エクバはコクバ!「海外最強プレイヤー直伝」のエクストラ版こくばデッキ
みなさん、お久しぶりです!
元日本代表、現在フランスで活躍中のアントワヌです〜
パリのらーめんは一杯2200円って知ってますか?(泣)
記事を書くのは3000年ぶりですが、今回は特別なゲストとコラボして、エクストラバトルの日に参加したいみなさんに「超」有益な記事を提供する機会ができたので頑張りたいと思います!
僕は今回あくまで翻訳者で、自分よりずっと上手い海外プレイヤーのおすすめデッキとその経緯、解説、回し方の説明を本人から直接教えていただき、日本語で提供させていただく形になります。
ちなみに記事の最後に英語版の原稿も置いておりますので、ポケカの話を楽しみながら英語を少し練習したい方は、是非ご覧ください。(日本語版だけで18,000文字弱になっています)
ガチで強い×楽しい×回し心地のいいデッキですので、エクストラバトルの日のプロモを楽しく集めまくりたい人におすすめです!
それでは、今回のスペシャルゲストを紹介させていただきましょう。
NAICの2連優勝者、ヨーロッパのプレイヤーランキングのトップを君臨するWCS Day2の常連客、イヴァノフ・ステファン選手です!
はじめまして!
イヴァノフ・ステファンと申します。2010年から競技ポケカをやっていて、NAICという海外の最大規模国際大会を2連優勝した者です。リージョナルチャンピオンシップス(海外では日本のCLのレベルに相当する大会)も何回か優勝できて、WCS2017以降、毎回WCS Day2の出場権を取得してきました。この記事の原稿を書かせていただいた者です!よろしくお願いします。
この記事を書くことになった経緯
エクストラレギュレーションが単純に大好きです。ポケカをはじめに、カードゲームはカードプールが広かったら広いほど、プレイヤーの創造力を活かし意外なコンボを思いつくことができて楽しいですから!
残念ながら、海外のエクストラレギュレーションの大会の未来は不明です。昔はエクストラレギュのリージョナルが開催されていましたが、当時も殆ど全部北米限定だったし、今シーズンは西洋の公式大会は例外なく全部スタンダードで行わることになっています。
フランスのプレイヤーとしては、エクストラの熱いバトルを楽しむ方法はリモート大会しかありません。とはいえ、アレの影響でオンラインでポケカをやれる時間が増えたとともに、LimitlessTCGなどのエクストラのリモート自主大会がどんどん開催されてきました。そういう大会に参加しまくって、デッキを作ったり改造したり、エクストラの環境分析動画をアップしたりして、自分なりにエクストラレギュレーションを推してきました。
今年の12月だけでエクストラレギュのイベントを1000回以上開催してる日本が少し羨ましいですねー
エクストラバトルの日の時期が始まって、これからエクストラレギュに挑戦してみるプレイヤーがたくさんいると思いますね。今まで重ねてきたエクストラレギュの経験と知識を共有して、そういうプレイヤー達を応援したいと思ってこの記事を書きました。ここで紹介するデッキでエクストラバトルの日で活躍して頂ければ嬉しい限りです!
ここで「そりゃいいけど、フランス人が書いた記事ってこっちの大会に参加した時に本当に役に立つの?」と思う方はきっといるでしょうね。
ぶっちゃけ言います:様々な考え方を受け入れることは、プレイヤーとしての向上に不可欠です。自分がここまで残した成績も、周りのプレイヤーがそもそも検討しようとしなかった考え方を受け入れた結果です。
例を挙げると、2019年のNAICを優勝した時に採用した「ゾロアークジューゴン」デッキは当時ほとんどの海外プレイヤーの視野に入っていなかったコンセプトでした。しかし、日本の大会の結果を見ていた自分にはその強さがはっきり分っていました。
同じく、日本のプレイヤーも海外の環境の動きを見ることで得られるものが少なくないと思います。最近の例で言うと、今年の11月にトード・レクレフ選手がいわゆる「超安定ルギア構築」を使ってLAICを優勝した直後、日本選手をはじめに世界中のルギア使いがその影響を受けてキャプチャーエネルギー多めで安定した構築に移動し始めた。
最近までは日本と海外のレギュレーションの差異が大きくて、一方のアイデアを向こう側の環境で活かすことがなかなか難しい頃がありました。今も海外の拡張パックの発売ペースが遅れていて、日本のスタンダードレギュで大活躍中なのに海外ではまだまだ使えないカードが何枚かあります(VSTARユニバースの新規カードはともかく、かたきうちザマゼンタなどがまだ発売されていない。なぜか)
しかし、エクストラの場合はカードプールが倍に広くて、その数枚の差の影響は比較的に小さいわけです。自分が練習で使っているPTCGOで対面するデッキとエクストラバトルの日で当たりそうなデッキは実際にはほぼ同じです。
現環境で最も使ってきたデッキは間違いなくこくばバドレックスです。
最近の1年間以上ずっと環境トップだったこのデッキは今もTier1に違いない。回しやすさの割にはゲームプランの幅が広くて、これからエクストラを楽しみたいプレイヤーにおすすめです。この記事でこくばの楽しさと強さ、最適な構築と回し方を説明させていただきたいと思います!
ちなみにですが、海外で使えるカードに限らず、「エクストラバトルの日」用の構築ですので、VSTARユニバースで登場した「あのカード」も大活躍させるリストになりますよ。
現在のエクストラ環境
「馬鹿みたい強いデッキがたくさんあるけど、対策もちゃんとある」というのがエクストラの特徴だと言えます。
例えば、スタンダードでは対策が非常に難しかったアルセウス&ディアルガ&パルキアGX(いわゆる「三神」)の最強ワザ「オルタージェネシスGX」だって、エクストラレギュならサポート「ポケモンレンジャー」1枚でカウンターできます。
どの強力なコンセプトも、カウンターは少なくとも一つ、二つあります。(ゲームが面白くなくなるくらい本当にぶっ壊れたカードや組み合わせはもう採用禁止になってますからね)
エクストラは慣れていないプレイヤー達に「ぶっ壊れスピードデッキばかりでしょう」と思われがちですが、実際はアプローチの選択肢が豊富で、バランスが意外と取れている環境ですよ。
極端的なスピードデッキ(ワンキルデッキまで)と完全コントロールデッキがあれば、その間をとるデッキも色々あります。エクストラの主流なアプローチを簡単な図にしてみるとこうなります:
スピードディアルガはその名前の通りとんでもないペースで展開するデッキで、リモート大会でまあまあいい結果を残しています。アカギ◇を使って相手の場のポケモンを3匹に絞ってから、ディアルガVSTARのスタークロノスで1匹倒してガブリアス&ギラティナGXのジージーエンドGXで残り2匹を処理して、実質2ターン目での勝利を狙うデッキです。しかし、コンボデッキだけあって干渉やロックに非常に弱くて、環境によくあるソーナンスの「がまんおかべ」などで完全に止まってしまうリスキーなデッキでもあります。
ディアルガが極端的なアプローチだったら、メロエッタデッキがスピードデッキの定番です。1ターン目から最速でサイドをとって勝利する速攻デッキでありながら、スピードディアルガよりずっと安定しています。レスキュータンカやスペシャルチャージなどで、終盤までちゃんと戦えますが、起動が少しだけでも遅かったら逆転が厳しいデッキです。
スピードデッキと真逆に、強力なLOデッキも存在しています。「とおせんぼ」カビゴン、「フレア団のしたっぱ」、「ワンダーラビリンス◇」を「リーリエのピッピ人形」やチルタリスなどの壁と組み合わせて、相手がサイドを取りきれない状況を作って、最終的に「ロケット団の工作」で相手の山札を消費しきって勝利するデッキです。自分のプランを通すよりも、相手のやりたいことを全くやらせないアプローチですね。
サイドをちゃんと取って勝つコントロール「寄り」のデッキも存在しています:相手の戦略を縛ることによって有利を取る、いわゆるロックデッキ(グッズロック、特性ロックなど)。ラフレシアのグッズロックで試合のペースを制御して、強力な干渉カードが活かせる状況を作る「モクナシラフレシア」デッキが典型例。
従来の「エクストラ環境トップ」と呼ばれてきたデッキ達は大体この環境図の真ん中に位置していた。三神カイリュー、ピカゼク、こくばも勿論、戦略の幅が広くて、スピーディにサイドレースを進めることも慎重に勝ち筋を作ることも両方できるデッキがトップに上がる傾向があります。一つの勝ち方にこだわらないからこそカウンターされにくけて、多くのプレイヤーに人気があって当然です。
エクストラは選択肢が豊富で創造力を存分に活かせるレギュだけあって、なかなか読みづらい環境ではあります。それに加えて、エクストラの大きな大会は最近全くなかったので環境を考察するインセンティブがスタンダードほど高くない訳です。とはいえ、エクストラのリモート大会の上位デッキ、初動のエクバの日の結果、話題になっているコンセプトなどを考慮したら環境を全く把握できない訳でもない。
今の明らかな環境トップは:
・レジドラゴVSTAR
・こくばバドレックスVMAX
・パルキアVSTAR
だと思います。
Tier化しようとする意味があんまりないが、その他にもちゃんと強くてよく対面しそうなデッキをまとめてみると:
・ダブルドラゴンエネルギー×雷デッキ(三神カイリューV、ガブリアス&ギラティナGX、ギラティナVSTAR)
・LOデッキ
・ルギアVSTAR
・モクナシ
・メロエッタ
・ヒスイゾロアークVSTAR
・アルセウスVSTAR系(特にアルセウス×ダストダス)
と言う感じですかね。
元環境ではレジドラゴが一番強いだと思えますが、こくばはレジドラゴにちゃんと勝てていて、他の環境デッキにも予想外のデッキにも殆ど有利に戦えます。
こくばって「ドローエンジン、エネ加速、妨害力、回復、高火力」を全部持っている申し分の無いデッキですからね。
無料部分はここまでになります。エクストラレギュのことが前より少しわかってきた!と感じていただけたなら嬉しい限りです。エクストラって本当に楽しいですから、是非挑戦してみてください!
これからは本題のこくばデッキの最適な構築、回し方、主な対面の考察に入ります。最高に楽しいレギュの最高に使い心地のいいデッキを回してみたい方は是非ご覧ください。(値段はエクバの日の参加賞プロモのマリィの買取相場の1/8に設定していますのでお気軽にどうぞ!)
デッキレシピ&採用理由
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