【1日1文献】福島第一原子力発電所事故による避難生活で認知症高齢者を在宅介護する家族の生活状況と精神的健康―避難住居形態別による検討―#避難者#認知症高齢者#在宅介護

参考文献:福島第一原子力発電所事故による避難生活で認知症高齢者を在宅介護する家族の生活状況と精神的健康
―避難住居形態別による検討―
筆者:鈴木 良香結城 美智子 
発行日:2022年
掲載元:日本在宅医療連合学会誌 3 巻 (2022) 3 号
検索方法:インターネット
キーワード:福島第一原子力発電所事故避難者認知症高齢者在宅介護介護者

【抄録】
・本研究の目的は福島第一原子力発電所事故による避難生活で認知症高齢者を在宅介護する家族の生活状況と精神的健康を検討することである.
・全住民が避難指示による避難を長期継続している福島県A町の協力を得て,避難住宅で在宅介護している家族介護者79名を対象として,個別訪問による面接調査を行った.
・被介護者は約7割が避難後に要介護認定を受け,認知症の診断を受けている者は約3割であった.
・対象者は半数以上が女性の高齢者であり,心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorde:以下,PTSD)疑いは約3割で,避難住居形態別の有意差はなかった.
・介護負担感得点は,持ち家群が仮設住宅群より有意に高かった.
・結果から,長期避難生活中の在宅介護を担う家族への支援の必要性が示唆された.

メモ
・長期避難という多重課題下にお ける介護生活は,困難感と認知されず,支援の必 要性を感じにくいこと,避難先の支援に対する情 報不足や躊躇から,適切な専門家の助言やサービ スなど必要な支援につながらないことが懸念され た.
・被介護者の認知症の行動心理症状が,介護者 の介護負担感や精神的健康に影響することを考慮すると,被災地における在宅医療チームのアウト リーチなどによる早期発見・治療介入につながる 支援体制は発災当初のみならず,孤立させない介 護のための避難先の地域における保健医療介護 チームの連携強化とともに,長期にわたって支援 する仕組みづくりの必要性が示唆された.

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahcm/3/3/3_3.3_9/_pdf/-char/ja 


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