Wの悲劇
看守(娘)が年末から「酒々井」というアウトレットでしか聞いた事がない街で一人暮らしを始める事になったので、昨日は看守と一緒にマンションの下見とアウトレットに行ってきた。
初めての一人暮らしなので看守がここのところ始めてるのが新生活に必要な備品を自宅やオレの実家や刑務所長(妻)の実家をまわって集めること。
吝嗇家の看守は自分で買い揃えるという発想はほぼない。ww
昨日はそんな看守に笑わずにはいられない悲劇?喜劇?が襲った。
アウトレットの帰りに刑務所長の実家に寄り、
看守がゴソゴソとリビングにある飾り棚の中にあったカップや皿を物色してたときのこと、、
前々からそこにあったのはオレも気づいてたんだけど、インゴット(金の延べ棒)が置いてあるのに目ざとい看守が気づいて、
「カップと皿と一緒にそれももらっていい?」
って無謀にもおばーちゃんに聞いてる。ww
くれるわけねーだろ。
そしたらなんと意外にも
「いいわよ」
っておばーちゃん。
すかさず看守は小さい頃、今は亡きおじーちゃんから
「これは大きくなったあげるからね」って何回も言われてたと言いだした。
証拠もないし、そもそも記憶力激悪なくせに物心つくかつかないくらい昔の事を自信満々に語り始めて。ww
所有権が自分にあることを主張し終わった後、
ギラッと目を光らせながらオレのほうをむき、
聞こえるか聞こえないかの小さな声で金の価格を聞いてきた。
オレもなんかおもしろくなってきたなと思って
とりあえずググッてみたら
ここのところ金相場は暴騰していてg7000円くらいだから1kgだと700万⁉️と判明。
ほとんどマフィアのような目つきになっている看守に殺されないように声をださずに指で7とマルをふたつのサインをだしたら
看守は必死の形相をしながら指でシーっのわかりやすいサイン。ww
おばーちゃんの気が変わらない事に全力を注いでいる様子。
表情の変化がほぼドリフみたいで笑いそうだった。
数年前仕事絡みでインゴットを現金化した時の何倍にもなってる金相場にビックリしながら看守の顔見ると
ゴッドファーザーのドン・コルレオーネみたいな悪い顔をしてニヤついてる。ww
おばーちゃんによるとそのインゴットは亡くなったおじーちゃんが突然家に持ち帰ってきて、
それからずっと飾り棚に置いてあるものとのこと。
でも誰が見ても価値がありそうなのに全く興味がなさそうなおばーちゃんの感じが
なんか怪しい、、、
朴訥としてるんだけどいたずら好きなお茶目なおじーちゃんだったんだよな。
そもそもインゴットをそんな目につきやすいところに飾っておくかな?普通。
本物なのか気になったオレは前に現金化したときの記憶をたどり、金は比重が大きいから持ってみればだいたい本物かどうかわかるなと思って持ってみたんだけど、、、ズッシリ❗️
1kgの鉄アレイと同じくらいの重さだけど明らかに体積は鉄アレイより小さい。
いやいや本物なんじゃん⁉️
おじいさま〜❤️
おじいさまは葛飾で工場をやってたから景気の良い時に買ったのかもしれないし、誰かから借金のカタにおさえたものかもしれない。
じゃ帰ろうかってなってクルマに乗った看守は
ゴッドファーザーの完全体に変身してクルマの後ろの席でふんぞりかえってオレに銀座の田中貴金属本店に寄れとの指示を出し、アルパチーノになったオレはアクセルを踏み込み銀座へ猛ダッシュ❗️
クルマの中ではリオのカーニバルに参加してるブラジル人かと思うくらいのハイテンションww
ワンコがビクッとするくらいの大声で「天国にいるおじいさまありがとう〜❤️」
とか
「成田にビルを買う!」とか
「HAWAIIに永住する!」とか
ww
さらにはファミリーのメンバーは大金をゲットしても宝くじに当たった人みたいに自分を見失わないようしないといけないとか
まるで、マフィアの組織がクスリだけは扱うなみたいな掟を語り始めてww
おまけにおばあさまに200万、刑務所長に200万、自分は299万、オレに1万とか分配を決め始める始末。
オレ囚人とはいえ少なくね?
そんなこんなでクルマは江戸通りから銀座中央通りに入りいよいよ田中貴金属本店に到着。
数メートル手前の角の三菱UFJ銀行が目に入ったらしくすぐ入金できるからよかったとか、完全に取らぬ狸状態ww
で、ゴッドファーザーとオレは勢いよく店内へ
ゴッドファーザーが
「き、き、金を売却したいのですが」
緊張と高揚感の入り混じった感じで切り出した。
横で聞いてるオレはなんか成功するか失敗するかドキドキしてる強盗団の一員になった気分。
でも残念ながら受付時間が4時半までだったらしく、オレら強盗団が店に押し入ったのが5時少し前だったからギリ受付時間外だった。
マジか、、
ただ勢いのついたゴッドファーザーは早く利益確定させたいキモチが強く、「とりあえず買い取ってもらえるものなのかどうなのかだけでも見てほしい」と執念で詰めよったもんだから店員さんはゴッドファーザーの勢いに怯んで、「わかりました 見るだけ見ますね」って言ってくれて。
さあ❗️
いよいよ
まずはスイス銀行って刻印されている表面を見て、、、、
「本物みたいですよ。」
ヒャッホーというゴッドファーザーの心の声が聞こえてくる。
次に裏面を確認して
「ん」
わずかな沈黙の後
「これはメッキですね、タングステンという金と同じ比重の金属に金メッキされたものですよ。」
おそらく落胆の一言ではすまないであろうゴッドファーザーの気持ちを考えてオレは顔を見る事ができないでいた。
今考えるとまたまたドリフみたいな表情の変化をしてたはずだから動画を撮っておけばよかったかなってww
YouTubeに投稿したらバズったかも。
強盗が失敗した瞬間はこんな感じなのか、、、😭
ゴッドファーザーがイチ公務員である看守に戻った瞬間だった。
それにしても重さを同じにするのにタングステン使ってそれに金メッキしてるなんて
そもそもそれを作るのもまーまーカネかかんだろ
マジで作った人悪趣味というかなんというか
でその事を言わずに亡くなるおじーちゃんと
それにひっかかる孫
壮大なドッキリ企画だなww
分配金もHAWAII永住も夢の彼方、、、ww
クルマに戻る看守の足取りは脱臼したワンコの足取りより重く
クルマに戻ってからは
はしゃぎすぎた反動からかいっぺんに疲れがでたようで冬眠状態の熊のように深い眠りにつき鼻をつまんでも起きないくらい爆睡状態だった。
新生活をスタートさせようとしてる看守はなにかと入り用なこの時期。
おじーちゃんと数時間一緒にいた天国から一気に地獄に突き落とされたような気分で本人にとっては悲劇だろうけどハタから見るとほとんどコントww
いたずら好きなおじーちゃん
絶対天国で大笑いしてるだろうなと
思わず笑ってしまう出来事だった。
こんなリアルドリフのような笑える看守が家にいるのも年内までとは
オレにとってはそれが一番の悲劇かな、、、