デリバリー徒然
最近、とあるフードデリバリーのアルバイトをはじめた。優柔不断かつ飽きっぽいという、決断力も根気もない私だが、これまで人生でデリバリーほど「やってよかった」と思ったことはないかもしれない。そのくらい、オモシロイ仕事だとおもっている。
私がこのバイトを始めたのは、折しも新型コロナウイルスが日本で拡大し始めた4月のこと。大学院に通いながら一人で食っていくために、どうやって稼ごうかなぁ~と漠然と考えた結果、「ネパールで原チャリに乗って遊んだのめっちゃ楽しかったな」という超意味不明な理由でバイクに乗れる仕事を選んだ。
最初は道と仕事を覚えるのに手一杯。ミスもいっぱいやった(まぁ今もだが)。
新型コロナウイルスでバイト先が休みになったり、もはや無くなったり、仁義なき世界のリアルが世の大学生を苦しめる中、デリバリーは仕事無くならなそう……!というカンもあり選んだ訳だが、その点では正しかった。一方で、デリバリー需要が増えすぎてイキナリ超ハイパーフル稼働の中現場に放り込まれ、なんやこれ忙しすぎやろ!となったのは贅沢な悩みだ。
このバイトが面白いのは、色んな家の「玄関」を覗ける点にある。こういう言い方をするとヘンタイみたいだが…これが非常にオモシロイ。
配達員はとても微妙な人間関係の中、お客様の玄関に立つ。一方で、お店の「ブランド」や「配達員」としての社会的役割をもとに、ある種の信頼があって人様の家のドアを叩くことが許されるわけだが、他方でやはり他人は他人である。
そんな配達員への対応は本当に人それぞれで、超狭いドアの隙間からこんにちはの人もいれば、「家のドアを開けて置いといてください」みたいな超オープン?な人もいる。セキュリティも色々でおもろいので、これについてはもうちょっと詳しくなってから書こうかな(笑)
東京に来て6年、東京への感想は「たくさん人がいるなぁ」だったのだが、家々を飛び回る仕事の中で、本当に「色んな人がいて社会なんだなぁ」、へと変わった。そして、次はその「色んな人」のもう少し深いところを知れる仕事をしてみたいと思ったりした。
一番好きな時間帯は夕暮れのトワイライト。薄っすらと陽が沈んでいく中、中二病的になんか起こりそうな赤い空をサイドミラーでチラ見したり、配達先の高層階から夕焼けを眺める一瞬(マジで超一瞬、余裕ない)がたまらん。しかも店の立地により、夕方に店を出るときは西日をバックに出発できる。なんか、かっこよくない?(笑)(笑)(笑)
「夕陽に向かって走れ」??バカヤロー!俺は夕陽に背を向けて、今日もみなさまに「美味しい」を届けるぜ。*なお、バイクはジャイロ、ダサい……
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