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PJ【起B】→ちあきさん【承】→PJ【転】『海の中の彼女(仮)』


PJ【起B】

風が吹き抜け、太陽が肌にじりじりと照り付ける。
今年は猛暑になるらしい。
海に行きたいと思った。
輝く海と、その水平線に浮かぶ白く大きな入道雲。
夏がやってくる。
生涯忘れることのない夏が。

ちあきさん【承】

なぜ、海だったのか?
いつものメンバーではなく、ひとりで行ったのか?
そして、彼女と出逢った。

夜、惹きつけられるように海辺を歩いた。
上半身だけが海の中に見えた。
“助けなきゃ”
咄嗟にそう思い、海に走った。

PJ【転】


 沖を見つめる彼女の後方から、その肩を掴んだ。それは、びっくりするくらい細かった。僕が触れても、彼女はピクリとも動かなかった。
「おい! 大丈夫か?!」
 僕のその声に、彼女は全く反応しなかった。
 不気味な夜の海の中、その様子に僕は『もしかしたら彼女は人間では無いのかもしれない』と思った。
 彼女が振り返る。暗がりの中にぼんやりと見えた顔には感情が無いように見えた。僕は少し恐怖を感じた。
 彼女の顔は真っ白で頬がこけるほど痩せていた。酔っ払ったようにとろりとした赤い目はとても大きかった。もう少し太ればきっと美人なのに、と僕は思った。
 彼女はざぶざぶと歩き出すと、僕の体をすり抜けて浜辺に向かった。
 僕の体をすり抜けて?
 どういうことだろう?
 やはり彼女は幽霊か何かだったのだろうか?
 僕はその状況が理解できず、そのまま海の中で立ち尽くした。
「おーい、何やってるんだー」と浜辺から男の呼ぶ声が聞こえた。
 それは知らない声だった。目を凝らしてみると月明りの下、知らない男がこっちに手を振っていた。
 誰かな? と考えている時。
 僕の前を歩いていた彼女が手を振って「今戻るから」と言った。
「え?」
 僕は思わず声を漏らす。僕のその声に彼女は全く気が付いていないようだった。
 男に彼女が見えているということはどういうことだ?
 その時、僕は初めて自分の足に水の感触が無いことに気が付いた。

《結へ バトンタッチ》


PJ所感

ここから、ハッピーエンドは難しいかな?
切ない系エンドもありかもですね😊

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