【580日目】どうせ死ぬのになんでリハビリをするのか

2023年7月4日 22:20

こんばんは。

訪問リハビリテーション学会で一番心に残っていること

さて、ずっとまとめられていなかった「訪問リハビリテーション学会」のまとめをいい加減しようと思います。

…そう思っていたのですが、すでに1ヶ月以上前のことでしょうか。

案の定、詳細なんて覚えておりません。

というわけで、学会で一番心に残っていることを一つ書きたいと思います。

それは『株式会社gene』代表の張本浩平さんが講演されたランチョンセミナーでのお話の内容です。

張本さんは訪問リハビリテーションに長年従事されているPTさんで、株式会社geneはセラピスト向けのセミナーを数多く提供されている会社なのでリハビリ界隈の人間で張本さんの存在を知らない人は少ないと思います。

そんな張本さんはSNSでの発信も精力的にされており、経験に基づくエピソードに加え、トーク力やエンタメ力も抜群にあります。

僕が尊敬するセラピストの一人です。

そんな張本さんが話してくれたのは、訪問リハビリに従事してからある程度の年数が経った頃、一つの疑問を抱えていた張本さんに対して張本さんの先輩が言った言葉についてです。

抱えていた疑問というのは「結局最後はみんな亡くなってしまうのに、なんでリハビリをするのだろうか」ということ。

利用者さんへ提供するリハビリに価値を見出せずに出た疑問ではなく、人一倍対象者さんに向き合って向き合って、それでも最後は亡くなってしまう方を多く経験して無力感を感じた張本さんが抱いた疑問です。

それに対して先輩さんが言い放ったのが、

「頭いいのに馬鹿だね。最後が同じなんだから、それまでの過程をどうするかしかないじゃない」

みたいな感じの言葉。

その言葉は、今でも僕の中でも自転車を漕いでるときなどにリフレインすることがあります。

その言葉は、目的と手段の両面を持ち合わせながら連続性のある「作業」というものを大切にする作業療法士という職種として働いているからこそ響く言葉でもありますし、正しい結果よりも無駄な過程だったり、一般的な正論よりも個性的な当たり前の方が大事にしたい性分の僕には響くのだと思います。

そして、訪問の仕事に就き、悩みと後悔とプレッシャーの連続の中で、なんとか指針となるようなものを求めて学会に参加した自分の心情にうまく適合していたのだと思います。

「最後が同じなんだから、それまでの過程をどうするかしかないじゃない」という言葉は、訪問で抱えていた悩みと後悔とプレッシャーの全てを肯定してくれるような優しくて、そして厳しいお言葉だと感じました。

あ、それともう一つ、心の残っている言葉を思い出しました。

これも張本さんのランチョンセミナーでの内容です。

利用者さんに良くなりますか？と聞かれたときの答え。

直接利用者さんに言える答えかどうかは別として、胸の中ではちゃんと自信を持って言える答えの一つ。

「身体が良くなるかは分からないけど、人は生きている限り成長していける。生きる上での成長とは強くなるということ」

例えば、数値で表せる能力値が人にあるとします。

病気や老化によってそれらの数値は低くなるかもしれないけれど、経験値で見ればそれらを経験した後の方が人全体で捉えた時には成長しているということになる。

それは良し悪しではなくて、強くなっているということ。

人は生きている限り「経験」を常に積み重ねているので、生きて経験値が貯まることで成長し、人としての強さになります。

一人で何でも出来る有能さよりも、一人では出来ないことがあることを知った後の優しさだったり、柔軟さだったり、素直さだったり、他人に頼れることだったりが強さになりますよね。

成長＝強くなる＝生きる

記憶が曖昧なのでどこまでが実際の張本さんのお話で、どこからが自分の妄想と解釈かは分からなくなっておりますが、信じられるのは自分の妄想と解釈の方です。

時間が経ってからの投稿になってしまい記憶は正確ではありませんが、心にちゃんと残っているのはこういった経験談に基づく言葉やエピソードでした。

本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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それでは、また明日。

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