国試にも使える! 解剖生理学③ 筋について
◎構造
①重量:成人は体重の40%、小児は25%
②筋の75%が水分 25%はその他(その内80%はタンパク質)
細かい部分から
以下、重要項目!!(ここもイメージで覚えるといいかも?)
・アクチンフィラメントとミオシンフィラメントから筋フィラメントが作られる
・筋フィラメントが集まると筋節が作られる
・筋節が集まると筋原繊維(筋形質)が作られる
・筋原繊維が集まると筋繊維(筋鞘)が作られる
・筋繊維が集まると筋束が作られる
・筋束が集まると筋腹となる。
※上記の言葉でこんがらがることが多いのでしっかりとイメージして覚えよう!
③I帯(明帯):横紋筋を構成する筋原繊維の構造で、ミオシンフィラメントと重なっていない部分のアクチンフィラメントの部分。I帯は収縮すると短くなる。
④A帯(暗帯):横紋筋を構成する筋原繊維の構造で、ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントが重なっている部分。A帯は収縮しても距離は変わらない。
◎筋の種類
①解剖学的な分類
❶横紋筋:骨格筋・心筋
❷平滑筋:内臓
◯骨格筋:体を動かす筋肉のこと。運動神経が支配し、随意的に収縮可能。疲労しやすい。
◯心筋:心臓のこと。自律神経支配であり、不随意運動。疲労しにくい。
◯平滑筋:内臓。自立神経支配であり、不随意運動。疲労しにくい。
※自律神経とは?
自分でコントロールできず、不随意で運動を行っているもの。
交感神経と副交感神経の2種類ある。
交感神経:興奮状態となる
副交感神経:リラックスした状態となる
②生理学的な分類
主に3種類。
typeⅠ(赤筋)・typeⅡa(赤筋・白筋)・typeⅡb(白筋)がある。
◯特徴(結構重要!)
❶typeⅠ(遅筋):持久力がある
収縮速度:遅い 張力発揮:少ない 疲労:しにくい
ATP供給:酸化 グリコーゲン:少ない ミオグロビン:多い
ミトコンドリア:多 毛細血管:密集 筋繊維径:小 ※姿勢保持筋に多い
❷typeⅡa(中間筋):持久力+瞬発力
収縮速度:速い 張力発揮:中間 疲労:中間
ATP供給:酸化 グリコーゲン:中間 ミオグロビン:多
ミトコンドリア:多 毛細血管:密集 筋繊維径:中
❸typeⅡb(速筋);瞬発力
収縮速度:速い 張力発揮:強い 疲労:しやすい
ATP供給:解糖 グリコーゲン:多い ミオグロビン:少ない
ミトコンドリア:少ない 毛細血管:粗い 筋繊維径:小
※骨格筋に多い・ATPが多い
※グリコーゲン・ミオグロビン・ミトコンドリアについて
・グリコーゲン:糖の一部・筋収縮のエネルギー
・ミオグロビン:酸素の貯蔵。酸欠になった時に酸素を放出する
・ミトコンドリア:ATP(アデノシン三リン酸)産生
◎筋の収縮(キーワード:長さ張力曲線)
①赤線:強い収縮による活動張力
②青線:伸展しきり、止まったままの張力
③紫線:赤と青の合計の張力
◎筋収縮メカニズム
①脳から「収縮しろ!」と命令が出される
②筋小胞体膜の電位変化
③筋小胞体からCa++(カルシウムイオン)放出
④トロポミンとCa++が結合
⑤アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが反応 滑走(トロポミオシンが作用する)
※後日動画撮ります!
◎筋の運動
①筋収縮様態
❶動的収縮:2種類
・求心性収縮:起始と停止が近づく
例:上腕二頭筋→腕を伸ばした状態から曲げる運動をした際の収縮形態
・遠心性収縮:起始と停止が離れる
例:上腕二頭筋→腕を曲げた状態から伸ばす運動をした際の収縮形態
・静的収縮(等尺性収縮):筋の長さが変わらない・関節の角度が変化しない
例:上腕二頭筋→力を入れるが関節の角度が変化しない収縮形態
③特殊な収縮(あんまり重要ではないから、なんとなくで良いと思うw)
❶等張性収縮:張力が一定
❷等速性収縮:収縮速度が一定
❸相動性収縮:速い動き
◯張力の強さ(案外出るよ!)
遠心性>等尺性>求心性