
白血球の分類と役割
1. 白血球とは
白血球は、体を病原体や異物から守る免疫システムの主要な細胞の一部です。血液中に浮遊しており、感染や外部からの攻撃に対して迅速に反応します。白血球はいくつかのサブタイプに分けられ、それぞれが特有の役割を持っています。寿命は2週間ほどです。
2. 血液中の白血球の数
人の血液中には、通常、1μL(mm³)あたり4,000~9000(11,000)の白血球が含まれています。この数値は、健康状態や年齢、性別などの因子によって変動します。数が多いと感染が疑われ、数が少ないと易感染性があります。
3. 白血球の分類、サブタイプ
好中球(Neutrophils)
リンパ球(Lymphocytes)
Tリンパ球
ヘルパーT細胞(CD4+ T細胞)
キラーT細胞(CD8+ T細胞)
サプレッサーT細胞(Treg細胞)
メモリーT細胞
Bリンパ球
形質細胞
メモリーB細胞
NK細胞
単球(Monocytes)
好酸球(Eosinophils)
好塩基球(Basophils)
4. それぞれの特徴、役割
好中球:感染初期の防御として迅速に反応し、細菌や真菌を食べる役割があります。
ヘルパーT細胞:他の免疫細胞の活性を増強し、免疫応答を調整します。
キラーT細胞:ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞を攻撃し、破壊します。
サプレッサーT細胞:過剰な免疫反応を抑制し、免疫のバランスを保ちます。
メモリーT細胞:一度体内に侵入した病原体を記憶し、再度その病原体が体内に侵入すると迅速に反応します。
Bリンパ球:特定の抗原を認識し、反応します。
形質細胞:抗体を産生し、病原体や異物と結合します。
メモリーB細胞:過去に接触した抗原に対しての迅速な反応を担います。
NK細胞:特定の抗原を持たず、ウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞を攻撃します。
単球:組織に移動し、マクロファージ、樹状細胞として活動することで、細菌や異物の食作用を持ちます。
好酸球:寄生虫感染やアレルギー反応に関与し、炎症を抑制する物質を放出します。
好塩基球:アレルギー反応に関与し、ヒスタミンなどの炎症を促進する物質を放出します。
5. まとめ
白血球は、私たちの身体をさまざまな外敵から守る重要な役割を果たしています。それぞれのサブタイプは、特有の機能と役割を持ち、免疫システム全体の動作に貢献しています。健康を維持するためには、これらの白血球のバランスや機能が非常に重要であることを理解することが必要です。