国試にも使える! 解剖生理学④ 循環器編 心臓① 解剖
◎心臓
◯解剖
◯前面
◯後面
❶位置:胸腔内、両肺の間 第2肋骨と第5肋骨の間
❷重さ 男性:290g 女性:230g ※平均すると200〜300g
❸構造
・心筋の層 心房は2層、心室は3層からできている。 左心室は右心室よりも3
倍分厚い。横紋筋である。
・心外膜:心臓の外側を覆っている膜 別名:臓側心膜
・心内膜:心臓の中を覆っている膜
・弁(血液の逆流を防ぐもの)
僧帽弁:左房室弁(二尖弁) 左心房と左心室を隔てる弁
大動脈弁:左心室と大動脈の間にある半月弁 (3つ)
三尖弁:右房室と右心室の間にある弁
肺動脈弁:右心室と肺動脈の間にある半月弁 (3つ)
腱索有り:僧帽弁・三尖弁の2つ
※腱索とは:弁を引っ張り、開け閉めを行うもの。弁と乳頭筋に付着し、乳頭筋の
収縮・弛緩が繰り返されて開け閉めを行う。
心房:心房中隔・卵円窩
※心房中隔とは:右心房と左心房を隔てている部分。
※卵円窩とは:卵円孔が閉じた跡。生まれる前は左右の心房は小さな穴で繋がって
いた。その小さな穴を卵円孔という。
心室:心室中隔
◎主な血管
①冠状動脈:左右にあり、心臓に血液供給を行う重要な血管。
※国試に出てきやすいもの
冠状動脈が血液供給を行っている部分を聞いてくる問題が過去問に多く出題されている。
左冠状動脈は左心房・左心室・右心室に血液供給している。
右冠状動脈は右心房・右心室・左心室に血液供給している。
一見、覚えるのが難しそうに見えるが、左右で同じ物と共通する点があるということ。
心室については左右冠状動脈問わず血液供給している!
心房については右なら右心房、左なら左心房にしか血液供給されていない!
この2点を覚えられれば全然大したことはない!
②冠状静脈:左心房と左心室の間を通る静脈の集合体。栄養を届けた後の血液が流れる血管
③上行大動脈:左心室の大動脈底から始まり、左心室から大動脈弁を通って血液を
受ける。
④肺動脈:酸素を使い切った血液の交換するために右心室から肺へ送るための血管
⑤上行大静脈:体の上半分から酸素を使った血液を心臓に戻す血管
⑥下行大静脈:腹部から下にある酸素を使った血液を心臓に戻す血管
⑦大動脈弓:上部の3つの動脈に血液を流す通路
⑧腕頭動脈:右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分岐する
⑨左総頸動脈:脳へ血液を送る通路
⑩左鎖骨下動脈:主に左の上肢への血液供給をする
11 下行大動脈:心臓よりも下にある身体への血液供給を実施
※上記は左側から見た図です。
大動脈弓の分岐の問題が頻回に出ます。
覚え方としては「身体」と考えてみてください。
前から「(腕)頭・(総)頸・鎖骨」の順で覚えるといいと思います。