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背中を押してくれた人
毎朝記事を読むのを楽しみにしている、ライターの一田憲子さんのサイト、「外の音、内の香」。
何となく過去の連載を見てみると、パッと目にとまった記事があった。
![](https://assets.st-note.com/img/1678963490187-GnLWbG9HRI.png?width=1200)
連載のタイトルは『いちだ&さかねの往復書簡』
リード文にはこうあった。
「ライターになるにはどうしたらいいですか?」と目をキラキラさせて語るさかねさんの質問に、私、イチダが答える、往復書簡です。
この一文で、心がグイーンと引っ張られた。
ふたりの出会いの始まりは、ライターになりたい!という強い気持ちを持つ坂根(さかね)さんが、一田(いちだ)さんが開催するイベントでその思いを伝えたこと。
そこから一田さんは、坂根さんに取材の仕事の一部を依頼をするようになったそう。
当時の坂根さんは、ライターとしての経験はなかった。
「自分が見つけたこと、感動したことを、文章で伝えられる人になりたいんです!」
この坂根さんの言葉に、「わたしもそうだ。」と自分の気持ちを改めて再確認した。
連載記事を仕事の休憩時間に夢中になって読んだ。
わたしが一田さんのライター塾を受けたときに感じたことが坂根さんの言葉で語られていて、そうそう!と共感の嵐。
例えば、
寝るのを惜しんで考えた原稿を一田さんにメールでお送りさせていただいた時に、
20分もしないうちに「こんな言い回しもいいかもしれませんね」と
赤字で返信をいただいときがありました。
自分との実力の違いをそれはもう、はっきりと自覚しまして。
パソコンの前で恥ずかしながら一人涙が止まらなくなってしまったんです。
ライター塾では、与えられたテーマで書いた記事を添削してもらい、ブラッシュアップさせていく。
頭から煙が出そうになりながら何とか書き上げた文章を、一田さんはものすごい速さで添削してくれた。
しかも、「こういう言い回しはどうでしょう」と提案してくれる文章が、まさに自分が書きたいと思っていることそのものなのだ。
読んでいて胸にストンと落ちて気持ちがいい。
プロの腕前を目の当りにして、ただただ圧倒されてしまった。
日々もがきながらも、取材や執筆の経験を積み上げていく坂根さん。
そんな坂根さんの悩みに真摯に向き合ってアドバイスをし、時に厳しく、あたたかく見守る一田さん。
そんなおふたりの関係が美しかった。
読んでいるうちに、わたしは坂根さんに興味深々。
ブログを書かれていることを知り、思わず検索。
更新されている記事の日付を見て、胸がドキッとした。
最新記事の日付は、2023年3月16日。今日。
その前の記事は、3月15日。その前は3月14日……
アップされている時間はすべて朝の6時台。
毎日決まった時間に更新されていた。
2014年から9年間、毎日欠かさず書き続けているようだった。
もうなんと言ったらいいか。
読んだ人がじわっとあたたかい気持ちになるような、ふっと心が軽くなるような、元気がわいてくるような、肩の力が抜けるような文章が書けるようになりたい。
感じたことが、読む人にも伝わる文章が書けるようになりたい。
それを仕事にしたい。
そう思っているけれど、最近は、肝心な「書く」ことから遠ざかっていた。
遠ざかっていたのは、素晴らしい文章を書く人が数えきれないほどいる中で、
わたしが書いて何か変わるのだろうか。
目標に近づけるのだろうか。
と、弱気になっていたからだ。
でも、気持ちが変わった。
完成しなくてもいいから、まずは書き始めてみる。
書いたら投稿してみる。
がんばろう。
こうやって坂根さんという人を知れたのも、坂根さんが7年前に「ライターになりたいです!」と声をあげてくれたから。
すぐに結果を求めずに、今できることを毎日すこしずつやっていこう。