母親の手
「あ、今の感じ。『母親』っぽいな。」
と思ったのはついこの前。
皿洗いをしている最中、バウンサーの上で遊んでいた息子(0歳)がぐずりだし、はいはい〜っと手の水分をズボンで軽く拭き、我が子を抱き上げたその瞬間でした。
育児を初めて5ヶ月目。
おそらくこのときに初めて、『母親』という言葉が自分の中でしっくりきたのだと思います。
子育てをしていると、自分の幼少期の思い出が頭を過ります。
最近思い出したのは、母の柔らかくて、少しシワシワした(怒られそう😇)手。
よく家事をしていたため、特に水仕事をした後は手に水滴が少し残っていることが多く、触られるとヒヤッとしたこと。
最初は冷たくてびっくりするのですが、次第に自分の体温と混ざって心地よい温度になっていくのが好きでした。
十数年後、私も自分の子供を持つようになり、同じように家事をした直後の湿った手で息子のほっぺを触っています。
始めはキョトンとする息子も、状況を理解するとゆっくり目を細め、口を大きく広げながら柔らかい表情になっていくのがたまらなく可愛くて、何度もプニプニしてしまいます。
息子よ、幼い頃の私と同じことを思ってくれているのだろうか。
母も、今の私と同じ温かい気持ちになって、私を育ててくれたのだろうか。
子供の頃を思い出したその数日後、実家に帰ったときに母が
「あ、ごめんね〜。ちょっと手が濡れているから冷たいかも。」💦
と言いながら孫(息子)のほっぺを両手で包んでいました。
冷たくてビクッとする息子をみて、親子揃って母のヒンヤリした手にやられた〜、と思わず笑ってしまいました。
これが息子にとっての『おばあちゃんの手』。
これが私がよく知っている『母の手』。