原則から考える対複数チームの合理的な盤面コントロール(競技シーン編)
まずはこのツイートを見て下さい。
大まかな盤面コントロールの原則について記載しました。
このツイートは対1チームのみの盤面コントロールをメインに書いており、対複数チームについてあまり詳しく書いていませんでした。
なので今回はより競技シーンの局面に近い対複数チームの盤面コントロールについて書いていこうと思います。
対複数チームの盤面コントロール時に気をつけなければならない事。
対複数チームで1番気をつけなければならない事は複数チームから射線を通され、他チームに比べてタスク量が増えてしまう事です。
タスク量が増えてしまえば当然安置に対してアプローチがしにくくなりムーブが後手に回ってしまうなど結果的に苦し紛れの選択を取る事が多くなってきます。
今回はそうならない為に判断に迷いがちな典型的盤面とその対応について書いていきたいと思います。
対複数チームにおいて判断を迷う典型的盤面
よくある対複数チームの判断が迷う盤面として以下の2つのような盤面が挙げられます。(以下黒ラインが安置円、安置に対して近くのポジションのチームから赤、青、黄)
①
②
安置際の盤面コントロールにおいて①、②の2つのような盤面においてそれぞれ赤、黄チームのようなタスクが増える不利盤面になると相手のミス待ちであったり、不利な撃ち合いを勝つしかありません。
なので終盤の安置際の立ち回り方として不利盤面にならないような動きを他チームより早く行えるかが盤面コントロールにおいて重要になってきます。
対複数チームにおける不利盤面の対応法
では不利盤面にならないような動き、対応はどのようにすれば良いのか①、②事に対応を紹介します。
①のような不利盤面に対応する動きとしては2つあります。
(今後の説明上それぞれ①a、①bとします)
①a
①b
②の不利盤面に対応する動きとして
②
(しかし②の局面は元々不利盤面ですから敵チームの動きの方が早く挟み込む形を作れなくても最悪赤、青と5分のファイト盤面が組めるムーブが出来れば御の字と思っておきましょう。)
またこれらの盤面コントロールの3つの対応を実際にPMGC2022で行ったシーンがありましたので紹介します。
実例
今回はTitan(オレンジ)、emT(グレー)の対応に焦点を当てて盤面コントロールを見ていきます。
①bを用いた盤面コントロール
この局面で安置南西のTitanはemT、TQ(緑)、mad(黄)のアプローチに対応しなければならない状況です。
ただ状況的に①aの対応を行うには安置際のチームが多過ぎて行えないです。
なので①bのような対応で安置際から1つ内側のポジションにファイトラインを下げる選択を取ります。
(結果的に安全かつ安置際にチームを密集させた事で漁夫を狙えるポジショニングかつ端チームの動きにくさから次フェーズのムーブの主導権を握る事が出来ました。)
②の盤面を打開する為の判断
その後madがTQにインファイトを仕掛けた為、emTはmadとTQを無視すると
(両チームにインファイトのタスクがある為一時的に無視しても良い)
②のような不利盤面の状況になると考えられます。(②盤面で表すとTitan(赤)BOX(青)emT(黄))
BOXを倒した後emT視点安置南西部に関しては②青(Titan(赤)emT(青)TQ(黄))の盤面になる為時計周りに安置内emTのポジションに対してプレッシャーを掛けさせない盤面コントロールを行い無事このフェーズを乗り切ります。
(仮にemTがBOXを倒しきれなくてもTitanと挟み込んでBOXが動けない形にしつつ北東安置内にアプローチし時計周りのアプローチ、プレッシャーに対して引くタイミングを間違えなければemT目線②青(Titan(赤)emT(青)BOX、TQ(黄))という盤面になるので問題なく処理出来るかと思います。)
①aを用いた盤面コントロール
その後南西部の安置内ポジションを狙うチームとしてはTitan、TQ、BTRのみとなりました。
ここでTitanとして気をつけなければならない事は①のようにBTRのアプローチとTQのアプローチに挟まれタスク負荷が掛かる展開には気をつけなければならないです。
Titanとしては上画像赤で囲んだ方にメインポジションを置き、BTRにプレッシャーを掛ける選手に北西に引く選択肢を与える形を作る事でBTRにプレッシャーを削りきれない最悪の場合でも①aのような対応が出来るようになりました。
(BTRが張り付いて動ける状態だとすると①aの対応で表せばTitan(赤)BTR(青)TQ(黄)の形)
今回はBTRが動けない程人数が削られ、TQを他チーム(BTR、AGi(紫))の射線を考慮してクロージングで倒した事で安置南西部をコントロールしきる事が出来ました。
実践でこれらの盤面コントロールを行うには
実践でこれらの判断に迷う盤面をコントロールする事をアドリブで行うのは難しいです。
なので事前に今回書いたnoteのように判断に迷う盤面毎にどういう対応をするのが合理的かメンバー全員で理解し共通認識を持つ事でチームとして素早く合理的な盤面コントロールの対応が出来るようになるのではないかと思います。
(勿論、視野分担などの情報伝達やスプリット時の引き際のタイミングといった適切な判断など個人のミクロスキルが必要なのは前提の話です)
おわりに
今回は競技シーンにおける判断に迷う盤面コントロールの合理的な判断、対応のマクロな部分について書きました。
今回のnoteを見て少しでも自分のnoteに興味を持ってくださった方は過去に出したnoteも今後順次公開していくのでそちらも読んで頂けると幸いです。
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