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4.低栄養とサルコペニアの予防

こんにちは。
理学療法士&パーソナルトレーナーの現役_病院勤務のリハビリ先生です。

本noteでは「病院にお世話にならない為に知っておくべきこと」として、
以下の10項目を一つずつ解説していきます。

1.健康的な身体づくり 3つの基本
2.加齢による身体の変化
3.生活習慣病とメタボリックシンドロームの予防
4.低栄養とサルコペニアの予防
5.骨粗鬆症の予防
6.転倒による骨折の予防
7.ロコモティブシンドロームの予防
8.血圧のコントロール方法
9.健康的なダイエット方法
10.健康的な増量方法

本日は「4.低栄養とサルコペニアの予防」です。

低栄養とは

低栄養とは「エネルギーとたんぱく質が欠乏し、健康な体を維持するために必要な栄養素が足りない状態」のことです。

こんな方は注意が必要です!
「体重がなんだか減ってきた」「風邪にかかりやすい」「体力が落ちてきた」

年齢のせいだと思っていませんか??
病気などが背景にある場合もありますが、実は「低栄養」が原因かもしれません。

低栄養になりやすい人ってどんな人?

① 食べ物の好ききらいが多い人や偏食の人
もともと好ききらいの多い人は食べられる食材が限られるため、栄養が偏りがちに。朝はパンだけ、昼はおそばだけ、という単品の食事で満足してしまう人も注意が必要です。

② 高齢者だけの二人暮らしや独居の人
高齢夫婦の二人暮らし、あるいは独居の人は、家族と同居している人と比較して低栄養の割合が2倍高いという報告もあります。買い物の大変さや経済的事情などの要因が考えられます。

③ メタボを警戒している人
一般に「成人はメタボに注意」といわれるため、食べないほうがいいと考えて、油脂や卵、肉、ごはんの摂取を必要以上に控えてしまうケースも要注意です。

④ 下痢やかぜなどの後
下痢や発熱があると、水分やエネルギー、ミネラルなどが不足しがちになります。その状態が長く続き、なかなか体調や食欲が回復しないと、低栄養に陥ることがあります。

⑤ がんや胃腸疾患などの治療中・手術後の人
病後は体力回復のために多くの栄養が必要です。また、呼吸器の弱い人は呼吸をするにもエネルギーを使います。しかし、病中・病後は食欲が低下するため低栄養になりやすくなります。

⑥ 糖尿病や腎臓病などで食事療法をしている人
持病があって食事指導を受けてきた人は、体調不良で食欲が落ちているときにも、同じ食事を続けてしまいがち。結果的に、必要な栄養まで不足してしまうことがあります。

⑦ うつや認知機能の低下がみられる人
うつや認知症によって食べることへの意欲が失われることがあります。周囲がそのことに気づかないときちんと食事が摂れず、低栄養を招くことがあります。

低栄養の早期発見するために

① BMI(体格指数)を確認する。
BMIは、「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))で求めることができます。
BMIが18.5未満の方は要注意です。

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BMIと判定基準

② 体重の変化率を確認する。
体重の減少は低栄養を発見するために最も重要な指標です。定期的に測る習慣をつけましょう。

以下のいずれかに当てはまる場合は、低栄養のリスクがあると考えられます。
「体重が6カ月間に2~3kg減少した」
「1~6カ月間の体重減少率が3%以上」

体重減少率は、「(通常の体重-現在の体重)÷通常の体重×100 」で求めます。

③ 血液検査で「血清アルブミン値・血中コレステロール値・血中ヘモグロビン値」を確認する。

血清アルブミン値:アルブミンは血液中の主要なたんぱく質です。
「3.8g/dL以下」は注意が必要です。
血中コレステロール値:コレステロール値は低すぎてもリスクになります。
「150mg/dL未満」は注意が必要です。
血中ヘモグロビン値:ヘモグロビンは貧血の指標となります。低栄養によって鉄欠乏性貧血が起こることもあるので気をつけましょう。
「約9g/dL以下」は注意が必要だと考えられます。

1年に1回は血液検査を受けましょう。

低栄養の予防方法

ご自身の身体に合った食事量を摂取し、定期的にBMIや体重変化を見直す。

詳しくは、以下の「1.健康的な身体づくり 3つの基本」をご参照ください。

続いてはサルコペニアについてです。

サルコペニアとは

サルコペニアとは「加齢による骨格筋量および身体機能の低下」のことです。

サルコペニアは2010年にEuropean Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)というヨーロッパのワーキンググループにより「定義・診断のアルゴリズム」が発表されました。

そして、2016年に国際的に疾患として認定されました。
近年、注目されている「疾患」です。

サルコペニアの年齢別発症率を以下のグラフに示します。

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参照:日本老年医学会学術集会記録2012.195ー198.

グラフから「80歳以上では50%以上がサルコペニア」だということが分かります。

サルコペニアの発症メカニズム

サルコペニアの発症メカニズムの要因は、「筋線維の損傷や萎縮に対して再生能力が補いきれない」という機序が考えられています。

サルコペニアの発症に影響を及ぼす要因は、栄養摂取量α運動神経数筋線維数同化ホルモン(GH:成長ホルモン,インスリン,テストステロン)、成長因子(IGF-1:インスリン様成長因子)などの低下および不活動炎症性サイトカイン(IL-6:インターロイキン-6,TNF-α:腫瘍壊死因子-α)、異化ホルモン(グルココルチコイド)、体脂肪などの増加が関与している可能性が報告されている。

サルコペニアの原因

サルコペニアの原因は大きく分けて以下の2つに分けられます。

① 原発性のサルコペニア
② 二次性のサルコペニア

① 原発性のサルコペニアとは「加齢」により骨格筋量および身体機能の低下を引き起こすことです。

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何歳くらいで筋力や筋肉量が減少するのか以下に示します。

筋力:健康な成人の場合には、20〜30歳代がピークであり、その後は加齢とともに減少し、60歳を超える頃にはピーク値より30%〜40%の低下が認められると言われています。
筋肉量:筋肉量の低下は25歳ごろから始まり、40歳以降は0.5%ずつ減少します。65歳以降になると減少速度が速くなり、80歳までに30%〜40%が失われると言われています。

② 二次性のサルコペニアとは「不活動、低栄養、疾患」により骨格筋量および身体機能の低下を引き起こすことです。

サルコペニアになると何が問題になるのか

① 日常生活(歩行・階段・坂道・立ち座り動作・入浴動作など)が障害される。
② 転倒のリスクが高くなる。
③ 食べ物が食べにくくなったり、飲み込みにくくなる。むせる。
④ 息切れしやすくなり、疲れやすくなる。

サルコペニアの予防方法

僕の記事ではしつこく言いますが「運動と栄養管理を心がける」これに尽きます。

おすすめの筋力トレーニングはメジャーな「スクワット」です。効果的に大きな筋肉を鍛えられ、基礎代謝も向上させることが出来ます。

膝や腰痛に注意しがら、まずは1日50回を目標に実施してみてください。

最後に、「健康的な身体は幸せな人生の土台」となります。

私と一緒に健康な身体を手に入れて幸せな人生にしましょう!!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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