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日曜日の散歩
今日は日曜日だ
久々に散歩したので記しておく
前日に泊まりに来ていた友人を駅まで送るついでに、わたしもどこかへ行こうと思い立った
多少の睡眠不足と若干の二日酔いはあるが、たまにはいいなと思い、10時前に家を出る
友人と駄弁りながら歩く駅までの道中、多くの人とすれ違う
休日のこの時間から活動している人がこんなにいるのかと驚くと同時に、すれ違う人たちの層が普段と少し違うので、知らない街にきてしまったかのような浮遊感を覚える
知らない街が好きなので、周りに対していつもよりも好意的に目を配ることができる
そうして見てみると、おもしろいものは案外色々なところに散らばっている
たとえば
信号待ちのときに見つけた、肩車をしている親子がかなりよかった
ただひたすら顎を支える息子、顎を支えられる父親
信号が青になってすれ違うまで、男の子はずっとお父さんの顎を支えていた
お父さんもまた、顎を支えられることをよしとしていた
あまりにも気になってしまい、すれ違ったあとに振り返ってみたときも、小さな彼はひたすら顎支えボーイに徹していた(であろうポーズを続けていた)
絶妙なバランスを保ちながら歩みを止めることのない父の背中はやはり大きかった
正直、今日のハイライト、これだったかもな
友人と別れたあと「府中市郷土の森博物館」へと足を運んだ
ここね
こういう施設を一般的になんと呼ぶのかわからず、今まで「入場料払う系のデカ公園」と呼んでいたが、どうやら「フィールドミュージアム」というらしい
なるほど腑に落ちた
個人的にはプラネタリウムが目玉だが、他にも古い建築の復元や実際に利用することのできる茶室が大きな公園の中に併設されている
施設だけではなく、公園も凝っている
都内の公園にしてはかなり大きく、高低差や道も充実している上、季節によって植物の趣が変わるため全く飽きない
本や資料だけではなく外に出て歩いたり触ったりした体験から学びを得ることもできるという点で、この名前なんだろうな
今回訪れたのは3度目だが、特にこれといった目的もなく来たのは初めてだった
プラネタリウムを見てもいいなと思ったが、いちばん興味のある回はもうすでに始まってしまっていたので今回は散策だけにとどめることにした
入り口付近にあるホールへ入る
ホール入り口にあるこの水槽内はあまり治安が良くなかった
眺めていると、小さな女の子が「ザリガニ!」と駆け寄ってきたので譲る
このホールにはプラネタリウムや歴史資料館、ミュージアムショップが入っており、ときどきコンサートまで開かれているらしい
コンサートのチラシだけもらっておいた
鉱物や化石も売られているが、いつも眺めるだけだ
手入れが行き届き、綺麗に並べられているものはやはりずっと眺めていられるな
いつか買ってみたいと思いつつ
立ち入り自由な資料室もあり、そこには宇宙や植物をはじめとした自然科学系の本や、府中の歴史を取り扱った比較的昔の書籍が置かれている
本を選んで座って読むことのできるスペースが設けられているため、さっそく読もうと本を手に取るものの、思っているより自分が眠いことに気づく
やっぱり外の空気を吸おうと本を戻して散歩を再開する
池
夏には睡蓮が咲くらしい
このときのわたしはすでに疲れており強烈な眠気もあったため、目についたベンチに片っ端から座り、昼寝に心地よいか否かを判断することしかできなくなっていた
頭の中に浮かんだことといえば、まだ小さな鯉がいるのを見つけて「ああ、フナっぽい」と思ったことくらいだ
考えていないに等しい
この池の端の方で、小学生の男の子たちが鯉に餌をやろうと袋から餌らしきものをばら撒いていた
瞬く間にわたしの目の前から鯉が消えていったところでこの池をあとにする
そのあと団子を休憩所で食べたり、ベンチに座ったり座らなかったりしていると、あっという間に時間が過ぎていった
やはり日曜ということもあり、家族連れがほとんどだった
風に乗った大量のシャボン玉の向こう側で、レジャーシートを敷いて弁当を食べていたりキャッチボールをしていたりと、みんなそれぞれがそれぞれの過ごし方をしていた
こういう世界もあるのだなとシャボン玉を目で追いかけながら思う
帰りに間違えて快速の電車に乗ってしまい、大きな駅に着いてしまった
せっかくなので大きな本屋へ寄る
ずっと買いたかった漫画がそこにあることを願いながら、特に在庫の下調べもせずに向かうと、運よく入荷されていたので買った
ちなみにその漫画はpanpanya「二匹目の金魚」(白泉社)です
助かった
ようやくうちに着き、眠いので昼寝をする
いつもは昼寝のときは夢を見ないのだが、今回は違った
夜通し寝た後のような強烈な夢を見た
その割に寝ていた時間は案外短く、目が覚めたとき、外はまだ暗くなりかけている途中だった
昨日友人がくれた手土産を食べながら、休日の締めくくりとしてこれを綴っている
思ったよりも長くなってしまった
午前中に行動すると一日が長く感じるというのは本当なんだなと実感する
確かにいつもより長く活動してはいるのだが、実際に過ぎた時間よりも密度のある感じがする
最近は、休日になっても家でゴロゴロばかりしていた
外へ出るとしても、休みの日は暗くなってからが多かった
この種類の充足感は、きっと外に出ることでしか得ることのできないものなんだろう
とはいっても、心に余裕がないときはそんなことも言っていられないのだが
この好奇心の感覚を久しぶりに思い出した気がする
おまけ
噴水のミストにかかった虹
このあと5人くらいの子供たちが駆け寄り、常香炉の煙を浴びるかのごとく虹へ頭を近づけていた
この水辺の前で写真を撮り合う老夫婦もいた
撮られる方はなんだか照れくさそうな硬い表情をするのが微笑ましかった
ここのベンチでも昼寝を試みようとしたが諸々の条件で諦めた