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もう出会えないタバコたち

noteでタバコの話題は煙たがられるかなあ、タバコだけに……。

などと薄々おもいながら、前回の記事を投稿したのですが、意外とそうでもないみたいなので、再びタバコのことを書きます。

昨今の主流である加熱式ではなく(アレもアレで独特の匂いがあるけど)、それはもう煙たい煙たい紙巻きタバコの話です。

大学生でタバコデビューした後、就職してからは、タバコはもう日常の中になくてはならないアイテムとなりました。

大抵のメジャーな銘柄は試し、タスポを持っていなくても、免許証や顔認証で買える自販機が存在することも知りました。

そういえば、タスポって何年後かに廃止されるんでしたっけ?

自分は結局は作らなかったのですが、あれを作ったらなんかタバコに依存している人になってしまうようで、ずっと拒んでいました。

すでに1日に1箱を開けないとやっていられない、思いっきりタバコに依存している人だったのですけども……。

あの自販機にはこれがあるとか、あのコンビニにはこれがあるとか、だんだんと、そんなことまで覚えていきました。タバコオタクですな。

今でもそうなのかはわかりませんが、大阪の心斎橋のヨーロッパ通りにあるポプラ(現在はローソンと合併)のタバコの品揃えは物凄く、番号が400番くらいまでありました。

店員さんはすげえ大変だろうなアレ。加熱式タバコがなかった頃でそれだったので、今はどうなっているのだろう……。そこで買ったevaとかいう銘柄は、他のところで一度も見たことがない。

自分は喫煙することそのものというより、銘柄を覚えていくことに快感を覚えていました。

ラークを試したら今度はセブンスターを試し、ゴロワーズを試したら今度はカールトンを試し、そのうちに自分の脳内のタバコ辞典にページが増えていくことこそが嬉しかったのです。

その辞典はジャンプコミックス1巻ぶんくらいのページ数まで分厚くなったのですが、まだまだ自分の知識欲は留まらず、ジャンプコミックス完全版として大判サイズにしたいという欲望が湧き上がりました。

そこで参考資料として活躍するのが、タバコ屋さんのホームページです。

意外と言っては失礼ですが、ホームページを開設しているタバコ屋さんはけっこう多く、さすが専門業者だけに、ありとあらゆるタバコがラインナップされています。

その中でも群を抜いてカタログが充実しているとあるお店があったのですが、そのお店のページでは現行品だけではなく、もう廃盤になってしまった昔のタバコについても記載されていました。

これがなんとも自分のタバコ知識欲を刺激し、出会うことのないであろうタバコたちに想いを馳せながら、パソコンデスクでプカプカと現行品のキーススリムローズミント(※最終的に自分が行き着いたタバコ。リトルシガーと呼ばれるタバコで、葉巻あつかいなので安かった)を一服する時間は至高でした。

その中でも気になったのが、イジットというタバコ。

イジットという名前は英語の「is it?」をかっこよくネイティブっぽく言ったものですが、この感覚がなんともその……はっきりいってダサイ。

厚紙のような箱に、四角い青と緑が描かれているパッケージも、何を目指しているのかよくわからない。

それが原因かどうかはわからないけど、1年ほどで廃止になってしまった短命なタバコ。かなり不評だったそうですが、逆に気になる。吸ってみたかった。

もうひとつ気になったのが、リベラマイルドというタバコ。

漫画『ゴリラーマン』の主人公のゴリラーマンが愛煙している銘柄ですが、作者のハロルド作石先生によると、ゴリラーマンは変わり者だというキャラクター付けをするべく、不人気で誰も吸っていなかったリベラマイルドを吸わせたのだそう。

実在の商品をそんなにぞんざいに扱っても怒られなかったことに時代を感じますが(いや、実はJTに怒られたのかもしれないけど)、完全にネタとして認識されています。

googleで検索しても、「リベラマイルド まずい」とサジェスチョンが出てくる。うーん、気になる。どれだけ不味かったのだろう。

そして、例のタバコ屋さんのホームページを検索してみたのですが、どうにも特定できない。どんな屋号だったか、全く覚えていないので……。

もしかしてここかな?というところはあるのですが、リニューアルされたのか、昔はあった廃止銘柄についての簡易な説明文がなくなり、箱の写真だけが整然と並べられたページに。

実際、このほうが見やすいのだけど、あの頃の雑然とした雰囲気が好きだったのよなあ……。

と、酒を飲みながら、今は無き銭湯についてググるのでした。根本的にやっていることが変わらん。


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ぷらーな
サウナはたのしい。