練を繰り返すことで、
モーヒニヤッタムの方々は、動かないでいられる身体をつくっているんじゃないかな。