コロナになって感じた自分の身体へのリスペクト
発熱した。
最初は鼻の奥と喉の境目あたりが痛はれぼったくなって冬の風邪のひき始めみたいな感じだった。
頭痛知らずの私が人の喋り声がヤケに頭に響いて
うるさ過ぎて頭痛いなって思ってたけど今思えば発熱の前兆だった。
ちょっと熱が出たけど全然動けるしなーと思っていたら夜になりぐーんと熱が上がっている。
その日は頭を冷やして解熱剤を飲んで寝たけれど熱にうなされながら仕事の夢ばかり見ていた。
目が覚める度に検温して最高で39.8℃まで上がった。
コロナのワクチンを打った時の副反応とおんなじ頭痛と関節痛で意識は朦朧。
次の日になって、かかりつけ医のない私は「かかりつけ医のない方はこちらへ」という市の保健センターに力を振り絞って汗だくになりながら電話をしたけど音声ガイダンスに従って進んだ結果、県の相談窓口の番号が一方的に流れて切れた。
ここで一度力尽きる。
しばらくしてその県の相談窓口へ電話すると丁寧に3カ所、私の住まいの近くで発熱外来を受けている病院を紹介してくれた。
それプラス自分で調べた発熱外来の病院合わせて5カ所に電話をかけたけど
「既に本日の発熱外来枠はいっぱいです」
受診もできない。
そのまた次の朝、目覚ましまでセットして発熱外来予約のスタートに合わせて電話したけど14分たったところでようやく繋がった回答はまた同じ。
意識朦朧、具合悪い上にイラつきさえ覚える。
気を取り直して違う病院に電話。
全然知らない病院だったけどようやく予約が取れてインフルエンザとコロナの検査をしてもらえる事になった。
ようやく辿り着いた病院。
…が、先生は何を喋っているかもはや聞き取れない高齢者の先生。
何度か聞き返したけど諦めた。
看護婦さんがテキパキした人だったので救われたけど車みたいに医師免許の返還とか無いのだろうか。
何だかんだでようやく結果が出てインフルは陰性、コロナが陽性。
その日の夜も熱にうなされながら夢を見た。
コロナがまだ世の中を恐怖に陥れていた時のニュースがカラー映像で出てきた。
「治る気でいたけどコロナで世界中、沢山の人が亡くなったんだ。もしかしたら私もこのまま死ぬかもしれない。仕方ないか。これで死んだらもう◯◯やらなくていいんだ。◯◯もやらなくていいんだ。あれ?私◯◯嫌だったのか」
そんな事を夢うつつの中思っていた。
発熱は5日ほど続き何となく身体に自由を感じ始めた頃、空腹を感じてフルーツを食べた。
味がしない…
はぁ、そーですか…。
味覚障害、嗅覚障害って当初のコロナの時は散々報道されてたけど今ってなっても発熱としつこい咳の症状くらいしか聞かないからコロナも変異して弱くなってんのかなーなんて勝手に思ってた。
それは2度目以降の罹患の人の症状で初めての人は相変わらずな症状が出るんだと初めて知った。
私の身体に入り込んだコロナ菌。
私の身体がコロナなんて脅威の感染菌と戦ってくれた事を何かしみじみ感じるわけで。
人の身体ってすごいよな。
今まで散々、コロナになった人も沢山見てきた。でも私は絶対逃げ切ってやると強く思っていたけれどコロナが5類になって世の中が活気を取戻しパンデミックの恐怖さえ人々の記憶から薄らいでいるこのタイミングで逃げ切れず感染してしまった。
認めなくないこの感情。(負けず嫌い発動)
離れて暮らす娘から野菜が色々摂れるスープのセットが置配で届いた。
何とも私好みの美味しそうなスープ達。
味はわからないけど甘味や塩味などは薄っすら感じる。
五臓六腑に染み渡った感がハンパなくて不思議なもので「美味しい」って感じる。
身体がこんなに頑張ってコロナと戦ってくれて私はまた日常生活が送れるようになった。
私は生きている。
生きている事は当たり前ではなくて
生きられる事は自分の意思では決められない。
生きろと頑張ってくれた私の身体。
命って尊い。