【忙しい人向け】ハムレット詳細まとめ①
皆さんこんにちは。
ちゃわんむしです。
菊池風磨さんのQrzone+内で、「ハムレットを勉強してきてね」との通達が再度なされたため、【理解してこいというのは、ここらへんのことを風磨くんはいってるのかな…?】ということを自分用に内容を整理した、「ハムレットPOINTまとめ」を作成いたしました。
なんとなく「時間がなくて勉強できないよう」という方のお手伝いになればいいなと思い、noteでも一応共有させていただきます。
が、あくまで私のまとめなので【違います!!】みたいな方は生暖かく見守ってください。
※ちなみに、そもそもハムレットの内容が分からないと今回の記事まったく役に立たないので、必ずこちらの記事をご覧になってからこの記事を読んでいただければいいなと思います。
【ウィリアムシェイクスピア作品におけるハムレットの立ち位置とは】
ハムレットは、かの有名なイギリス人劇作家「ウイリアム・シェイクスピア」の書いた4大悲劇の一つで、【最終的に、ほぼ全員死ぬ】という、かなり強烈な作品である。
シェイクスピアの作品には、「ロミオとジュリエット」「オセロー」「夏の夜の夢」「ヴェニスの商人」などがあり、どれもかしこも超有名作品。(大学生くらいの人はぜひ読んでみよう。)
作品が作られたのは1600年ごろと言われていて、日本の歴史的には徳川家康の生きていたころである。
つまり、「今と環境が大きく違う時代に描かれた作品」であり、その背景を理解しないと、本当の意味で作品を理解することはできない。
(日本人だって、江戸の読み物は解説なしには理解できないからね)
ちなみに、シェイクスピアの作品は、実は本人による完全版というものが残っておらず、書き加えられた部分なども数多くある。ぶっちゃけ本当に彼が書きたかったことを原文すらむずいのに、さらに翻訳から読み取ることはムリゲーである。シェイクスピアはそもそも盗作もたくさんしてると言われている(あえて断言はしない…)ので、結局作者がつたえたいことって、100%拾い上げることはできないんだよネ…
私は個人的に、【解釈に正解はない】と考えているため、結末に至るプロセスや、登場人物の気持ちなどに関しては、各自妄想をひろげていっていただければいいのかな、と思っています。
「母親の再婚」が、なぜここまでハムレットを傷つけたのか
※以降、カタカナの名前が混乱するため、最初に提示した資料にのっとって、全登場人物を「サザエさん」に置き換えて書いていく。
カツオは、なぜフネの再婚にここまで落ち込んでいたのか、という話をしよう。
勿論、「カツオが重度のマザコンだったから」というような問題ではない。
当時キリスト教では、「義理の弟と再婚するのは、当時近親相姦という扱い」だったのである。
つまり、「ママがパパの弟とさっさと結婚したから寂しいよ」という話ではなく、カツオにとっては「自らの母親が罪を犯した」という感覚だった。
しかも、カツオはもともと海平のことが大嫌いだったのである。
自分の嫌いな人間と母親が父の死後間もなく再婚し、さらにそれが近親相姦であったとなると、カツオの悲しみは計り知れないものである。
また、カツオはこの際、二つの現実を考えることとなる
① 母親にとって、自分と父は愛すべき対象ではなかった(その程度で捨てられるほどの存在だった)のではないか
② 母は、ひょっとして波平殺しの共犯ではないのか
上記2点の苦しみが、カツオを狂人の演技へと向かわせていく。
しかし、カツオは一方でフネを疑いきることができない。
嫌いになり切れれば、勢いよく海平もとろとも殺してしまえばいいのである。しかし、カツオは疑いきれないゆえに、フネにあえて厳しい言葉を並べ、精神的な攻撃をしながら、母から真相を聞き出そうと、「試して」いくのである。
ちなみに、カツオのフネへの気持ちを描いた有名なセリフがこちら。
「弱き(脆き)ものよ、汝(なんじ)の名は女なり」
一見すると、「女はなんて弱い立場にいるなあ」という単純なセリフのようであり、なにも知らないと聞き飛ばしてしまいそうなセリフだ。
しかし、これはカツオの気持ちよくあらわした、母に向ける嘆きの言葉である。
「女はどうしてこんなにも心が弱いのか、こんなにすぐに心変わりをしてしまうなんて」という、端的に言うとフネの行為を責める「なじり」である。
一見すると、カツオは衝動的に復讐へ走ったように見えるのだけれど、実際は彼の中で母への複雑な感情が絡み合っており、その結果がこの「ハムレット」の結末なのである。
ちなみに、別の記事で触れたいと思うのだけれど、カツオは波平のことをほいほいと一方的に信じていたわけではない。
むしろ、カツオは聡明であったからこそ、この物語は悲劇になってしまったのである。
【オフィーリア(うきえ)とハムレット(カツオ)】
ハムレットの中には2人のキーとなる女性登場人物がいる。それが、母であるフネと、愛するうきえである。
うきえは作中、カツオに散々冷たくされ、最終的に死んでしまう。
ちなみに死因は溺死であり、そのシーンを描いためちゃくちゃ有名なミレーの絵画がこちら。
(私の大好きな絵なので、みんな網膜に焼き付けてくれよな。)
うきえの死は、カツオが「一切予測していなかった」ぶっちゃけ最大の悲劇だと私は思っている。
冒頭、うきえは兄である甚六から、カツオがお前に目をかけているが、それは気まぐれである、愛しているといわれても真に受けるな、と伝えられている。
つまり、甚六はカツオのうきへへの思いを「気の迷い、気まぐれ」程度にとらえているのである。
しかし、カツオは実際のところうきえに愛の言葉をすでにささやきまくっており、うきへへの愛を真剣にとらえている。
一方いささか先生も、カツオのうきえへの気持ちは偽物だと考えているし、嫁入り前のうきえに傷がつくことを恐れ、カツオに近づかないようにとうきえに伝えている。
この、カツオに対するいささか先生と甚六の「ある種の勘違い」が、のちに大きな問題となっていくのである。
ということで、大変長くなったのでその①はこれまで。
つづく