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貴重な給付金だからこそ慎重に(2)

苦境にあえぐNPO

6月16日の日本経済新聞でこんな記事がありました。

私たちは「社会課題解決に取り組んでるけど、新型コロナの影響で困っている組織や団体」を紹介していますが、記事でも苦境が伝わっています。

記事では、あるNPOを例に挙げているのですが、こんな記述があります。

年約1500万円の運営費の7割は企業や個人の寄付でまかなう。新型コロナの影響を受けて2~5月の寄付額は前年比で約8割減少。

「事業にかかる費用の多くが寄付で賄われている」ようです。とすれば、継続的に寄付をしてきた法人や個人が「それどころではない」と寄付を途絶えさせてしまうと途端に事業が立ち行かなくなります。

#未来への10万円  を使ってもらうときに「本当に困っている組織や団体に」と考える一方で、「この10万円を未来につながるように使ってほしい」とも考えるかもしれません。

NPOとは

内閣府にNPOを紹介するホームページがあります。

内閣府はNPOについて、次のように解説しています。

「NPO」とは「Non-Profit Organization」又は「Not-for-Profit Organization」の略称で、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し、収益を分配することを目的としない団体の総称です。
したがって、収益を目的とする事業を行うこと自体は認められますが、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てることになります。

NPOは「社会貢献活動に充てる」ことができれば「収益を上げること自体は否定されない」といえます。一般企業などの営利法人と同様、非営利法人であっても事業を「継続すること(Going Concern)」が求められるように思います。

寄付だけに頼らない事業運営をしているNPOの例

NPOにはさまざまありますが、寄付金に頼らない事業運営をしている団体もあります。

設立後の活動実績をもとに、所轄官庁が「運営組織及び適切であること」や「情報公開を適切に行っていること」などの基準を満たしていると“認定”した「認定NPO法人」は、2020年6月現在で1,160あります。

認定NPO法人であれば、基準として求められている事業報告、会計報告をホームページなどで見ることが可能かもしれません。

病児保育などでも有名な認定NPO法人フローレンスを例に挙げます。

ホームページの中に会計報告がありました。

ここで収益の内訳が記されています。

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自主事業収益、補助事業収益が9割を占め、寄付金は収益全体の6%でした。
(団体としては、寄付金を『営業外収益』と捉えていますね)

以下のように記されています。

フローレンスはサービス提供による事業収益をメインの収益としているため、持続可能性の高い事業運営を行えています。
寄付金は、主に新規園の開設補助や事業投資などに使用し、社会課題解決に向けた推進の力とさせていただいております。

フローレンスは一例ですが、寄付金に頼らない事業運営を行っているNPOもあるといえます。

貴重な給付金だからこそ慎重に

私たちは一律10万円の特別定額給付金の新しい使い方として「困っている人たちを支えている」社会課題解決を目指す組織や団体のうち、具体的には寄付や支援などを求めている事例を中心に紹介しています。

貴重な給付金だからこそ「信頼がおける」「正しく使ってもらえる」団体を紹介したいと、以前こんな記事を書きました。

もう一つ「未来につながるように有効に使ってもらえる」という視点も重要だと感じています。

社会課題解決につながる活動をしている組織や団体なら、きっとホームページをはじめとした情報発信がなされているはずです。私たちもできる限り調べてから発信するようにしますが、ご覧になられている皆様も一度ホームページをのぞいてみてください。そして「この団体なら信頼できる」と納得してから寄付をすることをお勧めします。

貴重な給付金だからこそ慎重に。

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