国試対策にも使える! 解剖生理学① 骨について
◎骨の機能
①力学的機能
❶支持機能:体(姿勢)を保つ・臓器の位置を保つ
❷保護機能:臓器を守る
❸運動機能(テコ機能):筋の作用により、運動が起こる
②生理学的機能
❶物質代謝機能:ミネラルの調整、Cα(カルシウム)、P(リン)の保存
❷血液を作る機能
◎骨の数
・頭蓋骨:29個
・椎骨:26個
・胸部:25個
・上肢骨:64個
・下肢骨:62個
合計 206 個
◎構造
◯骨膜:血管・神経が多く分布する。
①外層:コラーゲン繊維と繊維芽細胞からなる繊維層
※線維芽細胞とは? 結合組織を構成する細胞。 コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸といった真皮の成分を作り出す。
②内層:造骨能を有する骨芽細胞がある胚芽層
※胚芽層(別名:基底層)とは? 表皮の最深部にある層。絶えず新しい細胞層を作り出している。
③シャーピー繊維(貫通繊維):骨膜と骨質を結合しているコラーゲン繊維
④骨の太さの成長
⑤関節軟骨以外の骨の周囲を覆う
◯骨
①骨質
❶緻密質:硬く骨幹の表層を形成。骨幹部では厚く、骨端では薄い。 オステオン(骨単位)、ハバース管(別名:中心管)、フォルクマン管(別名:貫通管)がある。
※オステオン:ハバース管とハバース層板を合わせた単位
ハバース管:骨に対し、長軸方向に走行する。
フォルクマン管:骨に対し、短軸に走行する。
❷海綿質:骨の内部、骨端部に多い。骨梁を形成。スポンジみたいな構造。
②骨髄:赤色骨髄・黄色骨髄
❶赤色骨髄(赤骨髄):血液を作る作用 (体幹と四肢骨の近位端)
❷黄色骨髄(黄骨髄):血液は作らない。脂肪組織で置き換えられた部位
❸髄腔:長い骨にある。 上腕骨・橈骨・尺骨・中手骨・大腿骨・脛骨・腓骨・中足骨
③軟骨質
❶関節軟骨:硝子軟骨・表面滑らか・弾力強い 神経、血管、リンパ管なし・再生能力低い
❷骨端軟骨:骨端と骨幹の間にある・骨の成長に関与する。 骨が成長すると骨端線となる。硝子軟骨。
❶弾性軟骨:男性(弾性)の耳(耳介軟骨)と喉(喉頭蓋軟骨)が黄色になる
❷線維軟骨:4回目(線維軟骨は4つ)の半月(半月板)の日に唇(関節唇)に キスしようとしてつい(椎間関節)、恥じらう(恥骨結合)。
❸硝子軟骨:上記以外と考えれば良い。
◎形状の分類
長管骨:上腕骨・橈骨・尺骨・中手骨・大腿骨・脛骨・腓骨・中足骨
短骨 :手根骨・足根骨
扁平骨:頭頂骨・前頭骨・腸骨・後頭骨・胸骨・肋骨・肩甲骨
含気骨:篩骨・蝶形骨・上顎骨・前頭骨・側頭骨
種子骨:膝蓋骨・豆状骨
◎骨の構成成分
①細胞成分
❶有機成分
・骨芽細胞:骨質の形成に関与 骨の形成(建築)
・骨細胞 :骨基質と血液との間の物質交換 骨の維持(保守)
・破骨細胞:骨膜には存在しない 骨の吸収(解体)
❷無機成分
・ミネラル、Ca、CO3、Mg…など
Ca(カルシウム)は人体の99%が骨に存在。成人では1kg、1日250mgが交換される。
②コラーゲン線維
骨基質の主たるタンパク質
③プロテオグリカン
◯まとめ
古い骨を壊す(骨吸収)→新しい骨を作る(骨形成)→骨を維持する(骨細胞)→古い骨を壊す(骨吸収)… がバランス良く起こっている。
※骨粗鬆症:骨吸収が優位になると、骨形成が間に合わなくなり、骨密度が低下。この状態を骨粗鬆症という。
◎Ca(カルシウム)調整について
①骨吸収
❶副甲状腺ホルモン(上皮小体ホルモン):パラソルモン 下記の図参照
血中Ca濃度が高いと分泌抑制。低いと分泌促進、腎臓でCaの再吸収促進される
❷ステロイドホルモン
❸プロスタグランジン:破骨細胞による骨九州の促進
❹副腎皮質ホルモン:糖質コルチコイド
❺女性ホルモンの欠乏:エストロゲンが低下し、閉経する
※筋収縮にも関与する。
②骨形成の促進(石灰化促進)
❶カルシトニン(甲状腺ホルモン):破骨細胞の形成及び活性を抑制。(骨吸収抑制)、骨新生促進、腸管Ca吸収抑制、血清Ca濃度低下
❷ビタミンA:骨芽細胞を活性化
❸ビタミンC:骨形成の促進
❹ビタミンD:血中のCα濃度上昇作用:腸管よりCα吸収促進、破骨細胞性骨吸収抑制
❺ビタミンE:骨芽細胞によるコラーゲン合成に関与
❻ビタミンK:骨形成、石灰化促進、骨タンパク質の合成
❼成長ホルモン:骨の長さの発育促進
❽男性ホルモン(アンドロゲン):骨基質の形成促進
❾女性ホルモン(エストロゲン):骨芽細胞を刺激