血液の役割と構成成分
血液の概要
血液は人体の各組織や器官に酸素や栄養を運び、二酸化炭素や代謝産物を除去する役割を果たします。また、感染や傷害から身を守る免疫機能も担っています。
血液の量
成人男性: 約5〜6リットル
成人女性: 約4〜5リットル
体重、体格、性別などにより個人差があります。 体重の1/13リットルが基準です 65kgの人→5L
血液の性質
pH: 血液のpHは7.35〜7.45の間であり、この範囲を維持することで体内の酸素供給や酵素の活性が最適に保たれる。
浸透圧: 血液の浸透圧は細胞とのバランスを保つために重要で、これが保たれることで細胞の浸透圧や体液のバランスが維持される。
比重: 血液の比重は約1.050〜1.060。
温度: 人体の体温は平均して約36.5〜37.5℃であり、血液の温度もこれに近い。血液の循環により、体温は体全体に均等に分散される。
凝固: 血液は、出血や傷が生じたときに凝固する能力を持っている。これは主に血小板と凝固因子によって調節される。
血液は、これらの性質や量を一定の範囲内で維持することで、体全体のホメオスタシス(内部環境の安定)を保つ役割を果たします。これらの値が大きく変動すると、身体に様々な不調や疾患のリスクが生じることがあります。
構成成分
血漿 (Plasma)
これは血液の液体部分で、約55%を占めます。
主成分は水で、約90%を占める。その他には電解質、栄養素、ガス、ホルモン、廃棄物、タンパク質(アルブミン、グロブリン、フィブリノゲンなど)が含まれます。
血球 (Blood Cells)
血液の約45%を占める固形成分。
以下の3つの主要なタイプがあります:
a. 赤血球 (Erythrocytes): 酸素と二酸化炭素の輸送を担当。ヘモグロビンというタンパク質を含んでおり、これが酸素を結合する役割を果たす。
b. 白血球 (Leukocytes): 免疫系の一部として、体を病原体や外来物質から守る役割を持つ。いくつかのサブタイプ(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)が存在する。
c. 血小板 (Platelets): 凝固系の一部として、出血を止めるために傷や裂傷がある場所に集まる。
さらに、血液の中にはさまざまな成分が含まれており、これにより栄養の輸送、体温の調節、pHの維持、感染からの保護などの重要な役割を果たします。
このように、血液は体の各部位をつなぐ重要な媒体であり、生命維持に不可欠な役割を担っています。