KAN「カンチガイもハナハダしい私の人生」(2010)
土日は新譜じゃ無くて旧譜を書いていこうシリーズ
このアルバムは過去に感想を書いたことがあるはずだけど、今は無いブログなのでその時のものは残ってない。
と言うことで、改めて書いてみようかと。
フランスからの帰国後2枚目のオリジナルアルバム(通算15枚目)
このアルバムから、何となく音楽としてのレベルが数段上がった気がしてる。
楽曲
M-1~2
再生し始めるとまず1曲目は、まさかの電子音サウンド。
Perfumeにハマったことで中田ヤスタカサウンドで曲を作って、それを1曲目。
続けて2曲目「小学三年生」はビッグバンドジャズ。
演奏メンバー22人の楽譜を全部手書きで書いたと言う6分29秒の曲。
最初の2曲の振り幅でクラクラする。
M-3~6
3曲目から、今までのKANさんのアルバムの雰囲気に戻ってちょっと安心。
とは言っても元々曲によってジャンルがバラバラの人なので。
M-3「ピーナッツ」はAOR、M-4「バイバイバイ」は先行シングルでは弾き語りだったものにギターやバイオリンのアレンジを加えて。
M-5「青春の風」はチューリップのような曲、M-6「ordinary days」はスティーヴィー。
M-7
そして7曲目から大作が続く。
M-7「オー・ルヴォワール・パリ」はフランス留学を経たからこそできあがったようなタイトルで、しかもジャンルはシャンソン。
曲構成から何から、J-POPとは何か、という根源的なところにも疑問を持ちたくなる。
6分10秒
M-8
そしてM-8「よければ一緒に (full size)」
先行シングルはフェイドアウトだったけど、フルサイズで収録。
ちょっと前にこれ1曲で記事を書いたくらい聞き所がある。
8分03秒
M-9
最後にダメ押しのようにM-9「予定どおりに偶然に (with ASKA)」
ついに本気を出してしまった、とKANさんが言ってしまうほど、もの凄い楽曲。
ASKAさんとの共作と言うことで、チャゲアスの曲でたまにある組曲のように曲がどんどん展開していき、その中にASKAさんの曲をイメージするような歌詞が散りばめられて。
ASKAさんの歌唱力の凄さも相まって、大作というに相応しい曲。
6分57秒
ブックレット
ブックレットには楽曲の詳細な情報が載っていて。
(参加ミュージシャンはもとより楽曲のキーとなるコードや制作期間などまで)
その中から、演奏時間をピックアップ。
CDや配信の時間だと微妙に違うけど、制作の意図としてはこの時間らしい。
なんと最後の3曲だけで21分を超えている。
9曲入りで50分。
前作14thアルバムは2006年、その後2007年にベストアルバム(IDEAS)、2008年に弾き語りのライブアルバムが出てたけど、オリジナルアルバムとしては3年半ぶり。
何なら渡仏期間を挟んだ時よりも間隔が開いてたんだけど、聞き終わった感想としては
「そりゃこれだけ作り込めばこれくらいの時間はかかるよ」
これ以降、自分がJ-POPのアルバムを聴くときの評価基準はこのアルバムになってしまったわけです。
その基準を超えてきたのはここから6年後の2016年に発売された16thアルバム…
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