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運命の恋と溶連菌


*長いです。でも読んでいただけたらすごくすごく嬉しくて、喜びの舞を踊ります。

2015年夏、当時中学3年生だった私は運命的な恋をした。


彼のことは私が5歳の頃から知っていて、当時から面白い人だと思っていた。

それからも何度か見かける機会があったが、特に興味を持つことはなかった。

7月のある暑い日、部活から帰ってきてリビングで涼みながらテレビを見ていた時、ふいに身体の芯が熱くなった。

テレビから目が離せなくなった。


少し高めの声で繰り広げられるテンポの良い話
ネガティブな事でも、笑いに変えてしまうセンス
掛け合いの途中、急にしっとりとした声でささやかれる、「斎藤さんだぞ」というフレーズ…


…そう。私はお笑い芸人のトレンディエンジェル 斎藤さんに恋をしたのだ。

(なんだ、芸人かよ!ってオチにしたかったのにタイトルで盛大にネタバレしていた…)

ここでいう"恋"は憧れ・尊敬する人・元気をくれる人、そんな意味での"恋"である。

それまで、"エンタの神様でハゲラップを歌ってる人たち"としか思っていなかったため、初めて見た彼らの漫才の面白さに衝撃を受けた。

なにより、「ハゲ」というワードだけであんなに話を広げられることが凄すぎると思った。


あ、わたし、斎藤さんすごく好き。もっと見たい、知りたい!


恋である。これはもう恋である。


トレンディエンジェルが出る番組は必ずチェック。吉本の劇場に出るという情報を得たら、学校帰りに劇場へ直行。

斎藤さんの顔写真がプリントされたうちわだって購入した。

テレビでネタを披露したら、録画したものを何回も繰り返し見るし、劇場で初めて見たネタは忘れないように帰ってから覚えてるだけメモに残した。

ここまでくると、狂気である。


実際、学校の友達には若干引かれていた。

それほど、私の生活はトレンディエンジェル中心の生活になったのだ。


🎈🎈🎈


その年の11月下旬、体調を崩して微熱が出た。

1日休めば治るだろうと思っていたのに、これが中々下がらない。

5日ほど経って病院に行っても、普通の風邪と診断。念のため、大きな病院で血液検査をすることを勧められたので、別の病院へ。

そこでも、血液に問題はないし風邪ですね、と言われる。


発熱から10日。熱は下がらないどころか、徐々に上がってきていた。


12月6日。その日は、本来なら学校行事として地域のマラソンに参加する予定だった。

マラソン休めてラッキー!と思えないほどに身体はだるく、解熱剤を飲んで寝ると大量の汗をかいて気持ち悪かった。

でもその日は、重い体をなんとしてでも起こしてテレビを観なくてはいけなかった。


M-1グランプリ敗者復活戦


準決勝敗退のトレンディエンジェルは、敗者復活戦に出場予定だった。

トレンディエンジェルの漫才を見ているとき、身体はだるいのに心は楽しくてしょうがなかった。

すごく面白かった。もしかしたら決勝に行ってくれるかもしれない…!

そんな期待を胸に、決勝戦の放送まで横になる。

その年の出場順は事前に決まっていて、復活者枠は最後。順番がくると、復活者が発表される。


下から順に発表されていき、残るはトレンディエンジェルととろサーモン。鼓動が速くなる。


トレンディエンジェルが選ばれた


この事実だけで充分だった。今日だけで、ネタを2つも観ることができる。

屋外の特設会場から移動してきてすぐにステージに立つ2人。勢いが凄かった。負けない強さを感じた。

そのままファイナルステージに進んだ時は、淡い期待に気づかないフリをすることで精一杯だった。

優勝を期待してダメだった時、高熱のこともあって立ち直れないかもしれない…


でも、トレンディエンジェルは優勝した。


とてつもなく嬉しくて、身体のダルさなんて忘れた。さっさと治して、ライブに行きたい!


🎈🎈🎈


トレンディエンジェルが優勝した3日後、私は発熱後、3軒目の総合病院の病室にいた。


「溶連菌」

お子さんのいる人だったら聞き慣れた単語かもしれません。子どもがよくかかる病気の一種です。

私はこれにかかってしまったため、解熱剤を飲んで療養しても治らなかったわけです。

風邪と違う所は、特定の菌なので抗生物質を摂取しないといけない点と、インフルエンザと同じように、平熱になっても2日ほどは学校を休まないといけない点。

子どもあるあるな病気で、喉が荒れるという特徴があるらしいのですが、何故か私は喉に異常がなかった。


そういえば、1軒目の先生にも2軒目の先生にも、

「喉には異常ないですねー」って言われました…

え、そこからフラグだったのでは…?


本来なら、抗生物質を飲んで2,3日経てば普通に生活できるのですが、

2週間も発見が遅れたので腎臓に負荷がかかっているかもしれない、とのことで念のため1週間入院することになりました。

中学生は小児科にかかるので病室は個室でした。中学3年生の12月、ぎりぎり!笑

(ちなみに中高一貫校に通ってたので、高校受験もなくて助かった!)


病室でできることと言えば、テレビを見るか本を読むかしかなくて、退屈でした。

もしトレンディエンジェルが優勝していなくて、テレビに引っ張りだこでなかったら、もっともっと退屈で活力をなくしていたことでしょう。

だから、トレンディエンジェルを好きになって本当に本当に良かった。

辛い時に元気をくれた、私の運命の人。


これで私の恋の話は終わりです。


長いのに最後まで読んでくださってありがとうございました☺️
























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