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枯草の根

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社会不適合でも頑張って生きてる、と証明するには文章を書くしかあるまい。そんなことを思いながら、書いているのです。
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記事一覧

ハダシ

垂れる血が美しかったから、眺めることを求めた。腹が減ったからパンを食べるのと同じだろ? 何が悪いのかわからない。でも、色取り取りの黒い「モヤ」が、謝れと騒ぎ立てるんだ。誰に? どうやって? わからないから問うた。「モヤ」は散った。

私は彼のためを思って言っているんです。だって、おかしいじゃあないですか。なんで当たり前のことがわからないの? って言うとね、彼なんて答えたと思います? 「アタリマエッ

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エール

頑張れ頑張れ、君なら出来る。みんなで一緒に進んで行こうよ。そんな些細なことで悩むなよ。大丈夫大丈夫。元気になってくれたかな。元気にならないとブチ殺すぞ。

青空へ

 癌細胞のように湧き出た関心は、存外にあっさりと完治する。百年の恋も冷める、とはそのような心境だ。君は死んでくれないのか? だとしたら、がっかりだよ。君のことを好きだった私を、さっさと殺してくれよ。せめてもの情けでさ。私は玉座で骨をばら撒き、犬に靴を舐めさせているから、十字を切りたくなったら呼んでくれ。柿の葉を焚き上げる仕事を、最後にあげるよ。

三十の愛

 愛して已まない君は此処にいるが、何処にもいない。愛着を叶えるために、執着を捨てよ。逢瀬は祝福された黄泉の果実。触れることの出来ない三十の愛は此の手の中にある。

 笑顔を見せてくれ。私はそれを輝かせる。

うつくしさ

うつくしいものの早く廃れ、愛せらるるものの早く亡ぶるといふことは、何たる残酷な矛盾であろう。しかしこの残酷があるために、かへって愛惜といふ慕はしき文字も生れた。すべてうつくしきものはそのうつくしさを全うせんがために、余韻嫋々の哀曲を残して去つた。あなたは一生をうつくしい人として終りたいとは思ひませんかーー
あなたは自分の生命をうつくしいと思つたことがありますか。さうしてあなたはそのうつくしい生命の

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不愉快な君に縋りたい

死神が大鎌を携えてやって来た。殺すつもりはないらしい。ただ隣にいるだけだ、とそう言った。
死神は本当に、側にいるだけだった。というよりむしろ、私を励ましてくれたり、話し相手になってくれたりした。心地よい声で、欲しい言葉をかけてくれる。ただ、鎌を引き摺る音だけが不愉快だった。

或る日、死神があまり喋らなくなった。すると、鎌を引き摺る音が余計に不愉快になった。もっと言えば、恐ろしくなった。しかし、私

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ガタリ

 ある休日、本屋にでも行こうと思い立ち、出かけた。お気に入りのキャスケットを目深に被り、伊達眼鏡をかけた。

 道すがら、外国からの観光客に声をかけられた。どうやら、目的地へ向かうためのバスがわからなかったようだった。私は、それほど得意でもない英語で、丁寧にバス停までの行き方と、乗るべき路線を教えた。観光客は素敵な笑顔を見せてくれた。良いことをすると気持ちが良い。さきほど教えた情報は全て嘘だったが

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手と手をとって

 吐きたい愚痴は飲み込んで、楽しさ求めて飲み込んで。不覚に吐いても飲み込んで。見られぬように舐め尽くす。潔癖症なスカトロジイ。快楽愉悦のユートピア。「果実」を食べても不可失楽園。笑顔の化粧は血に守られて、天に唾せば躊躇い傷と。水を飲め飲め、吐瀉祭。宴の後には大掃除。

 殺せ。この機械人形を。中身を引きずり出せ。

コボレ

 割れた鏡で頬を裂いたら、ホンネというものが見える気がした。痛くて冷たい感じがした。同時に、嬉し恥ずかし、という感情が湧いた。頬の外側を赤が伝ったので、白ワインを飲んだら自ずと笑いがこみ上げて来た。酔いがまわりはじめた。急にシャワーを浴びたくなったから、カミソリを持って公園に行った。日差しが腕を焼く感覚を味わう。

 公園の細い木の幹に、カミソリで相合傘を描いた。右にはサルトル、左にはボーボワール

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母のカレーライス

 友達以上恋人未満……そのくらいの仲の子が家にいる。二人で一緒に、コンビニで買って来た缶ビールを飲みながら、いつものように話している。彼女は半年前から、別れた元彼との恋愛を引き摺っている。僕は正直、あまりそのことに興味がない。どのような男と付き合おうが、どのような感情で僕に接していようが、知ったことではないからだ。ただ、彼女が僕と一緒に過ごしてくれたらそれでいいと思っている。ただ、ここ半年、彼女と

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技術の進歩は、人間の進化ではないか、と考える。

例えば、枕。元来、ニンゲンという種は地べたに頭を置いたり、壁にもたれかかったりして睡眠を取っていた。しかし、頭を安らげるために石や腕に、頭を置いて寝ることを獲得した。

それから、枕という道具を発明し、より睡眠時の頭部の安定を求めた。

これはもはや、「ニンゲンは『枕』と呼ばれる道具を用いて頭部を安定させて眠る種に進化した」と呼んでも良いのではない

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Cube

屍体の恋

カーテン

サングラス

止まった時計と水道管

ワイングラス

トランプ

ハサミ

花柄のバスタオル

カレンダー

鼻血

耳朶

目を閉じる

Corpse reviver

 今、私が見る灰色の世界。君には紅色、アナタには虹色。色鮮やかな水を選り好みするのは足跡たち。灰色は私が見たい、私が望んだ世界。今の心が望んでいようと、雪が望んだことを変えることなど出来ない。氷を求めよう、君色に染まるために。それが出来なければ、桜が割るだけ。煉獄エステが私を癒す。

 素敵な眼の色。君はそれが嫌いかい?

灰被りの舞台

玉となる音を追う。一心不乱に奏でる鍵盤。汗水を捧げるは女神か悪魔か。全ては稀有なる戦乙女に付き従うため。魂も時も瞳も、沼の中へ落とした。祭事に用いる城を築かん、大理石となる血肉を以て。