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ゲノム編集ソフトウェア情報メモ(No.11-15)

こんにちは、プラチナバイオ株式会社の研究開発部ディレクターの中前です。

弊社は、ゲノム解析ならびにバイオインフォマティクスを利用した標的遺伝子の特定からゲノム編集、ゲノム編集後の解析までを一気通貫で行い、顧客の目的の表現型を構築する研究開発を進めています。
取組の中でバイオインフォマティクスツールに関する問い合わせも最近増えてますので、本記事では、国内外のバイオインフォマティクスツールについて簡単に情報発信していこうと思います。

【ゲノム編集ソフトウェア情報メモ】No.11

CHOPCHOPhttps://chopchop.cbu.uib.no/

CHOPCHOPは包括的なゲノム編集設計ツールです。設計情報をインタラクティブなゲノムマップ上で閲覧することができ、標的配列のみならずプライマーや変異予測結果も閲覧可能です。CRISPR-Cas9の他、nCas9、Cpf1、CasX、Cas13、TALENの設計にも対応しています。
論文:https://doi.org/10.1093/nar/gkz365

CHOPCHOP

【ゲノム編集ソフトウェア情報メモ】No.12

PITCh designer 2.1 (https://www.mls.sci.hiroshima-u.ac.jp/smg/PITChdesigner/index.html)

PITCh designer 2.1はMMEJノックインの設計ツールです。MMEJノックインの設計が可能か箇所を示すとともに、必要なsgRNA標的配列、マイクロホモロジー配列、プライマー等を提示することが可能です。バージョン2.1からは正確ノックイン効率を左右する配列特徴(Nakamae et al., 2022)の検出も可能になりました。
このツールは広島大学分子遺伝学研究室様が運営しています。
論文:http://dx.doi.org/10.1080/21655979.2017.1313645

PITCh designer 2.1

【ゲノム編集ソフトウェア情報メモ】No.13

PE-Designer - RGEN Tools (http://www.rgenome.net/pe-designer/)

PE-DesignerはPrime Editing用の設計ツールです。ユーザーが指定したPrime Editing前とPrime Editing後の配列を提示することで、必要なプロトスペーサー配列、PBS, RTT配列を提示します。SpRYやFrCas9などNGG PAMではないnCas9での設計にも対応しています。
論文:https://doi.org/10.1093/nar/gkab319

PE-Designer

【ゲノム編集ソフトウェア情報メモ】No.14

inDelphi (https://indelphi.giffordlab.mit.edu/)

inDelphiは深層学習を利用した変異予測ツールです。Cas9によるターゲティングによってMMEJ/NHEJによる欠失、1塩基挿入がどの程度起こりやすいか予測します。
論文:https://doi.org/10.1038/s41586-018-0686-x

inDelphi

【ゲノム編集ソフトウェア情報メモ】No.15

GEM (https://bonohu.hiroshima-u.ac.jp/gem/)

GEMはゲノム編集研究論文のデータベースです。編集ツールや出版年、生物種など様々なカテゴリごとに検索することができます。
このデータベースは広島大学ゲノム情報科学研究室様が運営しています。
論文:https://doi.org/10.1016/j.ggedit.2022.100024

GEM

以上です。

ソフトウェアの詳細な使い方等の相談も随時お受けしておりますので、弊社窓口(info@pt-bio.com)までお気軽にご連絡ください。

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記事作成者:中前 和恭 / Kazuki NAKAMAE, Ph.D.

2020年入社。博士(理学)。

広島大学ゲノムイノベーションセンター 共同研究講座助教としてバイオインフォマティクス研究に従事しつつ、プラチナバイオ株式会社研究開発部 ディレクターとしてゲノム解析・ソフトウェア開発・ゲノム編集解析業務に従事。

国内のゲノム編集×バイオインフォマティクスを盛り上げるお手伝いができればと思います。

Researchmap: https://researchmap.jp/knakamae
GitHub: https://github.com/KazukiNakamae