旅人のアウフヘーベン
自分は常に旅人でありたいと思っている。が、理想の旅人像が2つあって背反している。沢木耕太郎と「ジョーブログ」である。
自分が旅人になりたい(肉体的にも精神的にも)と思った契機は18歳の頃、沢木の『深夜特急』とジョーブログの南米縦断に同タイミングで触れたことで、前者は26歳、後者は24歳の旅だった。深夜特急は1人異国の地を歩いて見て考え続ける旅で、南米縦断は相棒と一緒に七転八倒、苦難をこえ前に進み続ける旅だった。
自分はいま24だが、沢木ほど大人ではないしジョーほどの無鉄砲でもない。しかし両者の性格や人間性を自分の中に取り入れたいと強く思っている。両者を自分の中でうまく共存させアウフヘーベンできれば、旅人として、ひいては人間としての新しい地平が見えてくるのもしれない、などと思うのである。