深い淵
アートマイムのレッスン
両手で掴んだ重たい物を持ち上げたり、
それを置いてみたり。
先生のおっしゃるようにしていると
腕で囲われた何もない空間が、深い淵になる。
腕の中の底しれない深い淵が、私を吸いこもうとする。
深い淵の正体は、重たい物と私の引っ張りあい。
両者のせめぎあいが、ぱっくり口をあけた深い淵になる。
ちょっとブラックホールみたいだな、なんて思ったりする。
重たい物を持ってるから、手の先に重さがあるはずだって思いたくなるじゃないですか。
残念ながら、そこに重さはないんだ。
重さは、身体の外にあるんじゃない。
私の身体の中にある。
物と私の中間にある。
引き伸ばされて、ぱっくり口をあけた深い淵
物と私の間に生じたブラックホール
これが重さの正体だ。
(個人の感想です。本当に そうかは知りません)