【これから病院実習へ行く理学療法学生に見て欲しい】理学療法を学ぶ大学二年生が病院実習に行った話

こんにちは。今年度から大学3年生になりました、イットです。今年度も理学療法のお勉強頑張りたいと思います。本記事では、去年度、私が病院実習に行った時のことについてお話ししたいと思います。

私は、2022年2月から4週間、大学のカリキュラムの一環として病院実習に行ってきました。
臨床評価実習ということで、関節可動域、筋力、姿勢分析、動作分析、整形外科テスト、四肢長、周径、視診、触診、問診など様々な評価を実際の患者さんに対して行いました。病院現場で実際の患者さんと関わるというのは本当に貴重な経験でした。1日4人~10人の患者さんの評価を行わせて頂きました。コロナの影響で病院実習に行けないクラスメイトもいる中、本当に貴重な経験をすることが出来ました。受け入れてくださった実習先の皆様には大変感謝申し上げたいです。

私は、実習先が整形外科だったので、整形外科疾患を持った患者さんと沢山関わることが出来ました。
特に、頸椎症性神経根症、肩関節周囲炎、橈骨遠位端骨折、腰椎椎間板症、変形性膝関節症の患者さんを頻繁に評価しました。

評価実習ということで治療に関わることはありませんでしたが、理学療法士は評価が最も重要だということを指導して頂きました。適切で正確な評価をすることが適切な治療に繋がるため、評価をおろそかにしてはいけないということを学びました。

では、頻繁に評価を行った5つの疾患を例に、学んだことや自分が行った評価をまとめます。専門用語はなるべく使わず解説します。

①頸椎症性神経根症
この疾患では、首の骨のずれにより、首の骨の隙間を通る神経が刺激され、片側の首の痛みやしびれが生じる。肩や腕、指先までにも痛みやしびれが生じることもある。感覚鈍麻や筋力低下、反射異常も見られることもある。この疾患のように神経が原因となる疾患では、筋力、感覚、反射を評価する必要がある。

②肩関節周囲炎
この疾患は、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂などによる痛みと、ストレスなどによる心因性の痛みによるものがある。広義で五十肩とも呼ばれる。肩の可動域制限が大きい。ホットパックや電気治療などの物理療法の後、関節モビライゼーションを行うことが多い。理学療法の介入前後での関節可動域の変化を評価した。また、肩甲骨の動きの評価や、姿勢分析も行った。肩に問題があると、身体部位の位置関係や、肩甲骨の動きに問題があることが多い。心因性の痛みであることも多いため、問診で患者さんの話をよく聞くことが大事である。

③橈骨遠位端骨折
橈骨とは前腕にある骨で、橈骨遠位端とは手首部分のことを指す。高齢者の転倒時に頻繁に発症する。骨粗鬆症の方などは骨がもろくなっているため、転倒時に手をつき、骨折することが多い。手首の骨折だが、受傷後は肘から手首まで固定し、三角巾などを用いて腕全体を安静にするため、固定が外れた後は、肩から指先までが固まり可動域に制限が出てしまう。固定が外れた後は積極的にリハビリを行い、肩から指先まで全体の可動域改善を図る。肩関節、肘関節、手関節、指節関節の可動域の評価を行った。

④腰椎椎間板症
腰痛の一種で、腰椎の椎間板の中にある核がずれて痛みが生じる。腰を曲げると痛む。伸ばしていたほうが楽になる。核が椎間板を飛び出し、神経を圧迫すると腰椎椎間板ヘルニアという疾患になり、お尻や足にまで痛みやしびれが生じる。腰椎椎間板症の評価は、姿勢分析、動作分析、体幹の可動域が主である。腰痛患者さんに対してはバードドッグなどの体幹トレーニングを行っていたのが印象的だった。腰痛があるからと言って安静にしすぎてしまうと、腰を支えるための体幹が強化されることはなく、また腰痛が引き起こされるという負のスパイラルが起きてしまう。

⑤変形性膝関節症
内側半月板のすり減りにより、O脚になってしまう事例が多い。歩行時や荷重時に膝が外側へ動くラテラルスラストという動きは特徴的である。O脚になる原因は、先天的なものと日常的に間違った体の使い方によるものが考えられる。内転筋の筋力低下や骨盤の不安定化なども考えられ、人によって原因は異なる。評価項目は、歩行分析、動作分析、姿勢分析、関節可動域、筋力、周径、視診、触診が主だった。膝の曲げ伸ばしの制限、膝の曲げ伸ばしの筋力低下、腫れ、熱感などを評価する。

〈最後に〉
ここでは5例を取り上げて、学んだことと自分が行った評価を紹介しましたが、他にもたくさんの疾患を持った患者さんを評価することが出来ました。例えば、足底筋膜炎、ばち指、前十字靭帯損傷、パーキンソン病などの疾患は印象に残りました。整形外科で実習を行うと、ほぼ整形外科疾患しか見られないので、疾患や評価項目は偏りがちです。また、疾患を持っているとはいえかなり動ける人が多いです。そのため、「もっと健常者との違いが分かりやすい患者さんを評価したい!」、「脳血管障害や脊髄疾患を持った患者さんの評価(意識状態、バイタルサイン、車いす移乗、移動、体位変換など)を行いたい!」、「特定の評価ばかりではなく様々な評価を行いたい!」という学生さんは総合病院などを選択すると良いと思います。私は、将来整形外科での就職を考えているため、希望して整形外科に行かせてもらいました。是非参考にして頂けたらと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?