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飯田有抄のショパコン日記57〜小林愛実さん、大使公邸にて
こちらの記事にて、ほぼ全貌をお伝えいたしました在ポーランド日本国大使公邸での宮島大使と反田さん・小林さんのお話は、とても和やかな雰囲気で、なおかつ核心に迫る言葉の数々もうかがえて、すばらしいお時間をご一緒させていただきました。
大使との懇談後、とてもリラックスした表情を見せてくれた小林愛実さん。その胸にはとても可愛らしい「♪」の形のネックレスが光っていました。いつも、演奏の前にそっと触れている、あのネックレスとのことです。
「もう15年ほども前に、当時習っていた先生からもらった大切なネックレスです。大事にしているから、コンサートの本番の時にしか使っていなくて、それ以外の時は、箱に入れてしまっているんです」
15年という年月。愛実さんの音楽とともに、いつも胸元で小さな輝きを保ち続けているネックレスなんですね。アジャスターなどが壊れてしまったこともなく、特別なメンテナンスを必要としていないそうで、本当に綺麗です。大切にしていることが伝わります。そんな特別なネックレスを、この訪問の時に身につけて来られたのですね。
愛実さんは、受賞後の取材で音楽作りをする上で「一つ一つの音」「信念」という言葉を使っておられました。私はそっと輝くネックレスを見て、その言葉をまた思い出していました。
(写真:飯田有抄/ピティナ)
舞台袖写真:©Darek Golik (Chopin Institute)