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ちゅーる

避妊手術から帰ってきたあめは、まだお腹の切ったところに糸がついていて、それを毛づくろいでとってしまうのでここ1週間くらいエリザベス・カーラー猫になっていた。そして、今日はやっと抜糸の日だった。

すんごい雨の中、動物病院にいった。

あめの何かのイベントの日は必ずと言っていいほど雨が降るので、やっぱりあめという名前にしてよかったな と今日も思った。

行きつけの動物病院はおじいちゃん先生とそのおくさんが二人で営んでいるので、抜糸するときも2人であめが暴れるのを抑えられるわけがなく、わたしと母も加勢したのだけど、まずあめをペット用キャリーバッグから出すのに一苦労。うヴうううううーーー と普段は出さないどす黒い声を出して、強めの猫パンチ(爪だし)を繰り出す。しまいにはおじいちゃん獣医さんにシャーシャーー言っていた。けど、1度出てしまったら諦めたのか少しおとなしくなった。

仰向けに寝かされ、抜糸されている間も、小さな体のどこからこんな力が出るんだ?!と思うくらいの力で体をひねったり、蹴りをくりだしたりと必死の抵抗。

みんなで「だいじょうぶだよ~ 痛くないよ~~ すぐ終わるよ~~ だいじょうぶよ~~」と言い聞かせているとき、わたしは「帰ったらちゅーる食べようね~」と言ったら、あめの後ろ後ろ足をおさえている獣医さんのおくさんが突然「ちゅ~~る ちゅ~~る ちゃおちゅ~~~る」という例のあの歌を歌いだした。

わたしは笑いをこらえながら、がんばってあめのことをおさえました。あめは生きるか死ぬかの必死の攻防だったと思うけど、そのとき人間たちは結構ゆるゆるで面白かった。ごめんよ、あめさん(笑)

最後に獣医さんに「帰ったら食べてね」とちゅーるをもらって、帰りました。そのちゅーるを開封したら、あめは病院での記憶なんかふっとんだように、ちゅーるのところへ一目散にかけてきました。

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