2021年ここまでに観た映画
遠出はしないゴールデンウィーク。今年ここまでに見た映画を全部振り返ってみました。極短評集です。
1.無頼
そんなラストか!井筒和幸監督って本当にいい人なんだ。
2.ジョゼと虎と魚たち
原作は大好き、実写は未見。でも見てる最中はそんなこと忘れてました。あり得ないほどきれいな大阪(神戸は許すよ
3.燃えよデブゴン
日がたつにつれ竹中直人のことしか思い出せなくなっている。彼のキャリアはどうなっていくんだろう
4.新感染半島 ファイナル・ステージ
初作は未見。彼我の徴兵制度の有無ということを考えた。自衛隊全面協力したZムービー観たいなあ。
5.スタントウーマン
職業人のドキュメンタリーってのはいいよね。個人の情熱だけではなく、組織の厚みがでますからね。
6.アンチ・ライフ
今年初のなぜ作ったなぜ観た映画。珍品
7.ヒッチャー
謎の追跡者ものは、追跡者のキャラクター描写と唐突さで決まるのですが、軽々及第ですね。ルトガー・ハウアーのグレー・ブルーの瞳
8.レディ・マクベス
性愛に耽溺する女性の映画はあるが、性愛に耽溺する男性の映画ってぱっと思いつかなくて、これも固定したジェンダー観なんでしょうね。フローレンス・ピューってのは不穏な面差しですね
9.花束みたいな恋をした
良く出来てるし感動したしセリフもいくつか心に残っているけど、あんまり反芻しない映画。これっていう画が思いつかないからかしら
10.ミセス・ノイズィ
残念だった作品。微細な世界の描写には微細な演出を求めたいです
11.アリ地獄天国
怒鳴りつける会社員に実はカメラは嫌悪を表していない。ドキュメンタリーのそういうところが好きなのである
12.彼女は夢で踊る
マイ50歳代オールタイムベスト。加藤雅也だったのが、また自分史的にずっぱまりだった。『王手』の加藤雅也でっせ!
13.羊使いと風船
本をいきなり燠火に放り込む、ああいう美しさは映画の真骨頂だと思う。終始面白いなあと観ていたのだが、ラストはちょっとね。(突然シネアストっぽくなってしまった
14.KCIA 南山の部長たち
働く男の映画。突然の日本語。クライマックスの転け。ノワールでした
15.おもいで写眞
深川麻衣の苦い顔がしばらく頭にこびりついていた
16.ヤクザと家族
うわ。ぜんぜん思い出せない。あ、最初のね、組に入るところにリアリティなくて、以降のれませんでした。
17.哀愁しんでれら
田中圭のいやなところ(いい意味で)が全面開花した感がありました。僕は最初の踏切以降は全部妄想という説をとっています(「逃げ出した」のが現実線
18.さんかく窓の外側は夜
平手さんをですよ、ちゃんと緊縛しなさいってことですよ(樹海村の山田さんにも同じことを感じた
19.わたしの叔父さん
何がいいんですかね。いいんですよ。ただ撮るっていうのはちょっと嘘のある言い方だけど、写すべき物語と人物を「これしか撮らない」とかすら思わず一生懸命撮るとああなるんでしょうか(映画における<淡々>の謎
20.ダニエル
洋画、今年初の珍作。妙にリアルストーリーで、妙に外連があって、Bクラスで、で、それらがそんなに整合しないままごろんとつながっていて、それがそのまま魅力になっているという
21.プラットフォーム
ワンアイデアもの。スペイン語の映画はスペイン語が聞けるだけで満足するので満足しました
22.樹海村
あれ、そうか、こっちが後か。さんかく窓のほうが後やと思っていた。ジャパニーズホラーでグロさの表現に虫使うの虫さんに失礼思う
23.Swallow
良い映画でした。題材の奇抜さもあるけど、白眉はラストの対峙。脚本も俳優も一切ごまかしなし(内在するテンポ・旋律を途切らせない)。えヘイリー・ベネットって制作総指揮にもクレジットされてるの?!
24.マーメイド・イン・パリ
これからは人魚だ!とか盛り上がっていたんですが、観て盛り下がりました
25.すばらしき世界
演出は好きくありません。すみません。特に2回目の女医の演出がひどかった。ああいうのをためにする演出というのです。でも俳優はいいんよね。役所広司って仕事が好きなんだろうな
26.あの頃。
この男サークルのどうしようもなさ感。そこからいつしか離脱している感。その中心メンバーの実は普通感。『佐々木、イン、マイマイン』もそうだったけど、これ、多分死につつある男性集団価値観の見る走馬灯が映画の姿をとった作品なんだと思う
27.ライアー×ライアー
若い人良かった良かった。と最近は恋愛・青春映画観るとそんな風に思いますが、とにかく烏丸君だよなあ。そのうち、恋愛映画におけるこのポジションの人が恋愛ゾンビ化して襲ってくるのではないか?(どこで?
28.春江水暖
なんでこういうの撮れるかね中国映画。映画的野心に満ちてるのだと思うんだけど、微塵も気負いを感じさせない。大河とは圧倒的量の水の塊なんです
29.ベイビーティース
ラストで泣きますわな。ビーチってモノトーンに近くって、だからラストで多用されるのだけど、この逆伏線の回収は鮮やかでした
30.れいこいるか
これけっして好きなタイプの映画ではないのですが、押し切られました。何に押し切られたのかがいまだにうまくつかめてません
31.ひとくず
こちらはわかりやすく押し切られました。劇団が映画撮るって言っても、当たり前のことですが千差万別で、これは多分劇団性が全てプラスに働いた傑作です
32.香港画
悪くはないのですが、カメラが律されすぎているんですよね。撮りたいものを撮りに行って、つないで、それがドキュメンタリーになるのか問題
33.あのこは貴族
わ。語りづら。とにかくです。冒頭のホテル宴会の、いかにも上流社会(風)の演出、編集が鼻についてしまって、もちろんそこからいっぱいいいシーンはあったんですが、なんで、あんな演出で開始したんだろ。そのわかりやすさいらないでしょ
34.三月のライオン
一種のマンズドリーム物語ではあります。しかし、ラスト、あれま、そうなりましたか。まあ、なるか。で私は、この映画は、あざとさや独りよがり感をこえて未来に残る映画になると思いました
35.藁にもすがる獣たち
面白くはあったのですが、ちょっと燃やして人をたたずませる構図もうやめませんか、と韓国の映画界にはもの申したい
36.ノンストップ
オーバー・アクト・エンターテインメントの佳作。楽しみたい楽しませようだけで一本成立するまっすぐさ
37.シン・エヴァンゲリオン劇場版
これは、今、とあることを考えているのでノーコメント(できるかな)
38.ナターシャ
あかんですわ。多分そのいやったらしさ含めてソ連の再現ってことなんでしょうが、その切実さが共有できなかった
39.すくってごらん
ひさしぶりの「奇妙なあじわい」の傑作。映画館で観て良かった映画
40.ラーヤと竜の王国
面白かったなあ。ベイビーの使い方がうまいんよね。001(サイボーグね)をちょっと思い出した。そんなことやらないと思うが、ディズニーは青少年向けの戦記を作って欲しい
41.ブレイブ-群青戦記-
面白かったすよ。そりゃ細部いけてないけどさ。新田真剣佑と三浦春馬が確かに同じ場所にいたんだってことに素直に感動してもいいじゃん
42.バッファロー’66
もちろん、これもオフビートにまぜこんだマンズドリーム。死にゆく主題。それでも誰かが誰かを(世界を)抱きしめる能動性にはまだ可能性があると思いたい。あと音楽についての前情報なしで観たかった。たぶん死に泣きしてた
43.ある用務員
この映画の福士誠治ってちょっとチャウ・シンチーっぽくなかったですか。長髪のせいかなあ。アクションがみせたいのだけど、そのアクションの中で語りたいことが沢山あることの豊かさ
44.ノマドランド
風景きれかったですね。それだけで十分満足。ただ、この映画のフランシス・マクドーマンドの演技は自意識過剰に思えて、もっとドライに撮って欲しかった。(アメリカの映画業界や映画批評界は今こうしてある自分のエクスキューズに映評や賞を使うところがあってそこは注意しなきゃと思っています
45.ビバリウム
ワンアイデア一発当てました系の良作。後半のミニ多元世界的な描写がB心をくすぐりまくりでした
46.騙し絵の牙
これもなあ、言いづらいなあ、演出がいけてなくてなあ。小林聡美さんにあんな説明演技させんなや!
47.ミナリ
これは、部分部分では良かったですが、はっきり否タイプの映画。だって妻があんなにきっぱり決別の言葉を述べたのに、家燃やして、一からやり直しなんか?
48.21ブリッジ
素晴らしいですね。正義漢かつノワール。ちゅうか、最初の雨の葬儀の真上からのショットに白が散ったとこで完全に持ってかれました。傑作
49.二重のまち/交代地のうたを編む
つまりドキュメンタルってこういうことだと思う。かなり仕組んで準備して、しかし撮りだしたら被写体に魅惑されてしまうということ。ただ撮るしかなくなってしまう無力さとしての作家の意思
50.JUNK HEAD
すげえなあ。偏執とすら言える熱量。細部の作り込みと萌え要素満タンのクリーチャー。続編(きっと作れる)はシナリオに金かけてください
51.水を抱く女
洋画<奇妙なあじわい>今年の一作。だいたい最近洋画のくせに(なんて言い草!)ものわかりのいい映画が多すぎて、ちょっと気持ち悪かったのです。異言語異文化の映画はもっと呑めないものであってほしい。いや、呑めなかったな、そういう映画体験のぶ厚さ
52.ザ・ロック
ああ。これは面白いや。無理にでも巻き込んでやろうというファーストシーンの大仰さも俄然納得です。個人的にはウィルスにあと何人かやられて欲しかった(パンナコッタ・フーゴとパープル・ヘイズのファンとしては
53.砕け散るところを見せてあげる
こういう自分にだけ向けてつくられたんだと錯覚させられる作品の強さったら。折り返して後半の修羅場になるところは、極端な話誰がどう感じようとどうでもよくて、前半とラストのヒーローという主題だけで完全に心満たされました。傑作
54.るろうに剣心 The Final
二部作を銘打って公開されたので、The Beginning 観てからまた考えますが、何せ巴と操です。主人公二人のバトルは素晴らしいんですけど、とにもかくにもこの二人です。あとドラマパートはどうしてあの演出なんだ
55.20センチュリー・ウーマン
過去作の初見。ドライに言うとエル・ファニングの演技に自覚的になった姿を観ることが出来たってことですかね。しかし、この構築欲(未来からの振り返り視点と現在視点の交錯で一編を納めきる)の出どこはなんだろう
56.スワロウテイル
これも過去作の初見。こういう映画でしたか、以上の感想がなくって、ちょっと残念。何よりCHARAの声もっと音圧高く録音できなかったのかな(セットやらキャストやらに金かけてるんだから
以上!今年も100本は行きそうでしょうか。コロナを主題にした映画は作られるでしょうか? ちゃお!