自分がピュアだなんて、なんだ。
私の人生はそう長くはないだろう。
人生100年時代なんて言葉は聞きたくもない。
焦る。
そしてふと悲しくなってしまう。
もういい大人なのに
まるで悪夢を見てしまった子供のように
母に死んでほしくないと泣きじゃくりたくなる。
時々、力を借りたくなって
近くにあった大きな木の幹に手を当ててみた。
何かパワーをもらえる気がした。
植物も寒いよな。
久しぶりに雨も降ってびっくりするよな。
昨日は久しぶりの太陽で嬉しそうにしてて、
それを見た私はさらに嬉しくなった。
空の青さに感動する。
太陽の暖かさに心も温かくなれる。
ああ自分がピュアだなんて、なんだ。
バイト先のおばあちゃんは仕事ができないから
みんなから嫌われてる。
ある大人は休んでくれないかなと話している。
私も彼女は仕事ができないと思う。
一緒に働いてて、思うことがたくさんある。
こないだは私も彼女に対してなんでよ、という感情になってしまった。
仕事終わりの休憩室で一緒になるといつも話しかけてくれるね。
「もう今月は一緒の日ないですよね」と聞かれて
「まだあると思いますよ」と分からないながらも答える。
シフトを一緒に見ているとちゃんとあった。
そしたら嬉しそうにしてた。
その笑顔を見て一人で苦しくなってしまった。
母には日頃の出来事をなんでも話すからこのおばあちゃんのことも話した。
「おばあちゃんも頑張ってるんだよ」
うん、そうだよな。
生きるために頑張ってるんだよな。
「そのおばあちゃん、このバイト終わったら行くところあるのかな」
シーズナルのバイトで雇われている彼女。
一月いっぱいで契約は終わり。
母の優しさを感じてさらに苦しくなった。
私って全然優しくない。