[社会人学生 Advent Calendar 2023]社会人学生歴6年が思う、社会人学生に必要なこと3選
これはなに?
manamin(https://twitter.com/manamin0521m)さん主催の「社会人学生 Advent Calendar 2023」(https://adventar.org/calendars/9433)参加記事です。
前日は、ちょりーぬ さんの 「元薬剤師が情報系大学院で社会人学生してる話」(https://note.com/choririnu/n/n2378c7c7cb04)でした。AIITのProject Based Learningについてのお話です。
あなたはだれ?
ぷじぇば(https://twitter.com/pujeba )です。2016年に地方国立大の経済系コースを卒業後、2017年から放送大学 人間と文化コースに在籍しつつ、2022年4月から電気通信大学 先端工学基礎課程 ( http://www.fp.uec.ac.jp )に在籍しています。中小ソフトウェアハウス兼SIerで自社プロダクトの導入エンジニアとSaaSっぽいSomethingの運用保守のお仕事をしています(1社目)。その他中小企業診断士っぽい仕事も少ししています。フルタイムの仕事とちょっとしたお手伝いの仕事と、通学制大学と通信制大学の学生を兼務していることになります。凡人なので正直言って回っていません。関係者の方々、ごめんなさい。
なぜこれを書いたの?
ドラマでリカレント教育が取り上げられるなど(https://www.tbs.co.jp/mysecondaoharu_tbs/)、世間的な耳目が集まる中で自分の社会人学生経歴を現実世界の周囲の人にも伝えるためにも、棚卸ししてみたいと思ったからです。「社会人学生やってます」な方には既知の話だと思いますが、ご自身の棚卸しのきっかけになれば幸いです。
なお、全体的にノリはダウナーです。
言いたいことはなに?
端的にいうと、次の3つです。3選なので。
位置づけを考える
「二兎を追う者は一兎をも得ず」と向き合う
心身の健康を維持する
位置づけを考える
社会人学生が学ぶ目的は多種多様です。「業務とは別な視点で知識を体系化したい」とか、「ある資格がほしい。それには大学の単位を獲得することが前提条件になる」とか、「大卒資格がないので学士号がほしい」とか。
例えば、一度学位を得た人が学部の社会人学生をやる場合、(それなりに満足できる給料をもらって生活できている場合は特に)1回目の大学ほど卒業に対して必死になる必要はないでしょう。対して、まだ学位を持っていない人が得た知識(と学士号)をネタにして転職や昇進、進学を考えている場合は卒業に対して力が入るはずです。
ですので、Twitter X でよく見るあの人や、教室の隣の席に座った人とは置かれている状況や学ぶ目的、投下しているリソースが大きく異なります。
社会人学生界隈には「仕事でやっているが、初歩から復習したくてきた」などの理由で基礎知識があったり、そもそも要領がとても良い方など、信じられないようなスピードで知識を吸収したり課題を消化していく方がいます。
これはとても個人的な経験ですが、あまり目的が明確になっていない状態でそうした方の成果を浴びるとある種の無力感にさいなまされます。勝者のいない敗北感を味合わないためにも、
自分がなんのために学習しているのか(どのようなリターンを期待しているのか)。
卒業・修了したあとはどうしたいのか。
いつまでに卒業・修了したいのか。あるいは期限を設けないのか。
どの程度の機会損失、費用まで許容できるのか。
あたりは明確にしておくと良いと感じました。
私自身も明確にするよう努めているのですが、とりわけ2番については考えがまとまっておらず、「まだ得られていないものをどう活用していくか」を考えることの難しさを感じています。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」と向き合う
先の4つ目の観点は重要だと感じており、社会人学生が学習に対してリソースを投下するということは
業務量を多くして仕事上の成果を積み増してキャリアアップの近道をする
仕事にもっと直結し、短期的なリターンが期待できる勉強をする
家庭や趣味の時間、友人づきあい、あるいは余暇
のための時間を削るということの裏返しでもあります。学費の他に、「どこまでこれらの時間や潜在利益をBETできるのか」ということを意識し続けたほうが良いとずっと思っています。
社会人学生という身分は二兎追いの典型と言っても過言ではないでしょう。ライフコースによっては、これに子育てや介護など個人の事情が加われば、容易に三兎追い(あるいはもっと)になります。
私は、「社会人学生として学ぶ」ということは優先順位として 「健康・家庭の事情」、「仕事の事情」-よりも下位にならざるを得ないと考えています。これらの出来事は突発的に起きることが多い反面、全ての大学には修業年限があり、無情にもある種「待ってくれない」ものなのでときには諦めることも必要なのかな、と思っています。
私も、業務の見通しがつきにくい時期は放送大学の履修を抑えめにしていました。目下でも、通学制で課題量が多い電気通信大の時間的・精神的負荷は無視できず、お仕事はがんばりすぎないようにしています。(小声)
心身の健康を維持する
今期のアドベントカレンダーでも
が書いていらっしゃるように、社会人学生が心身の健康バランスを崩すことは割とあることなのかな、と思っています。通信制、通学制問わず「フルタイムで働きながら最短年限で卒業する」ことは能力の限界を超えてしまう可能性があるクエストのように感じます(だからあまりやっている人が多くない)。予防策としては
周囲(特に職場)での理解者をつくる。
加齢や昇進を考慮してプランをたてる。
卒業延期(6ヶ月単位になる)を許容できるプランBをもっておく。
プランを実態に合わせて、定期的に見直す。
無理をしない。ときには何かを諦める。
などがあると考えています。加齢を重ねるに連れて物覚えは悪くなりますし、身体的な無理が効かなくなり、業務上の責任が増していくのは避けられないので、100%全力全開は現実的でなく、どうしても折り合いをつけざるを得ないのかなというのが個人的な思想です。突発的事象に備えて出力60~70%程度が理想なのですが、コントロールは難しいです。
加えて、職場での理解者を数人でも良いので作っておくと、気持ち的にはかなり楽になる気がします。運良くマネージャーの理解があれば、業務に学習内容を活かせる道が拓ける可能性があります。理解者を得るには、普段の信用の積み重ねが前提になるのは言うまでもありません。ですので、結局「普段の仕事をそれなりに真面目にやり、信頼を得る」という当たり前の結論に帰着します。
さいごに
日本ではキャリアブレイクの概念がまだ浸透しておらず、いちどキャリアを中断して学業に専念するというのは非常にハードルが高いと個人的に感じています。他方、社会人学生は負荷が決して軽くはなく、こちらもまた社会の認知度や理解は拡大途上にあるとみています。
それでも(だからこそ?)、「明日すぐには役に立たないかもしれない、でもいつか役に立つかもしれないこと」の集合である、一朝一夕には取れない学位に対して私はバリューを見出しているのだと感じています。
来年もまた、世の中に社会人学生に対する理解が広がることを祈り、筆を置くこととします。
明日は放送大学に在籍されていた経験を持つ、 ごっこ さんの「文系出身の若手SIer社員が放送大学で情報学を勉強してレベル上げした話の続き〜気づいたら若手じゃなくなってた編〜」です。お楽しみに。