結婚後の『キュン』の行方
昨日、入籍して5年が経った。
木婚式と言うらしい。
4年だと花婚式。
長持ちしそうな名前に昇格した。
ふたりでこの5年、
各年の記念日に何をしたか、
ドライブをしながら振り返った。
入籍記念日、それぞれの誕生日、
結婚式記念日、クリスマス…。
毎年毎年、こうやって
何があったか話して、
あれ?○年目は?なんて
笑いあえてたら、
それだけで幸せだ。
妻が最近韓国ドラマをよく見ている。
『知ってるワイフ』というドラマが
面白いのだと言う。
妻と喧嘩しすぎて離婚したい夫が
過去に一度戻って別の魅力的な人を選んだが、
自分と居ない妻の魅力に逆に気付かされる、
というあらすじらしい。
そのドラマを見ていると、
30になって『キュン』の価値観が
変わってきていると気づいたそうだ。
昔は、独り身のときは、
いわゆる壁ドンみたいなことや、
突然のキスなどにキュンとする、
という友達の話を聞いて、
確かに〜と思っていた。
だけど、最近は
何も言わずに皿洗いをする僕を見たり、
料理をしてくれる姿を見たりすると
『キュン』とはちょっと違うかもだけど、
ありがとう、と思って嬉しい気持ちになる、と。
と同時に少し若い時に
『キュン』だと思っていたことには
生活が伴っていない気がして、
あまり興味がなくなってきたという。
僕は時が戻っても、妻を選ぶ
その話を聞いていて、
僕は幸せだなぁと思った。
僕にとって『キュン』は、
『幸せだなぁ』と感じる瞬間だと思った。
美味しいものを食べて笑みを交わすとき、
海外旅行に行って綺麗な海を見たとき、
少しお酒を飲んでお互いに楽しい気分のとき、
変なところでツボってゲラゲラ笑ってるとき、
辛い時、大丈夫だよと背中をさすってくれるとき、
嬉しい報告をしたときに一緒に喜んでくれるとき、
家に帰って温かいごはんが用意されていたとき、
毎年記念日を迎えたとき。
いつでも、すぐそこに、
『幸せだなぁ』は転がっていて、
妻がいるだけで日常が素敵だ。
こんな毎日が、ひとつひとつの思い出が、
僕らの関係を強固なものにしていて、
お互いをかけがえのない存在にしてきた。
僕にとって間違いなく運命の人になってくれた。
だから、『知ってるワイフ』の
主人公と同じように時が戻っても、
僕は間違いなくもう一度妻を選んで
同じように年月を過ごしていきたいと思う。
もちろん、記憶が残ってもう一度過ごせるなら
できるだけ失敗はしないようにする。
悲しい思いをさせたり、怒らせたり、
そんな思い、次はさせやしない。
いや、やっぱりさせてしまうかもだけど、
毎日毎日の妻の笑顔を写真を取って、
アルバムにでもまとめてみようかな。
恥ずかしいって嫌がりそうだけど。
昔だったらノロケと言って嫌がられ、
今だったら良い夫のふりと揶揄される。