顔の見える関係の意味
顔の見える関係とは?
最近病院の中から出て医療連携に携わるようになってから、顔の見える関係について自分で考えるようになったり、結構いろんな方に聞かれるようになりました。現在自分でもそういった関係づくりを提供できる場を熊本で作ろうと奮闘しているのですが、聖隷三方原病院の森田先生の書かれた文献を読んで、「顔の見える関係ってそういうことだよな。」ってすごく納得しました。文献を読みながら共感した所やなるほどなって思ったところをピックアップすて自分の記憶のためにまとめてみました。
地域緩和ケアにおける「顔の見える関係」とは何か?
近年顔の見える関係づくりについて重要であることが言われており、顔の見える関係とは何で、顔の見える関係の影響について調べたものです。
その中のインタビュー調査の中で、それぞれの問いに対して「なるほどな」とものすごく納得する内容の回答があっていたのでせっかくなので紹介したいと思います。
顔の見える関係とは何か
①会ったこともない人たちの顔がとりあえずわかるようになること
②どういう考えをする人で、どういう人となりかが分かるようになること
③信頼感を持って一緒に仕事が出来るようになること
たしかに3つともとても納得できる内容です。
その中で印象に残った言葉として、「顔の見える関係になるというのは、名前とかどこの誰それさんということを知っている関係ではなくて、その日父なりが分かったという事だとおもいます。この人はすごく話しやすいし頼みやすいとか親近感を持つことも、逆にちょっととっつきにくいとか、価値観が違うなっていうことも、話をすることで人となりが分かったという事だと思います。」
すごく合うとか、逆に価値観や距離感が合わないなど、いい意味でも悪い意味でも理解できることが必要で、名前や所属、立場だけでない人としてつながることがとても重要な内容だと日頃感じています。
顔を通り超えて信頼できる関係
「この人たちにお願いすれば反応がかえってくるというきたいがある。この人にはいくら伝えたって無理というふうになれば、何回会っていたとしても連絡したりしない。」「一緒に患者さんをみていてお互いの仕事に仕方が分かり予測できる関係」結局は、相手のパフォーマンスが分かり、一緒に共働出来る人っていうのが大事なところ。パフォーマンスというのは、単なる知識や能力だけではなく、その事柄に対する想いやマインドも含めての事だと思います。
顔の見える関係の構築のきっかけ
顔の見える関係の構築のためには、顔の見える場所に行くというのが第一だと思います。
①地域で行われたカンファレンスでのグループワークやグループワーク後の日常的な会話・懇親会での会話
②患者を一緒にみること。
①や②の様なタイミングできっかけをつかむと言われていました。自分の職場の人とは社内の仕事を通して関わりますが、社外の人との人脈形成は、確かにこんな感じで自分も作っていっています。
性格や人間性、長所と短所、お互いの事情や専門性、仕事のポリシーや仕事ぶり・やり方を知ること。いっしょにやった時に親身にしてくれた、助かったと思えた経験、仲間の評判が関わっているとのこと。ここまでくると中も外も関係ないんだな。自分を着飾って対応するよりも礼儀を守って人間味ある感じで対応していくこと、人と人とのつながりの重要性を再度認識させられました。
SNSでつながれる時代ですが、どこか違った自分を演出しがちになってたなと再度反省しています。リアルでもSNSでもフィルターのかかっていない自分と相手とのつながりを意識していきたいと思わされました。
緩和ケアの権威森田先生の著書です。分かり易く参考になるものばかりです。ぜひ参考にされてください。