Ptengine×アパレルECサイト 月2本のA/Bテストを実施し、月商を1,700万円増加させた施策【UI改善編】
こんにちは!
Ptmind社が現在あるラグジュアリーアパレルブランドのECサイトにコンサルティングサービスを提供しています。
本日は【UX改善編】に続き、今年度内に行ったUI系の改善施策を詳しくご紹介します。
今回ご紹介する施策は、UI改善の中でも「視認性向上」に焦点を置いた施策です。また施策の対象ページは、サイト内の「カテゴリーページ」と「カートページ」です。
視認性向上系の施策
1. ページの余白感の削除 - 表示商品の列数を2列から1列に
まず、施策実施における仮説についてです。今回の仮説は、他の施策を行った後のヒートマップのレビュー結果から生まれました。
下記のアテンションヒートマップから確認いただけると思いますが、空白のところで、暖色から寒色へと変化しています。また、併せて到達率も減少している傾向が見受けられます。つまり、ユーザーの興味や関心度がここで落ちていると解釈できます。
そこで、情報の余白を減らすスタイルやレイアウトのほうがお客様の興味度合いが維持できると仮説を立て、以下のように表示列を減らして情報を一箇所に網羅するようにデザインを変更しました。
テストの結果は意外とインパクトが大きなものでした。
カート追加を評価指標で見る場合、コンバージョン率が1.25%増加しました。また、テストパターンの勝率が99.92%になり、優位判定されました。
評価指標を「購入完了」とする場合でも、勝率が94%以上になりました。コンバージョン率は0.4%の向上ですが、上昇率(成績)が34.34%です。
これは、平均購買単価と勝率と掛け算した結果、約740万円の期待月間売り上げを創出できる見込みです。
2. カートページのギフトラッピングのポップアップ廃止
続いてご紹介する施策は、スマートフォン画面で実施しました。実施前後のデザインの違いにについては下記キャプチャをご参照ください。
左側はオリジナルのデザインで、ギフトラッピングに関する情報はポップアップの形で表示されていました。かつ追従式で、スクロールしても一箇所にとどまって固定表示される形です。
ギフトラッピングはお客様に認知してもらう必要のある情報ですが、上記の仕様ですとCTAボタンを隠してしまう要素にもなっていました。よって、購入への阻害要因になっているとも考えられます。
そこで、2-①の右側のようにPtengineでページへの埋め込み式に実装してテストした結果、購入完了率が約3%増加し、増加率が32%以上となりました。また、同時に勝率が95%以上に達しましたので、優位判定もされています。
この施策の結果から概算して、月間期待売上は314万円を創出できた施策と言えそうです。
3. 性別を選択するボタンのデザインを目立たせる
3つ目の施策も、先の施策と同じスマートフォン画面で実施しました。このテストの対象となる性別を選択する箇所は、ページヘッダーのハンバーグメニューにありました。
Ptengineのページ分析ヒートマップによると、メニュー欄にある性別を選択する要素、特に「WOMEN」要素のコンバージョン貢献率が0%でした。
この理由として、ボタンの仕様が考えられます。つまり、ボタンデザインもとてもシンプルなため、男性が選択されているにも関わらず、WOMENが選択されているようにも見えます。
そのため、ユーザーが現在の選択内容がわからない、もしくは混乱を招いている可能性が検討できたのです。
その上、「WOMEN」要素のコンバージョン貢献率が0%というデータを鑑み、おそらくボタンが目立たず、そもそもここがクリックできるものと認識されていないとも考えられます。
ゆえに、認識違いにより、女性向けの内容を選択しているにもかかわらず、表示されている商品が男性向けであることに戸惑って離脱してしまうユーザーがいるの可能性が高いと考えました。これは、大きなチャンスの損失になりかねないため、もっと目立つデザインに変更してみました。
ここで検証したい内容は、性別を選択するボタンのデザインを目立たせることでカートイン率と購買完了率に影響があるかどうかです。
キャプチャ3-②の右側のように白枠を追加し、現在選択されている内容を目立たせました。
テストの結果は以下です。
カートイン率も購入完了率もともに上がりました。そしてこの施策は、概算して289万円ほどの期待売上を創出できそうです。
まとめ
今年度内に上記サイトでメインに行ったUI系の改善施策をまとめました。
カテゴリー一覧ページ:ページの余白感の削除, 2列から1列に
カートページ:ギフトラッピングのポップアップ廃止
ヘッダーメニュー:性別を選択するボタンのデザインを目立たせる
簡単な施策ではありますが、意外とインパクトが大きかったですね。
普段自社サイトを毎日閲覧していくと、客観性を失い、盲点になることは多いでしょう。
特にECサイトに関しては、顧客と直接のコミュニケーションが取れないため、店舗とまったく同様の買い物体験を作ることが難しいことも事実です。
だからこそ、ユーザー目線の細かい気づきが非常に重要になってきます。
なかなか検証アイディアが浮かばないときはもあると思いますが、その時はぜひ身近にいる友達や家族(とにかく自社サイトに詳しくなく、ニュートラルな立場の方)の意見を聞いてみることもおすすめです。ひらめきが絶対にあるはずです。
また、A/Bテストは一般的に8割〜9割が失敗してしまうと言われています。自信のあるアイディアなのに期待どおりの結果にならないということは山程あります。それでも挫折せずに検証し続けることが大切です。アイディアの価値を事前に見積ることは誰でもできないからです。
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