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建築工事における自立山留の許容頭部変位について

はじめ

土地は最大限有効に活用したいたぶ。敷地目いっぱいに建築物を作ろうと思うと、山留めが必要になるたぶ。山留めをして掘削を行うと、頭部が変位し隣接地に影響を及ぼすことがしばしばある。山留壁の頭部変位が気になるたぶね。

1.道路土工仮設構造物指針では

土木では「道路土工 仮設構造物指針」の自立式土留の設計の基本に下記のように明記されているたぶ。

自立式山留めの許容変位量は掘削深さの 3%を目安とする。
道路土工 仮設構造物工指針

じゃあ、なんすか。掘削深さの3%を目安なら掘削深さがH=3000なら、90mmも頭部が変位してもいいんっすか!?

だめたぶ。

都市部で頭部変位が90mmも出るような土留めをしたら会社がなくなるたぶ。

2.山留め設計施工指針では

でも、建築の基準である「山留め設計施工指針」では具体的に許容変位について明記されていないたぶ。

拙缶の経験で言うと、頭部変位は30mm以内になるようにしたいたぶ。35mm~40mm以内であればいいという会社もあるけど、隣接地が古い木造戸建ての場合は建具が閉まらなくなったりする不具合が起きる可能性があるから、やっぱり30mm以内がいいたぶ。

掘削の床付けが終わり、隣接地になんの影響も出ていないときはこんな話が話題にでることはないたぶ。問題は敷地にクラックが入ったり、なんとなく建具が閉まりにくくなったりしたときにお隣さんは工事現場を疑うたぶ。

そして、このときに元請も根拠を聞いてくるたぶ。そして、[根拠はないし文献もないし、指針もない。親杭のセメントミルクの強度の指針もない。ないないない」と答えると膝から崩れ落ちるたぶ。

3.近接山留めの手引きでは

じゃあ、建築には一切基準がないのかというと、そうではないたぶ。「近接山留めの手引き 日本建築学会」には、近接山留めの計画時における山留め壁変位量の目安が明記されているたぶ。

近接山留めの計画時における山留め壁変位量の目安

この手引きによると、隣接地の際に木造戸建てが建っている場合は根切り深度Hを考える間もなく頭部変位を20mm以下に抑えないといけないことになるたぶ。

いやー、これはきついたぶ。頭部変位を20mm以下で抑えるメンバーで見積を提出したら、元請も拙缶も確実に失注するたぶ。

4.ということで、どうすればいいたぶか。

当然のことながら、隣接地の家屋調査をキッチリを行っておくたぶ。当たり前体操。でも、やってないところもあるたぶね。

次に頭部変位を計測するたぶ。お隣さんから影響が出てるんじゃないか!?と詰められたときに、ちゃんと計測をしておかないと証明できないたぶ。拙缶が出会った現場監督さんで、あらかじめ頭部変位を計測していたところはほぼゼロたぶ。みんなずぼらたぶ。リスク管理がなってないたぶね。

そして、計算書に記載された横矢板厚みのもの使うたぶ。
計算書では35mmでないと曲げがアウトとなっていても、30mmですべて木矢板を通しちゃうたぶ。表面に見えるものじゃなくて地下のことなんだから、なんか起きたときにドンを突かれないようにしておかないとダメだぶ。

さいごに

仮設の土留めにお金をかけたくない気持ちは痛いほど分かるたぶ。お施主さんの理解を得ることも難しいの分かるたぶ。でも、当初から織り込んでおけば問題なかったのに、問題が起きたときに後から対処するとその費用は莫大になるから近道をしてもいいことはないたぶ。それは土留めに限らずどの工種にも言えることたぶね。ちゃんちゃん。






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