音楽大学の現役教員・学生の方々へのインタビュー調査をおこなっています
協力研究員の松川亜矢です。
私は2022年の夏から、音楽大学にかかわる人びとへのインタビュー調査をおこなっています。最近はそのなかでも特に現役教員・現役学生の方々にご協力いただいて、音楽大学における学びや「教員-学生」関係の実態について検討しています。10月は7名のかたにお話をうかがうことができました。
インタビューという手法は人文・社会科学のさまざまな学問領域で広く活用されていますが、私はとりわけ「ライフストーリー・インタビュー」という方法に依拠しています。これは個々人の語る主観的な意味世界に注目する方法で、その人の経験や未来を含めた人生の意味づけを通して、その背景にある文脈や社会的状況を描き出そうとするものです(※)。
さて、現役教員・現役学生の方々へのライフストーリー・インタビューから、いわゆる「門下」という文化(制度)に着目することで描出できる文脈や状況が多々あると考えています。「門下」が現代の音楽大学でどのように機能しているか、専攻分野によってどのように意味づけられるかを、事例を増やしつつ分析の精度を上げて明らかにしたいと思います。
※ライフストーリー・インタビューの方法論にはいくつかのアプローチがあり、認識論的に異なる立場をとっていますので注意が必要です。以下の文献はこの点がとてもわかりやすく記述してありますので、ご興味があればぜひご一読ください。
桜井厚(2002)『インタビューの社会学-ライフストーリーの聞き方』せりか書房.