飯田有抄のショパコン日記27〜ショパンの新しい像・髪の毛や所持品も。特設展示Chopin the Power of a Symbol
ショパン国際コンクールの会場であるフィルハーモニーホールから、徒歩およそ10分くらいの場所に、ショパン音楽大学、そしてショパン博物館があります。10月15日から、博物館では特設展「Chopin the Power of a Symbol」が催されるそうです。特別にプレスとして一足早く取材入場ができました。
特設展といっても、その大半は常設展で公開している資料がほとんどらしいのですが、最新のデジタル技術で再現されたショパン像など、見応えたっぷりの展示です。
オープニングのトークイベントとして、コンクールのスポークスマンとしてお馴染みのアレクサンダー・ラスコフスキさんと、キュレイターのお二人がお話されていました。さまざまな肖像や資料を通して、ショパン像を多角的に浮き彫りにした展示とのことです。
さて、建物に入ったら、すぐに出迎えてくれたのが、こちらの動く肖像! お話に出ていた、最新デジタル技術によるショパン像って、これのことでしょうか。すごくリアルです。回転して動いています。
(スタッフの方に許可を得て撮影しています・・・っていうか、どこにも写真厳禁!みたいな表示もない。なんてオープンなのでしょうか)
自筆譜や手紙などの精緻な筆跡を見るにつけても、ショパンの繊細で、神経質そうな感性に触れられる気がします。
所持品なども多く展示されています。ポケットノートやカフスなど、実際にショパンが身につけていたものをこの目でみると、ドキドキしますね。
ショパン時代のピアノも展示されています。こちらはフランスが誇る伝統的メーカー、エラールのピアノ。寄贈者によると一時期リストが所有していたもの、とのことです。
こちらは、ショパンが最後に使用していたというプレイエルのピアノ。甘やかな音色を奏でていたのでしょうか。
ショパンの手は、決して大きくないのだな、と思います。横においた私の手は、一オクターブがやっとくらい。展示ケースの外なので、少し距離があるとはいえ、実際に見ても、そんなに大差ありませんでした。
ドキッとしますが、ショパンの髪の毛です。亡くなってすぐに、姉のルドヴィカが腐敗処理が施される前に家族のために切り取ったものだそうです。
亡くなったその日にとられたデスマスクです。
病床におけるショパンの最期の時を描いた有名な絵画もありました。
ジョルジュ・サンドの髪の毛もありました。
こういった展示に触れると、何か強いものを受けてしまうので(スピリチュアル的発言)ほどほどにしておきましたが、さまざまな資料があるので、半日くらい平気で時間が過ぎてしまいそうな博物館でした。
ワルシャワへの渡航がしやすくなったら、ぜひ訪れていただきたいスポットです。
(写真:飯田有抄/ピティナ)