女1人北インドの記録 ④インドの長距離バスに乗る(ジョードプル→ジャイプル)
インドの寝台列車とバスに乗ったよという話。オチはないです。
寝台列車
朝7時過ぎ、金属が軋むような音で目が覚めた。
昨夜デリーを飛び出して寝台列車に乗った私は、600キロほど離れたジョードプルにもうすぐ着くところだった。
寝台列車、マンドールエクスプレスのAC 3 Tier(インドの列車は座席クラスが細かく分かれていて、これは上から3番目くらい)に私は乗っていた。
日本の電車の1.5倍くらいの巨大な車両の中には開閉式の三段ベッドがびっしり並んでいる。
1番上の段でゴロゴロしていると、周りの乗客達も徐々に起きて身支度を始めていた。車内チャイ売りが良い匂いをさせながら座席の間を縫って歩いていく。
ジョードプル
ジョードプルは過ごしやすかった。
街の中心部はモロッコのシャウエンのように全ての建物が青く塗られている。虫除けや屋内の温度上昇を防ぐ、など諸説あるらしいが、どこを見ても真っ青で美しい。
イスラム教徒が多いのか、時間になるとあちこちからアザーンが聴こえる。
商店街には刺繍がたくさん施された可愛いバッグや色鮮やかなサリーを売る店がたくさんあった。
街にほとんど女性が歩いていなかったデリーと違って、女性もたくさん歩いていてアクセサリーやサリーを楽しそうに選んでいた。みんな着こなしが色鮮やかでおしゃれ。
話しかけてくる人も、観光客を騙してお金儲けしようとするような人は少なく、「こっちの壁の方が青いからこっちの写真を撮れ」みたいな程良いおせっかいを焼いてくれて優しい。
あとごはんが美味しかった。
雑貨屋のおじちゃんに教えてもらったPriya hotel の1階にあるレストラン。ほぼ毎食タリーだったので2週間で30食近くタリーを食べた訳だけど、ここのが1番美味しかった。
と、いうことでジョードプルは平和だということが分かったので2.3日で次の街に行くことにした。
できるなら1ヶ月ほど滞在したいほど居心地が良かったが、悲しいかなサラリーマンの私には時間がない。次は会社辞めて来るね♡
唯一事件といえば初日に野犬にデニムを噛まれて引っ張られたくらいだった。
出発前に買ったばかりだったボーイフレンドデニムは太もものところがパックリ割れた。
バスに乗る
次に目指すは、インド経験者の友人にお勧めしてもらったジャイプル。ジョードプルの建物は青かったが、ジャイプルには建物が皆ピンクに塗られたピンクシティがあるらしい。
ネットでジャイプル〜ジョードプル間のバスを予約した事をゲストハウスのオーナーに話すと、バスターミナルまでのリキシャを手配してくれた。
オーナーがバスターミナルまでの料金を払ってくれたので、リキシャにボーッと乗っているだけでバスターミナルに着いた(デリーのリキシャとは大違い。なんて平和なんだ)。
小さな小屋に男性が1人座っているだけの旅行会社の前に下され、側にあった岩にチョコンと座ってバスを待つ。
予定から1時間ほど遅れてバスが着いた。
さて乗るか、と立ち上がると、バスからおっちゃんが降りてきて言う。
「このバスキャンセル!次のバスは3時間後ね。」
オッケー!3時間後ね!
…3時間??
流石インド、遅延のスケールがちょっとだけデカい。
仕方ないので3時間待った。
1時間目
近くに10歳くらいの少年が切り盛りする屋台があったので、そこでスナックを買って1時間かけて食べた。
ミント味のポテトチップス。
背後は、乗るはずだった壊れたバス
ちなみに手の模様はデリーでしてもらったメヘンディでス。
2時間目
道を渡ったところに牛が数匹ゴロゴロしていた(分かりにくいけど写真奥の黒いのは牛)ので、牛観察を行った。ほぼみんな寝ているので特に面白くはない。
1時間ほど牛を睨んでいると、飼い主が現れて牛たちをどこかに連れて行ってしまった。
その後は酒屋を見つけてお気に入りのインドのビール、キングフィッシャーの緑缶を買って飲んで暇を潰し、ようやくバスが来たので乗り込む。
三列シートのバスの天井部分が寝台風に改造されている車両だった。
寝台になっているところはガラス扉になっていて外から丸見え。寿司屋のカウンターにあるガラスケースの中の切り身のような気分でジャイプルを目指す。
途中何度か休憩を挟んだ。
サービスエリア的な場所でラッシーを飲んだり、外から「なんか平たい顔の人間がいてウケる!」と手を振ってくる地元の子供に手を振り返すなどして過ごす。
途中でサモサ売りが勝手にバスに乗り込んで来たのでおやつに1個買って食べた。
青唐辛子が丸ごと1個入っていて異常な辛さだった。
夜になると何故か車内が真っ青にライトアップされた。
バスに乗るまで4時間待たされ、乗ってからは6時間。トータル10時間かけてジャイプルに着いた。
めでたし、めでたし。
ジャイプル
さて新しい街にワクワクしながらバスターミナルからホテルへ向かうリキシャの中で、徐々に尋常ではない寒気と吐き気が襲ってくることに気付いた。
あれ…? 夕方に食べたサモサ…かな…
ホテルに到着するなりめちゃくちゃ吐いた。
その後インドを出るまで10日間毎日謎の吐き気と頭痛と悪寒に悩まされ、帰国後も約3ヶ月間細菌性の腸炎に悩まされたのでした☆
完
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