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過去グランプリインタビューVol.4|山﨑亮汰さん(2014特級グランプリ)

こんにちは。ピティナ特級クラウドファンディング広報担当です。

前回のインタビューでは「1年前」のグランプリ鈴木愛美さんにお話を伺いましたが、今回は「10年前」の2014年グランプリ山﨑亮汰さんにご登場いただき、10年間の道のりを振り返っていただきました。

山崎さんからは今年のクラウドファンディングへ、直筆サイン入りの「ラフマニノフ:音の絵Op.39(Henle版)」楽譜を、収録したばかりの全曲録音動画URLとともにご提供いただいております。

史上最年少のグランプリ受賞

―2014年の特級では、史上最年少(タイ)、15歳でのグランプリ受賞でした。10年前を振り返られていかがですか?

ちょうど10年前、15歳の高校1年生の時に特級グランプリをいただきました。その前は国内や海外のコンクールに毎年のように出ていて、その流れでピティナの方にも挑戦しました。その後しばらくは、あまりコンクールには出ませんでした。

それはやっぱり、特級グランプリになって初めて、その責任を感じるようになった、というのがあります。もっと自分の音楽を追求しないといけないと思うようになって。一旦、毎年のように受けていたコンクールからはちょっと距離を置いて、自分の音楽を追求するということに重点を置き始めました。でも、「これが自分の音楽だ」みたいなものがなかなか見つからない時期もあって、正直ピアノから距離を置きたい、と思いピアノの道を考え直した時期もありました。

2014特級ファイナル

「自分の音楽」を追求したい ~ ブゾーニ国際ピアノコンクールへの挑戦

―そこからブゾーニ国際ピアノコンクール第3位へ。どういう心境の変化がありましたか?

5年前アメリカのロサンゼルスに留学してから視野が広がり、自分に変化が生まれたと思います。コロナで時間ができた時期に、もう一度自分の音楽を追求したいという気持ちになり、自分なりに弾き方を変えてみたり、「こう弾きたい」というのをもっともっと出していくことを意識したりして試行錯誤をしていきました。そこから自分の演奏もよくなってきたように思います。

2年前にはハワイで開催された第1回ケアロヒ国際ピアノコンクール、昨年はブゾーニ国際ピアノコンクールと、再びコンクールに挑戦してきました。コンクールなど出ていない期間が長かったので、自分の演奏スタイルや音楽が果たしてよい方向に進んでいるのか、分からなくなる時期もありました。そこでブゾーニ国際ピアノコンクールでは、とにかく「自分の音楽」を全面に出そうと思って臨みました。

ブゾーニはやはり大きなコンクールでしたので曲の準備が大変でしたが、このコンクールへの気持ちがすごく強くありましたし、一次、二次と演奏するごとに自分の音楽がよくなっていくのが分かって、そしてたくさんのお客さんに聴いていただけたのがとても良い経験になりました。ケアロヒ国際で優勝、ブゾーニ国際で第3位という評価をいただけて、自信につながりました。

2023年ブゾーニ国際ピアノコンクール

また、海外でのコンクールは、自分は今までいかに恵まれていたかを知る機会にもなりました。例えば、イタリアではエアコンがない部屋で練習するのが普通なので、自分が涼しい部屋で快適に練習できていることが特別なことだと感じましたし、逆にヨーロッパのそういった環境で練習して準備できたことも、ひとつ大きな経験だったかな、と思います。

門下でパーティ

「コンクールのその先へ」~悩む時期も必要

―今回の特級クラウドファンディングでは、「コンクールのその先へ」というのも、一つのテーマとなっています。山﨑さんにとっても、15歳からの悩んだ経験も糧になっていると思われますか?

そうですね、悩む時間も必要というか。いつも上り調子にいくわけではないので…。ちょっとうまくいかない時でも、周りの人に相談するとか。コンクールで落ちた時も、他のもっとうまい人の演奏を聴いたり、審査員の講評や他の人たちの意見に耳を傾けたりするようにしていました。そしてやはり、「音楽が好き」という気持ちを持っていれば、大丈夫だと思います。

―特級グランプリから10年経ちましたが、この後10年経ったときに、夢や目標はどのようになっていると思われますか?

今もたくさん演奏させていただく機会をいただいて、色々な方々と知り合う機会持つことができて、嬉しく思っています。今年は読売交響楽団さんや仙台フィルさんと地元の福島で演奏させていただく機会をいただき、とても感謝しています。まだまだ大きな夢があって。コンクールもそうですし、もっと大きな舞台にも立ちたいし。10年後もっと飛躍した自分になれるように頑張っていきたいと思っています。

会津で読売日本交響楽団と共演した際、指揮の熊倉さんと

リターン楽譜ラフマニノフのエチュードは「今の挑戦」の結晶

―特級クラウドファンディングでは、サイン入りの楽譜のリターンのご提供をいただき、ありがとうございます。ラフマニノフの「音の絵」Op.39の入った楽譜をご提供いただきました。この曲への思い入れは?

この曲は、たった今、ピティナYouTubeのためにレコーディングさせていただいたのですけれど、今の感想としては、やはりこの曲は難しいなと。1曲1曲のも難しいのですが、僕は、全曲を通しての音楽を大切にしているので、せっかくなら全曲まとめてレコーディングさせていただきたいと思い挑戦したのですが、やはり全曲弾くのは大変でした(笑)。

ラフマニノフのエチュードは、「エチュード」とは書かれていますが、やはりそれを超越した音楽があるというか、技術的には難しいのですがそれを超える音楽があるので、それを表現するのは難しいのですが、それがまた魅力だと思っています。

師事しているビディーニ先生と学校のコンサートで連弾

普段はだいたい自分で「これを弾きたい」と決めるのですが、今回のラフマニノフのエチュードは、先生から、「今これを弾いた方がよい」と言われました。というのも、この曲には僕の弱点がたくさん盛り込まれていて(笑)。僕の音というのは、「すごくマイルドで綺麗な音だね」と言われるのですが、今一歩爆発力とか、深い音が欲しい時に、それが足りないと言われていて。去年のブゾーニのあとに、今この曲をやったほうがよい、と言われて先生から与えられた曲なんです。こういうことはあまりないことで、自分にとっても挑戦でした。

―7/26にコンサートプレミア(ピティナピアノ曲事典)で、ラフマニノフOp.39全曲のノーカット収録を行い、配信させていただきました。

楽譜を入手して、弾いてみる方へのメッセージは?

弾くのが難しいのですが、弾くことにとらわれすぎないで、「音楽を作る」という気持ちで弾いていただけるといいと思います。より曲の良さも出ますし、弾くことにとらわれすぎると聴いている側もおもしろくないと思いますし(笑)

特級挑戦者へのメッセージ~「自分の音楽を信じて」

―特級に挑戦する人たちへのメッセージをいただけますか?

特級はピティナで一番上のクラスなので、課題曲も多いですし精神的にも体力てきにもとても過酷だと思いますが、自分の音楽を信じて欲しいと思います。コンクールで弾く時に、ミスなどを恐れないで、自分の音楽を100%出す、ということに集中して欲しいなと思います。

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2024特級クラウドファンディング終了まであと8日!

特級クラウドファンディング、第2目標の380万円では、入賞者たちに、より充実した国内外での研鑽や演奏の機会を創出することを目指しています。

引き続き温かいご支援よろしくお願いいたします!

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◆2024クラウドファンディング概要
・支援募集期間:2024年7月4日(木)10時〜2024年8月23日(金)23時
・第一目標金額:180万円⭐︎達成しました
・第二目標:380万円(第三目標:600万円)
・実施形式:All or Nothing
・URL:https://readyfor.jp/projects/ptna_tokkyu_2024
▼リターン一覧はこちらもご確認ください
2024ピティナ特級クラウドファンディング・リターン一覧
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