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あの豪炎寺修也として篝火#10に参加した話 前編
篝火といえば、ウメブラと並ぶ日本のスマブラコミュニティにおける最大規模の大会ですよね。
KENソニックが初めてザクレイを倒した篝火#1
ザクレイがソラで優勝した篝火#5
あcolaが東西制覇を成し遂げた篝火#7
あばだんごが準優勝した篝火#8
ミーヤー船長によって大スマメイト時代の幕開けが宣言された篝火#11
あcolaホムヒカがついにSparg0を下した篝火#12
そして海外勢によって侵略された、Sparg0の優勝した篝火#10
shogunの引退試合、たまPだいふくvsてぃー、ザクレイvsへろー、ヤウラvs Sparg0、Dabuz vs Riddles、KEN vs Sparg0など、数多くの名試合が生まれた大会です。
実はその裏では、もう1つのドラマがあったことを皆さんはご存知ないと思います。
これは、豪炎寺修也として篝火を戦い抜いた一人の男のエピソードトークです。
・申請レースに勝利(2023/04XX〜)
時は遡ること2023年、Sparg0が篝火に参加することをTwitterで発表しました。
それに続くように多くの海外勢が参加を表明しました。
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オーストラリア最強のこどもリンク使いのJdizzleや、あのhungryboxもLiquidのDabuz、Riddlesと共に参加することを発表し、「今回の篝火、やべぇんじゃねぇか...」と開催前から話題になっていました。
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さらにはshogunも篝火#10を競技者として参加する最後の大会にすると発表。申請レースは言うまでもなく過酷なものとなりました。
多くの有名プレイヤーが申請漏れしたことをXで嘆いている中、私は奇跡的に申請に成功。参加することが決定しました。
しかし一緒に参加する予定だったスマブラ初心者の友達(いおり君)は、申請レースで敗北、スマブラ友達のいない私は一人での参加が確定します。
・豪炎寺修也、誕生(2024/05XX〜)
なんとかstartggの使い方を学び、初めての大会&初めての篝火に参加することが決まりました。しかし、ここで1つ問題が発生します。
それは、私のスマメイトでのレートが1348であることでした。
しかも使用キャラクターはピット。ガオガエンやカズヤのようにワンチャンスを狙えるキャラクターではありません。
篝火は1000人を超える参加者がいる中、Day1の予選を抜けることが出来るのは192人。予選を抜ける実力のある者たちのレートは、概ね2200程であると言われています。
しかも初参加のため、ポイントはなし。初戦からシードの高い選手と当たるトーナメントになることは必然でした。
「まともに戦っても勝てるわけがない...」
そう思った私はいおり君やその他の友達と話し合い、1つの戦略を編み出します。
「豪炎寺修也になろう。」
あの豪炎寺修也と今からスマブラで戦うとなれば、誰であっても緊張すると思います。豪炎寺修也を相手に、滑り横強や反転上スマッシュのような細かい操作などできるはずがありません。
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私がメルカリで購入したのは、豪炎寺修也の腕時計、イナイレの非売品ポーチ、イナイレの自由帳の3つです。
作戦としてはこう。
①相手がトーナメントで豪炎寺修也と当たることを確認する。どんな人が来るのだろうと意識させる。
②当日、隣に座った直後に豪炎寺修也の腕時計で時間を確認する。
▶︎(あの豪炎寺修也...?)と相手に意識させる。
③イナイレのポーチからコントローラーを取り出す。
▶︎(大切なコントローラーをイナイレのポーチに入れている...。まさか、本物の豪炎寺修也...?)と相手に刷り込む。
④おもむろにカバンから自由帳を取り出し、開く。
▶︎キャラ対策ノートかと思いきや、仲間からの寄せ書きを見ている。
▶︎(仲間からの信頼が熱い!本物の豪炎寺修也だ...!)と相手に確信させる。
完璧です。これで相手の操作精度はガタ落ち。どれだけ格上であろうと、1度くらいはダッシュアッパーに当たってくれることでしょう。
また、初めは豪炎寺修也で参加する予定でしたが、豪炎寺修也へのリスペクトの意を込め、ごうえんじ修也で参加することにしました。点呼する人が豪炎寺修也を知らなくても読みやすくていい感じです。
・トーナメント発表(2023/05XX〜)
開催のおよそ3日前。篝火のdiscordにて、トーナメントを公開した旨のメッセージを受信します。おそるおそるstart.ggを確認したところ、1回戦の相手はなんと
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あのR2G|満足さんでした。(当時所属)偽物の豪炎寺修也vs本物のプロ、R2G|満足さん。まさかプロの前で豪炎寺修也をお披露目することになるなんて...。
はじらいvs勝ちたいという執念。もちろんプロに勝つためにごうえんじ修也での参加を決めます。
毎日スマメイトをしてはリプレイを隙間時間に見返し、反省を繰り返していました。
また、知り合いに全キャラVIPの人がいたので、トゥーンリンクを使ってもらい、専用部屋で遅くまで対策に付き合ってもらいました。
前日は友人の家に泊めてもらい、オフラインに手を慣らすことにもしました。
やれるだけのことはやった。あとはごうえんじ修也として試合に臨むだけ。もはや篝火当日が楽しみで仕方ありませんでした。
・ごうえんじ修也、東京に着弾(2024/0505)
夜行バスで関西の田舎から新宿へと10時間ほどかけて到着。早速目にしたのは背の高いビル群でした。(多分)
新幹線で来るいおり君との待ち合わせ時間まで、マクドで時間を潰すことにします。
店内で配信をしているおじさんがいたり、眠い目を擦りながらハッシュポテトを齧っているサラリーマンがいたりと、東京に来たことを実感させられます。
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(すげえ...これが東京か...。)
前日から東京の雰囲気に気圧されていてはR2G|満足さんには勝てないと思い、腕時計を装着します。
真剣な眼差しでボールを蹴っている豪炎寺修也から、なんだかパワーをもらえた気がしました。
無事いおり君と合流し、朝の新宿を散歩しました。田舎者のごうえんじと、ガチ田舎者のいおり君は、歩くだけで東京を楽しんでいました。
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PARCOの踊り場で休憩をし、寄せ書きを書いてもらいました。ありがとう。
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別の友達とも合流し、ガストで当日の予行演習をしました。赤いニットキャップに赤いリュック、スポーティなNIKEのナイロンジャケット。仲間からの寄せ書きを見るその姿は、まさしくあの豪炎寺修也です。
その後は秋葉原のラジオ会館に行きましたが、一睡も出来ていなかったため、立ったまま3度ほど寝てしまいました。
そして解散し、別の友達の家に泊まってスマブラの練習。なぜか涙が止まらない。ここまで頑張ってきた証でしょうか。ここで猫アレルギーが発覚します。
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みんなからの寄せ書きです。スペースの大半を埋めているイラストはごうえんじ修也が描いたもの。
明日へ思いを馳せながら、クッションの上で目を閉じました。
(勝てるといいなあ...。いや、勝つさ______)
続く