縮小する日本で、Govtechを進めていけるか

昨年より、Govtechに興味を持っている。

父親としても、以前行政手続きに関わってきた者としても、現在の日本の制度は、自治体側、申請者側の双方のマンパワーに頼る側面が大きすぎる。


いろいろな子育て制度の利用にしても、父親、母親が時間を平日に工面して、窓口に行かなければならないなど、本人の窓口申請前提のシステムが延々と受け継がれている。


遠方の市役所から書類を取るにも、平日に窓口で定額小為替を買って郵送する、マイナンバーカードを取りに行くのも、窓口での本人受け取りが原則で、しかも予約制となっているので、平日に時間を作らなければならない。


また、子育て支援を含む様々な制度も、本人が知っていて、窓口で手続きをしなければ物事がすすまない。

ちょっとした手続きにも、署名ではなくハンコが必要という形式的文化。

このような手続きのために費やされる時間コスト、制度を探す時間(特に子育て時は子供から目が離せず、時間が取りにくい)、コストなど、利用者側も、官公庁側も、大きな負担となっている。


現場の負担も大きく、行政のシステムにかかる費用も莫大。


e-taxや電子申請のシステムをはじめ、セキュリティ+官公庁の既存のシステムとの整合性を考慮した結果、ユーザービリティーが置き去りにされてしまっている。


Govetchの先進国と言えば、想像するのがエストニアやシンガポールであるが、エストニアのように、「カード一枚でほとんどのことができます」というレベルまで持っていくのは、今のところは非常に難しいだろう。


市民との接点がある分野はGovtechによる省力化、web経由の手続きを推奨し、省力化する。時に人間的なウェットな調整が必要となる各種許認可の分野は、窓口での紙ベース申請や一部web申請を主とし、従来の延長線上で当面は行かざるを得ない一方、申請、市民との接点、選挙の投開票、各種事務作業など、テクノロジーで代替できる部分は多そうに感じる。


日本のようにガチガチに制度が固まった中で、どこから手をつけていくか、関係機関・関係者の合意をどのように得るかなど、あまりにも範囲、課題は広すぎる。


ぜひGovtech関連の企業に参画したり、なにかGovtechの分野でできることはないかと考える次第。

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