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『高校野球マニア日記①』

小学生の頃、日吉のとなりのとなりの大倉山に1年くらい住んでたことがある。
父親は憧れてた慶応に高校受験で失敗しており、母親は加山雄三のファンだったこともあって、日吉にいる慶応ボーイは今のジャニーズみたいにうちでは『カッコいい男の子』の代名詞だった。
この夏の甲子園では半世紀近く前のうちの常識が、今の世の中でも常識であることを慶応ボーイ達が証明した。
ニューヒーローは汗をハンカチでふく王子ではなく、ニベアの日焼け止めを塗って試合をする王子で、サラサラヘアーで野球を楽しみながら勝つという新しい高校球児のモデルを示してくれたので、子供の野球人口の減少に歯止めをかけてくれればと願ってる。

慶応の応援が少し問題になってるけど、オレは大した事じゃないと思う。
高校野球はあくまでも高校の部活動で、教育の一環だと考えれば、マスコミのフィーバーと塾員達の過剰ともいえる球場での応援も、ある意味実社会の縮図で、慶応が日本の社会においてどのような存在なのかを知るいい機会になったんじゃないかと思う。
応援がすごすぎて対戦校がかわいそうって声もあるけど、仙台育英の監督は慶応の歴史と日本における慶応の存在の社会的意味を選手達に事前にレクチャー済みだし、応援のすごさも想定してたしね。
今回は応援の人数が多くて、声量が大きくなっただけで、やってる事は他の高校と変わらなかったと思う。
判官贔屓の日本で王者仙台育英にとってはもともと逆風だったのもあったし。
「判官贔屓」という言葉の由来の頼朝と義経の戦いだとすると、今回は義経の慶応が勝ったという事かな。
2017年には大阪桐蔭が頼朝で仙台育英が義経で
スタンド中を味方につけて絶対王者の大阪桐蔭に対峙したチャレンジャーの仙台育英が勝ったからね。

唯一、アルプス席以外で塾員であることを誇示したい人達が点数が入ったときに数人で立ち上がって肩を組んで『若き血』を歌うのだけはちょっといただけないかな。
後ろの席の人が見えなくなるもんね。
やりたいならアルプス席いかないと。
あれをこれみよがしにやる塾員は、〇〇警察になっちゃう人と同じ心理的要因があるんじゃないかな〜って思っちゃう。
実生活で満たされずに、溜まったストレスの吐け口にしてるというか、ルールを破る事でしか自分の優位性を示せない若者の感覚に近いというか。
観戦中に席をたったら後ろの人が見えないのはわかってるのに、自分達は日本のフリーメイソンの慶応三田会員だから後ろの人の邪魔になっても『若き血』は歌ってもいいというか、それで塾員だという事を誇示したいというオトナとしてのバランス感覚のなさというか、塾員である事でマウントをとろうとしているというか。
高校野球は高校の部活動の試合を安いチケット代払って見せてもらってるという謙虚な気持ちを持ってないとね。
球場はオトナのストレス発散の場ではないし、マウントをとりにいく場でもないからね。
ちなみに慶応は現役生を『塾生』
OB、OGを『塾員』っていうらしい。

でも慶応のがんばりで高校野球全体が盛り上がったならオレはうれしい。
慶応ボーイのかっこよさで若い女子のファンが増えるのもナイスだし、神奈川出身としたら、『神奈川を制すものは全国を制す』を実践してくれてさらにうれしい。

基本、オレは「リアルドカベン」的に高校野球を楽しんでるから、今回の慶応みたいな個性的な学校がでてくると、山田太郎はどーやって攻略するのかな?ってワクワクする。

次の春の甲子園も楽しみだ〜

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