
ぴてぃにゃんとピィ先生の誕生秘話(3)
ピティナデザインチームのシロクマです。
この記事では「ピティナ公式キャラクターぴてぃにゃんとピィ先生の誕生秘話」について振り返っています。
今回は第3回で、最終回です。ぴてぃにゃんとピィ先生のキャラクター設定を作っていきます。
前回のあらすじ
ぴてぃにゃんとピィ先生のキャラクターデザインが固まりました。今回は、二人の設定をどのように作り上げたかを書いていこうと思います。

コンビの組み方
ぴてぃにゃんとピィ先生という、(どちらも小さいですが)より小さなキャラクターとのバディは、キャラクターメイクにおいてよくある組み合わせです。たとえば、「トムとジェリー」、「ピノキオとジミニークリケット」、「ダンボとティモシー」「おじゃる丸と電ボ」「毛利小五郎と江戸川コナン」などなど・・・。
こういった組み合わせの場合、小さいキャラクターが非常に頭脳明晰で、ずるがしこい、あるいはお助けキャラだったりします。
ピィ先生も、小さいけれどとても優秀な指導者としてぴてぃにゃんを導いてきた、というストーリーを描きたいと思い、歴史的な有名バディを参考にしました。個人的に最も強いイメージを持ったのは、ダンボとティモシーです。
ぴてぃにゃんの設定
ぴてぃにゃんのキャラクター設定を行うにあたって、まずどのような働きをしてほしいのかを考えます。
というのも、あくまでピティナの公式キャラクターであって、キャラクター制作会社のキャラクターではないからです。ぴてぃにゃんには、ピティナの事業の広報のために働いてもらうことになります。

イベントに顔を出したり、Twitterでつぶやいたり、動画に出てもらうことを考えたとき、「もう本部事務局員(広報担当)」ということにしたほうが動かしやすいのでは?と思いました。
実は、この点においてぴてぃにゃんの登場は画期的でした。ピティナの事業において、色々な場面で広告塔としての「顔」が必要なことが多々あります。そこで、これから生まれる小さなキャラクターに、その役割を託そうと思ったのです。

ぴてぃにゃんは大人なの!?
という呟きをTwitterで見かけました。前述の通り、ぴてぃにゃんは大人で、ピティナの事務局員です。童顔ですね。

なぜ大人という設定にしたかというと、ピティナには小さな子どもさんからシニア層まで、幅広い年齢の学習者・音楽ファンに向けた事業があるからです。
たとえば、合同発表会的事業であるピティナ・ピアノステップの参加者には、ピアノを始めたばかりの幼児の方もいれば、受験勉強と並行してピアノをがんばる小中高生、専門的に音楽を学ぶ音大生、大人になってからピアノを習い始めた人、何十年も趣味でピアノを弾いている大先輩もいます。そういった人生における様々なピアノとの接点を、なるべく多くぴてぃにゃんの一生に重ねて表現するために、今現在大人である必要がありました。

昨年、ぴてぃにゃんがピティナ・ピアノコンペティションに参加したことを描いた漫画、「ぴてぃにゃんが初めて舞台に立った日」を公開しました。これは、コンクールの既存参加者や、これから初めて大舞台に挑戦しようという方に向けてのTIPSを兼ねたものですが、幼少期のぴてぃにゃんが友達を羨んで初めてコンクールに参加し、先生・両親と一緒に悩みぬきながらも、ちょっぴり悔しい舞台を終える、というストーリーを丁寧に描いており、読者の方からも熱い感想をいただきました。

苦い経験だったとしても、貴重な学習経験なので、大人になって振り返ったときには良い思い出になっているといいな、という願いが根本にあり、色々な形で発信していければと思っています。
小さい頃からピアノを習っていたけど、大学時代にはジャズバンドに所属していた、という、若干紆余曲折ある設定に繋がるストーリーも、これから発信していきたいと思っています。

ピィ先生にモデルはいるのか
ピティナの正式名称は「一般社団法人全日本ピアノ指導者協会」と言います。ピティナはコンクールを主催している団体、という世間的認識も強いと思うのですが、実は主にピアノの先生たちから成る会員組織なのです。
ピアノや音楽を習っている学習者の皆さんは、ご自分の先生を思い浮かべていただくと、どうでしょう。ピィ先生みたいな先生!いるでしょうか。
私自身、ピアノを含めいろいろな楽器を習っていましたが、エネルギーあふれる先生との出会いが多かったかもしれません。
ピティナで活躍されている先生方も、本当にパワフルな方が多いと日々感じています。ピィ先生の設定には、そんな印象が反映されているかもしれません。
ぴてぃにゃんは割と多忙な社会人なので、疲れていたり、なかなか練習時間が取れなかったりすることも多いです。しかしそんなときでも、明るく励まし、共に楽しく続けていこうね、という姿勢の先生がいたら、きっとありがたいだろうな、と思います。

まとめ
一番のポイントは、キャラクターやアニメーションの会社が作るキャラクターとは性格が異なり、事業の発展、ひいては音楽教育業界の発展の一助になる公式キャラクターの制作が目的だった、ということです。
そしてコンクールの漫画など、新たな設定が追加されるときは、事業チームと話し合いを重ねながら、ぴてぃにゃんの年輪を後追いで刻んでいます。
以上、「ぴてぃにゃんとピィ先生」制作の裏側でしたが、楽しんでいただけたでしょうか?
これからもっと皆さんに愛されるキャラクターに成長しますように。

おまけ
実は、ピティナの公式キャラクターが作られたのは今回が初めてではありません。
1999年の会報誌「Our Music」夏号にて、公募で選ばれたキャラクター(井口やすひさ氏創案)が登場しています。

