20年ぶりの『落第忍者乱太郎』
『落第忍者乱太郎』の57巻を読みました。
人気アニメ『忍たま乱太郎』の原作で、少し前に完結したという情報は知っていたのですが、読むのはまさに20年ぶり。
最後に読んだのが22巻とかだったはずなので、30冊以上とばしていることになります。
なぜ57巻だけポチったかというと、「滝夜叉丸先輩とトモミちゃんが、髪型がかぶっているからという理由で殴り合いのケンカをする」という情報を入手し、いやなにその絵面……と思ったからです。
実際にその場面はありましたが、数コマで終わっています。ていうか登場人物が増えまくっていて、数コマしか出てこないキャラクターの多いこと。
知らないイケメンの先輩がガンガン出てくる中、昔からいる滝夜叉丸先輩が相変わらずギャグ要員でいてくれている安心感。
原作はメタな要素が多いという特徴があって、コマのワク線をひっぺがしてしまうネタとか、キャラクターがコマから飛び出すとか(初期はしょっちゅうあった)、キャラクターが「あ、読者のみなさま」とこちらに語りかけてくるのですが、57巻でもそれは健在で、誰がどんな名前でどういう性格なのかを懇切丁寧に説明してくれます。
なので、どの巻から読んでも安心な設計。それをわかっていたからいきなり57巻をポチったのですが。
なぜわかっていたかというと、自分が最初に読んだのが12巻だったからです。いとこが間違えて2冊おなじ巻を買ってきたからといって、片方をくれたのです。
内容は忘れてしまったのですが、すでにアニメは放送されていて、そっちを先に視ていたので、だいぶギャップがありましたね。
まず、原作にはヘムヘムがほとんど出てきません。いちおう、ゼニの花は白い号というモデルになった犬は出てくるけど、別にヘムヘムとは鳴きません。
おシゲちゃんもアニメにしか出てこないし、ユキちゃんとトモミちゃんはアニメみたいに仲良しでいつも一緒にいるという感じではなく、多くの場合は単独で出てくる。いやここまでは別にいい。
問題は、ユキちゃんはまだなんとなく面影があるけど、はっきりいってトモミちゃんがアニメとはまるで別人だという……。ルックス的にも性格的にも別人。
アニメでは垂れ目だけど原作では吊り目、アニメでは優しいけど原作では鼻血を垂らして先輩と殴り合うので。
あと、昔はトモミちゃんはきり丸のライバルという印象があったなあ。今でもわしは土井×きりではなくトモ×きりを推したい(きり丸が受けなのは変わらない)。
そういえば、自分が初めてBL、というか腐女子という存在に触れたのは乱太郎です。
昔のアニメのエンディングでは、視聴者から届いた似顔絵のハガキを毎日ちょっとずつ紹介していました。
たいていは幼児~小学低学年の子がクレヨンや色鉛筆で一生懸命に描いたようなものなのですが、たまに本格的に付けペンで描いていてスクリーントーンも貼っている、やたら画力が高い人がいて、そういう人はだいたい難しい漢字のペンネームで、なおかつ基本的にイケメンな先輩キャラを描いていたのです。
後から思えばあれはああいうことだったんだなあと、18歳くらいの頃に初めてアニメイトに行った時に知りました。
一緒に行った女の子に「あっちの信長書店というのも行ってみたい」と言ったあの頃の自分は純真だった。大きめのふつうの本屋だと思っていたんだ……実際に1階はふつうの本屋なんだよ……それより上は……(信長書店が何がわからない人はわからなくていいです。綺麗なあなたのままでいてください)。
今ではほとんど視ることがなくなりましたが、去年たまたま視た回では、先輩キャラ(名前は把握していない)が「なんとなくこの場所が落ち着くんだ。君にもあるだろ?そんな場所」という、忍たまってそういうテイストのアニメだったっけ?と思うような回でした。
もしかしたらその回だけ特殊なスパイスの入った回だったのかもしれません。サザエさんの堀川くん回みたいなものだったのかも。
さて、57巻のあとは何巻をポチろうか……。紙の本だと揃えたくなるけど、電子書籍だと巻がバラバラでもあんまり気にならないんですよね。BookLiveでの書店員さんのレビューは、六年は組の食満留三郎(けま とめざぶろう)先輩への熱意がひしひしと伝わります。