NANIMONO
フラッと寄ってみた小ぢんまりとした、老舗ライブハウス。
平日だというのに、たくさんの人で言霊が溢れかえる。
白いライトがステージを照らせば、全員が主人公。
無名なグループでさえも、目の前にしたら自分の儚さを感じる。
自分は今日なんでここに来たんだっけ、昨日は何をしてたっけ、明日からまた仕事か…。
主人公たちがペンを走らせて、魂を載せた歌詞が全ての人を魅了するわけではないけど、誰にでもできる事じゃない事は確かなんだよな。
大抵の人は何者でもなくて、大抵の人はその日をなんとなく生きてて、その日を終える。
その倍くらいの人たちが目的に生きてて、達成したり失敗したりしてる。
ふと、自分が何者なのかを考える。
考えてみるが、正直なんの答えも出ない。
学生時代はガムシャラにスポーツをやって、勉強はほどほどに。
ありがたい事に慕われる人間になれて、友達もたくさんできた。仕事で上に立つ立場にあって、役割もある。
全ての物事には意味があるというが、自分が何のために生きてて、何のためにいるのか皆目検討もつかない。
決してネガティブな考えはないけど、自分が何者なのか知りたい。
芸能人やスポーツ選手、著名人と呼ばれる人たちは何者なんだろうか。スタート地点は僕らと同じ、産声と共に始まったのに、ゴールはまるで違う。
だから僕は今日も考える。
NANIMONO