36.日本人選手と海外選手の練習方法の違い

マスターズになってから、子供時代からの夢であった海外の仲間の練習に参加したことがある。
全部英語で考え方もコーチも知らぬまま参加したし、メニュー説明が分かるかなと不安だったが、どうやらそんなに細かく難しいことはしないという方針で、頑張って泳ぐという根性練ではなく動きを確かめていく練習で、私には割とマッチした。

兼ねてから日本のマスターズ大会出場ついでに日本の練習に海外のお友達が入ることは多く、一緒に何度か泳いでメニュー説明も行ってきてた。
彼らは日本の練習が難しいと言っていた。

メニューの内容はコーチの個性によるところが多く
・スプリントタイプ
・ミドルタイプ
・ロングタイプ
・種目練習
などによっても多少異なるのだろう。

スプリントタイプは選手の感覚ややる気によって左右されるので、あまりきっちりと組む傾向はなく、泳いだフィーリングでメニューを変えて短時間で集中し、一気に全力を出して終わる練習が主体だ。
それ以外はゆるゆるっと体を解したりリラックス時間が多い。
ハワイで一緒に練習したシドニーの金メダリスト、アンソニー=アービン選手と、ゲイリーホール=ジュニア選手は、対照的で、
アービンは水着すら忘れてきて、貸して!と言ってシャワーで水の感覚だけ確かめて1本50m泳いで終わり。頭の中で動作イメージを作っているようだった。

ゲイリーホール=ジュニアはドリルワークやキック、体のローテーションなどを念入りにチェックし、一気にスピードを上げて50mを1本泳いで終わり。父のゲイリーホールが時々声をかける程度ではあったが、和やかな感じである。

ミドルタイプは3/4で練習を行う少し余力を残して感覚が良い段階で終わる海外選手の練習と、きっちりかっちり時間通りに淡々とこなしていく日本の選手との違いはあるかと思う。
例えば300m*6本と400m*10本といった違い。

アップの後にキックがどこで入るかも特徴が違う。日本ではキックをアップの後に入れることが多く、足を動かし心拍数を上げたり、動きの連動を出していくが、
海外の選手は体の動きについてさほど繊細ではないので、まぁ全体でそこそこ泳げていれば、ドリルに混ぜればいいだろうといった感じだ。
ミドルでの大きな違いは根性練習がない点だ。

日本ではドリルメニューが決まっておりそれをやるが、海外の選手は自分で考えてやりたいものを行う。そこでサークルに漏れても、泳ぎを作ることを優先させる。受動的な部分が日本には多いとかんじる。

ロングについては、どこも大体同じ。
桁違いに泳がせる量も練習回数も大体同じ。とにかく継続して泳がせる。ある群馬の名物コーチの練習では1500m*3本だし、アメリカなどでは400m*20本などだ。そこは大きな差はない。

種目練習については、大体のセオリーは同じように感じる。メインを種目で行い後は基礎練習。スタートダッシュなどが入る点も似ていると感じた。
ただ海外チームの方が基礎練習の時間が短く30分後にこれをするから体作ってのような感じ。ここも主体性が重視され、指示に従うのではない。



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