2024年3月16日奈良、京都に行った話

それは、前日の15日11時pmごろからはじまる話。
「しまった、洗濯物入れて、洗剤も入れたのに、洗濯機回すの忘れた!」
もう寝なきゃいけないのに。
寝たとして、朝起きて、お風呂場に干してから出かけるとすると、何時に起きれば。。。
そんなことを考えていると、
息子さんが「あぁ、干しといてあげようか」というではないですが。

神か!?

そして息子に洗濯物を託し、寝たのです。

16日朝のこと、5時半にアラームが鳴り飛び起きるワタシ。でも、本当は6時に起きれば十分に予約済みの新幹線には間に合うのです。そう、洗濯物を干す名目でかけたアラームは、神降臨により必要なくなったにも関わらず、時間変更もなくその時鳴ることになったのです。

二度寝はありえない。

ワンチャン遅刻です。
いやいや待て待て、意外とこういう時は用意に時間がかかるものだ、ここで起きてゆっくり支度すればいいじゃないか。
そんなことを思い、起き上がり用意を始めます。
しかしですよ、この旅行、自分の中で楽しみすぎていたために、小学校の遠足の前の日ばりに用意をし、小学生なら、もしかしたらお母さんがやってくれたかもしれない当日着ていく洋服がちゃーんとセットされていました。そう、セットしたのは楽しみにしすぎていた自分です。自分が自身のお母さんのごとく甲斐甲斐しく喜びながら用意をしたおかげで、家を出るまでの準備すら、あっという間に終わり、6時には家を出られるようになってしまっていたのです。

「これでは、新幹線の最寄駅についてから予約時間まで1時間弱くらい待ってしまう。待ってしまうじゃないか。いやいや、もしかしたら、自由席に乗って早めに移動しちゃったりして、そんなのどうだろうか?もう、やることないし出ちゃうか。」
そんなわけで、家を出てJRに乗りましたよ。日本の電車はとてもとても優秀で、時間通りに来て、時間通りに駅に人を届けてくれるのです。トラブルがあったらもちろん時間通りにつかないわけですが、やっぱりそんなことは起こらず、きっちり駅に着いたのでした。

駅には予約時間よりものすごーく早くついちゃったわけですが、自由席構想は駅の混雑っぷりを見ても実行するべきことでないことを悟ります。そう、そんなことは、かれこれ1ヶ月前、予約した時にすでにわかっていたことです。とは言え、ワタシは1人で移動していますから、座れる可能性はゼロじゃないです。ゼロじゃないですけど、「すわれなくてもまぁ2時間弱立ってれば着くかぁー」と思えるほど若くもなく、体力もなく。待ちさえすれば確保されている座席に座るという以外の選択肢は全て消え去りました。

普段、朝ごはんはコーヒーで済ませちゃう派ですが、今日は旅です!2時間も新幹線に乗っちゃうわけです。それは、弁当を買う以外に選択肢はないだろうと、アナゴ弁当を買い、食事のお供の水を買い、眠気覚ましの缶コーヒーを買うのでした。
駅は混んでいたので、待ち合いにワタシが座れる席はありません。「あっ、あいてるかも?」と思ったその場所は、親御さんにスーツケースの見守りと席の確保を託されたであろう小学生がガッチリ睨みをきかせてました。

「うーん、でも座りたいんだよなぁー、ホームに上がって席を探すか。」
ホームに上がると、お天気がよかったおかげで穏やかな空気に包まれておりました。見回していると面白いものが!新幹線の駅専用?な豆を一杯ずつひいて入れてくれるタイプのコーヒー自販機が!あるじゃないですか。「えー、コーヒーごとにこだまブランドとかひかりブレンドとかのぞみブレンドとかついてるんだ。」と。でも、さっき缶コーヒー買ったしと思って、見ていたら抽出に95秒かかるって買いてあるじゃない。えっ95秒ぅて長くない?買ってはみたものの新幹線乗り遅れたみたいな人出るんじゃ?とか妄想してたら、楽しくなっちゃって、結局買ってみようってことにワタシの中でなりました。ひかりブランドを押して、抽出がはじまると、UAの「会いに行こう」が結構な音量で流れ始めます。若干びっくりして抽出終わりになるまで95秒,一曲聞かせる感じなのかなぁと思ったら、コーヒーが出るタイミングで、音楽はあっさりバッサリ消されるのでした。それがなんか妙に面白くてなりませんでした。


ひかりブレンド

新幹線というのは、普段乗り慣れないワタシにしてみると、実にワクワクするものだったりするものなのです。今回、新幹線で京都駅に向かったわけだけれど、なんとなく初めての体験をしたんです。

新幹線の窓からしっかり見たの。富士山!

新幹線の窓越しに見えた富士山

あれ、新幹線からこんなに大きく富士山って見えるんだっけ?その答えは今回の座席にあったみたい。特に仕事で行き来したりしないワタシが新幹線に乗る機会はこれまででいうと、家族と一緒に限られてきたきがします。子ども達と共に3人掛けに、それも当然窓側は子供の場所ですね。そして、そもそも3人掛けだと、西に向かう最近新幹線の窓に富士山は現れないということ。見られたとして反対側の窓に向かって覗き見なんですよ。もちろんそんな時の旅の用意は自分の分だけではなく、子どもの分もです。そんなわけでら出かける前にはすでにヘトヘトで、富士山が仮に窓の外に現れようとも見てる余裕はありません。そんな中で生きていたのかと、ちょっと感慨深く思ったり。風景一つでも1人で出かけるのと人と一緒に出かけるのでは違って見えるもんだなぁって思ったりするのです。

さて、今回の目的は、奈良にある「無人本屋さん ふうせんかずら」さんに棚を出している友人たちとオフ会を兼ねてお邪魔すること。関西のお友達とはSNSで繋がっているものの実際にお会いできていなくて、中にはもう知り合ってから10年以上も経っているのに一度もお会いしたことない方もいらして、とてもわくわくさんでした。

新幹線で出かけるのはとってもとっても久しぶりだったけれども、よく考えたらパンデミックの前は台湾に住んでて、休みの度に日本と台湾を往復していたのよね。そんなことはすっかり忘れて「えー、ワタシ、ちゃんと用意できるかしら、忘れ物とか大丈夫かしらどうかしら」と家でドギマギしてたら、息子から「台湾行き来してたから別に2泊3日とか大したことないでしょ!」と、言われ、「はっ、そうじゃん、新幹線が久しぶりなだけで、年間何度もそれこそ海外と日本を行き来していた時期があったじゃないか。」なんか想像してるより随分着々と準備が進むし、身体が動くじゃないかと思っていたら、そんな日々もあったんですよ。その時に学んだ教訓があります。旅先で(台湾に住んでた時の場合は、日本で)仕事から離れて、無限の時間があるようだけど時間は無限ではなく、持っていった本は大抵読めないし、詰め込んだ紙類やノートに何かをかきこむこともないということを。だから今回は、読み進めていない読みかけの文庫と、この間買ってしまった新書の2冊だけを持っていくことにしました。これは旅だからではなくて、通常運転の日常でも持ち歩いてるくらいの数なので、決して多くはないのです。
2泊3日にしては大きなリュックで旅をしようと決めていたので、少し荷物には空間が開くはず。しかも旅の夜は暇なはずだということで、さらに未開封のSDガンダムとニッパーとシール張りのためのピンセットも入れました。ガンプラを組むのは日々の日課と化しているため、これも日常を引きずった結果だったのです。

そんないろいろをよそに、京都駅に降り立ちました。
スマートEXを使って交通系ICカードで新幹線口を出るということがほぼ初だったために、「京都駅で止められたらどーしよーかー」と思いつつ、「ピッ」ってしてみたら、出られるじゃないですか!(当たり前なのだけれど)なんか遠くに、いや、ほんとは多分2時間半くらいしかかからないからあんまり遠くもないんだけど、そのまま出られるなんて!思い起こせば30年くらい前に切符を握りしめて京都に降り立っていたワタシにタイムスリップで教えたい気分になりました。そこから奈良駅に向かうわけだけれど、近鉄特急で行こうかと思ったら、外国人の方々も含めて特急券に長蛇の列。並ぶ気にはなれなかったので通常の急行で向かうことに。こちらも近鉄の京都駅をスイカで入れた感動を誰かに伝えたくてしょうがなかったです。どんな昔からこの現代に降り立ったんだよって感じだけど、少なくともワタシが関西に出かけていた昔には、スイカで関西の鉄道は乗れなかったのだ。だから感覚的には台湾と日本みたいな感じで、全ての勝手が違う外国に来た感覚だったのよ。そんなワタシは「日本は繋がってしまった!」とニヤニヤせずにはいられなかったのです。地元でやってるのとほぼ同じ手順で路線を検索して、自動改札を入り、電車に乗って目的地へ。旅先でこれができるなんて、スマホを触る手やタッチする手は勝手に動くけれど、完全に脳内はバグっていました。

電車に乗ると、そこにはあまり地元と違いが大きいとは思えない風景が広がる。その割に一ミリも知らない地名が聞こえてくる。イオンが見えたとて、ここは知らない土地なのだ。何個目の駅で降りて、のりかえなくてはいけないのか、全然わからないので、またスマホに頼る。スマホはとても優秀で答えをくれて、スムーズに乗り換えることができた。

京都駅から近鉄に乗る時も乗り換えの時も思ったことだけれど、関東とは電車の扉を閉める時間の感覚がちょっと違う。これ、はっきりとは言えないが、各社でちょっとずつ違うんだと思う。でも、ワタシの地元の列車は「発車ベル」がなり始めてから、実際に扉が閉じるまでに長年感じてきた「間」のようなものがある。多分1秒にも満たないような時間感覚の話だけど、確かに存在するとワタシは思っている。その「間」、その間が馴染みの電車の「こんな感じの「間」」だよなってのが近鉄は違っていたの。だからと言って乗り遅れたわけでも、乗り換えられなかったわけでもない。でも、そんな違いにほんの少し「旅」を感じて、風景は似ている(全国チェーンの店が多く、街並みも似ている)のに流れる時間が違う。これは、はるか昔、若い頃自分が旅したのともまた違っていた。子供と一緒にも出掛けてきたけれど、お母さんであるところのワタシはお母さんであるが故に、自分なりにはちゃんと調べて旅をしていたためこんな機微に気がつく暇など微塵もなかった。子どもがいれば尚更である。どうであれ、ワタシだけならまだしも、子どもと一緒に路頭に迷うわけにはいかないので、その意味ではワタシなりにちゃんとしようとして一生懸命だったわけだ。
だから、こんなふうにゆるゆるに出かけてみないとわからないことってのがあるもんだなと、思ったりするのだった。(実際、新幹線とお宿は友達のお声がけのおかげで早々に取っていたが、それ以外なんの準備もしてなかった。)

「奈良駅に着いたらせんとくんを探す。」これがワタシに次に課されたミッションだった。

近鉄奈良駅に着き、電車を降りて、ホームに降り立つ。さて、とエスカレーターを上がる時、右に乗るの?左に乗るの?どっちだっけ。悩んでいたけれど、駅は外国人観光客でいっぱいで、そんな心配は徒労に終わっただった。エスカレーターいっぱいに右も左もなく人が乗っていた。エスカレーターに乗るための流れにのり、上の階の見えた改札から出てみる。ここもそのまま出られるけど、地元だと行われるであろう自動チャージ機能は働かない。なるほど。ではチャージしなくちゃね。と券売機方向へ。今回なぜかいっぱいもっていた500円玉で3000円ほどチャージしようと思ったら新500円玉は受け付けてくれなかった。なんかやっぱり日本は微妙だなぁと思った。そう、便利になっても微妙なのよ。

改めてあたりを見回したらせんとくんが。。。

ワタシの目指しているせんとくんはこれか?これなのか?寄って行こうとしたら、本日ご一緒する友人に声をかけられた。これから知ってはいるけどお会いしたことない友人に会おうしているワタシとしては、何度もリアルで会っている友人が1番最初にいてくれたことは何よりも心強かった。

せんとくん

近鉄奈良駅から、ちょっとした商店街やらを抜けて観光客がはけて、少し行くと「無人本屋 ふうせんかずら」がある。友人がふうせんかずらを見つけて、棚の一角の店主になった話はここでは語らないが(というか語れるほどよく知ってるわけではない)こじんまりとしながらも趣味の良い店舗に出会えたことはちょっぴり運命なのかも、と思ったりした。
それはふうせんかずらさんというお店の感じがあまりにも友人の雰囲気とあっていたからだった。

貸しダナの本屋さんというのはふうせんかずらさん以外にも当然ある、別に奈良じゃなくてもいいかもしれない。実際、その手の本屋さんにワタシが読んだ本たちを置いて、ブログとリンクさせながら見てもらったりするのはどうだろうかと妄想したことはあるが、実現はしなかった。やる気云々もあるわけだけれど、どの店も棚の形状のイメージが30cm✖️30cmみたいな正方形の感じがとても強い。それ以外の棚は存在しないんじゃないかと思うくらい。文庫本やらなんやらかんやらを置くとしてこの真四角な空間を家具として使いこなせなかったワタシは、この形に恐怖があったりする。そんな言い訳をしちゃうくらいにしか興味がなかったということなのだ。だから、今もやってない。

ふうせんかずらさんの棚は真四角ではなく、また、各々の区画を待つ店主さんの工夫と愛に溢れていた。そんな場所に運命的な出会いを果たした友人、「持ってるなぁ」と思えてならなかった。
友人の区画には友人が書いたオリジナルの短編小説群「万年筆白昼夢」と同好の士をの万年筆手書き原稿を集めて作られた「万イン春秋」が並んでいる。
ゆっくりと輪が広がっていったらいいなぁ、いろんな人が奈良に立ち寄った際に見てくれたらいいなぁと思ったりした。本を購入すると、無人の時だとドリンクサービスがあったりするらしい。本好きのワタシとしては何か買ったらドリンクサービスしてくれるなんて、もう絶対、通っちゃう何かだ。だが、ふうせんかずらは奈良である。ワタシが通えるはずもなく、素敵な場所を見つけた時の最上級の喜びと、それが普段は利用できないという最上級の悔しさに包まれたのだった。

ふうせかずらさんの利用方法などについては以下のリンクをご確認いただきたい。

大人としての最上級の遊び
大人と子どもを分けるつもりはないし、子どもにだってできるかもしれない、仕組みだけであれば。
そういうことじゃなくて、生きてきた全力(でもないかもしれないけど)と本業のお仕事とは別に温めてきた大切なものを表現できる場所ってのが、そういう場所を持てるという喜びを人生の中盤から後半にかけてできるってのがとてもいいじゃない。
持ってるものも、持ってないものも含めて、その人が現れるんだろうなと思ったりする。いいことだ。きっとこんないいことを書いたらさらに店主であるところの友人が奮起してくれるに違いない!心あたっちゃったアナタ!アナタですよ!

ふうせんかずらさんでもすごくいっぱいエピソードがあったわけだけど、この後ワタシたちは奈良のプロの鹿さんに会いにいくのでした。

まだまだ物語は続くんだけど、一旦ここでおしまい。続きはまた書く?かも。
(久しぶりに書いて疲れちゃった人)

関西の皆さん、ちょっと足を伸ばして奈良のふうせんかずらさん行ってみてね。

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